LIVE REPORT[過去のライブレポート]

LIVE REPORT [過去のライブレポート]

2011年7月13日@心斎橋JANUS

  • 出演アーティスト:UNLIMITS/MONICA URANGLASS/QUATTRO
  • 取材・文:奥“ボウイ”昌史(ぴあ関西)
  • 撮影:田浦 薫(TAULab.)

関西から次代のシーンを担う注目のニューカマーを多く輩出してきた人気ライブイベント『GSGP PROJECT』の後継イベントとして、5月29日に記念すべき第1回が行われた『GLICO LIVE"NEXT"』。The SALOVERS、cinema staff、FliP、LITEを迎え、初回から大盛況の盛り上がりを見せた『GLICO LIVE"NEXT"』が、早くも7月13日(水)心斎橋JANUSにて第2回目を開催。今回もUNLIMITS、MONICA URANGLAS、QUATTROと、海外をも視野に入れた3バンドが火花を散らした熱い一夜は、MC役のFM802 DJ・飯室大吾による開会宣言で開幕へ!
「ホントは今日は暑い中ありがとうございます〜!準備はいいですか!? 暑い暑い真夏の今夜、『GLICO LIVE"NEXT"』、スタート!」

UNLIMITS

トップバッターは先日『京都大作戦2011』の牛若ノ舞台を沸かせたばかりのUNLIMITS! 本日の『GLICO LIVE"NEXT"』は重量級のビート&ギターリフ、歌謡のフレイバー漂うドライブ感のあるサウンドと清水(vo)のしなやかで華のあるボーカルで幕開けだ。 しょっぱなの『ループ』『クローバー』の2連発から、JANUSには何本もの拳が上がる…いやはやスゴい熱量(汗)。さらには、メランコリックなアルペジオから四つ打ちビートに突入するカタルシスが絶頂へと導く名ポップチューン『さよならバタフライ』に突入! いや〜お客さんもみんないい顔です。そして、「今日はいろんな色の音が重なった自由なイベントになればいいなと思ってます。みんなもそんな自由な空間で泳いでいってくれたら」(ds&vo・郡島)と、9月発売予定の新曲『ハルカカナタ』を披露。鋭くも切なさを帯びたギターリフが疾走感のある楽曲の世界を絶妙にリード、大サビのユニゾンも気持ちいい。

続く『ライムライト』と言い、彼らの核である轟音サウンドを浴びるアッパーチューン、そしてナイーヴな中にも芯の強さと優れた情景描写を潜ませたミドルチューン。この二面性をガッチリとつなぐどこか懐かしくも儚いメロディが、彼らのかけがえのない核だ。その光と影が確かに共存する彼らのライブだからこそ、ただやみくもに盛り上がるだけじゃなく、胸を貫くのだろう。「この間も日本中が大パニックになるような出来事が起きて…そのときは自分が無力でどうしようもなくて、落ち込んでいたけど、ツアーを続けることで音楽の力はすごいんだって感じることが出来たんです。東北でもライブを待ってる人がたくさんいて…クサいけど、音楽の力は偉大です。日々ツアーを廻る中で音楽にもらった力を、ここで皆さんに披露します」(清水)と披露された『ハロー』では、スケールの大きい歌詞とそれを支えるサウンドスケープが、会場を優しく、そしてしっかりと包み込んでいく。

そして最後は、「今日は思う存分自分のやり方で楽しんでいけよ〜!」と疾走叙情系ソング『蒼』でシメ。
前線で肩を揺らしていた波が、いつの間にか会場の奥まで到達していた光景は、まさに痛快!

MONICA URANGLASS

そのバンド名がアナウンスされるや場内は大歓声! 
カットアップされた轟音SEからオーディエンスの期待感は高まるばかりだ。そんな中登場し「ハイこんばんは〜MONICA URANGALSSだよ〜。騒げ〜オ・オ・サ・カ!」と68(vo&syn)の開口一番、硬質で破壊的なロッキンビート『KURODA』『KINKY INC』で、すぐさまJANUSはダンスフロアへ!  そして、間髪入れずにビートを途切れさせることなくそのまま『Katie』に突入!! 
きらびやかな照明に彩られ、歪んだベースとスペーシーなギターが、フロントマンの68をガッチリサポート。耳をつんざく轟音ダンスサウンドで、とにかくしょっぱなから飛ばしに飛ばす! 
ここで「リーダーがお喋りします〜」と68からKAZ-TICS(g)にMCをスイッチし、「ビスコ生まれビスコ育ち、MONICA URANGLASSだぜ!」と煽りつつ、アルバム&ライブ告知に、ちゃっかり"グリコのCMソング何だったら全然やりますよむしろやりたい的アピール"もさらりと織り交ぜる高度な技も(笑)。

そして後半戦は7月27日発売のニューアルバム『PUXA』から『ExixiT』『Riot Placebo』を2曲連続でドロップ!
完全フロア仕様にチューニングされた楽曲の速射砲に、オーディエンスはひたすら踊り狂うという壮観にしてすさまじい光景…。
とのかくその手を緩めず、目の前の観客に身も心も解放させることに専念したセットリストたるや…まさにドS!!(笑) 休む暇なんて与えませんよ〜。
68はハンドマイクでステージを横断し、オーディエンスをとことんアジテート。
「じゃさよなら。また来ます」(68)と、最後は『CORELESS,BLAH!BLAH!BLAH!』で、まさにトドメを刺すという表現がふさわしい盛り上がり! 
僅か30分のライブ中ですら、自ら叩き出した最高得点を更新していくように、怒涛のエンディングに向かっていく様はまさに圧巻の一言。
開始2回目にして『GLICO LIVE"NEXT"』の歴史に、強烈なインパクトと刺激を残したMONICA URANGLASSは、すさまじいフィードバック音を背に、クールにステージを後にした。

QUATTRO

そしてこの日のトリを飾るのはQUATTRO! 確かな音楽的バックグラウンドに支えられた世界照準のボーダレスサウンドで、じっくりじわじわ攻めていくかと思いきや、いきなり『MJ』でフロアはジャンプ&ジャンプで揺れる揺れる! 何よりステージを楽しんでいるのが分かる→それが観てる人に伝わる→オーディエンスも楽しいという、ライブにおける幸福な連鎖が嬉しい。

続くユニゾンのリフが天国へと誘う『Z』といい、タイトル通りの軽快で楽しい『FunRun』といい、オーディエンスがとにかく気持ちよく肩を揺らす何ともピースフルな光景をひたすら提供する彼ら。ジャストな演奏で魅せた『Flamingo』、「汗がすごくてさ、泣いてるみたいに見えるよね? 雰囲気出てるよね? …ライブが終わった後に"スベッてましたね"みたいに言うのはやめろよ!(笑)」(vo&g・岩本)なんて和み系MCを挟みつつ(笑)、トロピカルなギターリフが心地いい『Time』へ。時に岩本が鍵盤にスイッチし、潮田が(g&vo)が豊潤なコーラスで聴かせるなど、巧みなサウンドメイクで会場をグッドヴァイブで包み込む。カントリーテイストな『#7』では、再びフロアが揺れる! 

そして、「ラスト2曲です」と、最後はドライヴィングチューン『joy』、そして「喋るタイムになっちゃった…マズイって…こんなに人が観てるんだよ…(笑)。えー7年ぐらいバンドやっておりますが、7年前からMCがダメと言われ、ここに立っております(笑)。じゃ本日締めくくりたいと思います!」(岩本)と苦手な(!?)MCでもきっちり沸かせ(笑)、オーセンティックなロックチューン『HEY』でフロアは沸点に! 言葉通り『GLICO LIVE"NEXT"』第二夜をしめくくるにふさわしいクオリティと熱のこもったパフォーマンスで、QUATTROがきっちりとエンディングを飾ってくれた。

STAFF COMMENT

3組の熱いパフォーマンス後は、司会のFM802 DJ・飯室大吾により、おなじみのグリコのお菓子・豪華詰め合わせが当たる抽選会と共に、早くも次回『GLICO LIVE"NEXT"』の開催を発表! 時は9月13日(水)、場所は同じく心斎橋JANUSにて。期待して待て!