LIVE REPORT[過去のライブレポート]

LIVE REPORT [過去のライブレポート]

2011年9月13日(火)@心斎橋JANUS

  • 出演アーティスト:東京カランコロン/長澤知之/D.W.ニコルズ
  • 取材・文:奥“ボウイ”昌史(ぴあ関西)
  • 撮影:田浦 薫(TAULab.)

関西から次代のシーンを担う注目のニューカマーを多く輩出してきた人気ライブイベント『GSGP PROJECT』の後継イベントとして、"関西から新たな才能を応援!"をコンセプトに今年5月にスタートを切った『GLICO LIVE"NEXT"』。第2回目となった前回はUNLIMITS、MONICA URANGLAS、QUATTROと、海外をも視野に入れた3バンドが火花を散らした熱い一夜に。そして今回、まだまだ暑さが残る9月に行われた第3回目は、シーンで着実に経験値を積み重ね続けるD.W.ニコルズ、長澤知之、さらにはその勢力を拡大する期待のニューカマー・東京カランコロンと、キャリアは様々ながら今後のブレイクを射程距離に置いた期待の3組が集結! 才能が乱反射する注目の一夜、いざ開幕です!!

東京カランコロン

岡村靖幸の名曲『だいすき』のSEを背に、しょっぱなからトリッキーな音出しでマイワールドを作り出したのは、注目度急上昇中の新人・東京カランコロンだ。 奇天烈なシンセのフレーズが導くオープニング曲の『CAN'T STOP運命線』から煽りに煽って、バンドの魅力が目いっぱい伝わるパフォーマンスで会場を瞬時に魅了する。ぴょんぴょん跳ねるせんせい(key&vo)が…か、かわいい(笑)。対するもう1人のフロントマン・いちろー(vo&g)も抜群に華のあるシンガーだ。続く『少女ジャンプ』も、マーチなドラミングが誘うハッピーな新曲。さらには、東京カランコロンの世界をキャッチするにふさわしい代表曲『マリメッコとにらめっこ』と立て続けに披露。ふわふわと浮遊感のある不思議なメロディはキャッチーでオリジナル…こりゃクセになりそう。
続くMCのコーナーでも、「皆さん改めましてこんばんは。東京カランコロンです。実は昨日まで札幌にいた弾丸ツアーで…」(いちろー)「ジャイアントコーンがすごく好きで、食べ過ぎて右の歯が欠けたんです」(いちろー)「救いようがないわ」(せんせい)なんて、話題が瞬時に行き来(笑)。一転、「誰かに出会ったとき、その人以外何も見えなくなるっていう曲をやります」(いちろー)と披露された『ラブ・ミー・テンダー』は、まるで海の底にいるようなディープさで会場を包み込む…。手振りも添え、気持ちよさそうに、のびやかに歌うせんせい。 ふわりと合わさる2人の声とメロディが心地よい。そして、あっという間のラストチューン『マドモアゼルと呼んでくれ』は、イントロが鳴った瞬間にいい曲だと分かる、切なポップソングの名曲。全編を通してとにかくステージの楽しさがビシビシ伝わってくるパフォーマンスは、観る者の心をほっこり優しくさせる。緩急自在にバンドの魅力を見せ付けた大いなる新人・東京カランコロン。こりゃブレイクする日も遠くない!?

長澤知之

続いて登場したのは、『GLICO LIVE"NEXT"』初のソロアーティスト出演となる、シンガーソングライター・長澤知之。「お前ら音楽好きかバカチンが!(笑) 遊びましょう」と、気心知れたバンドメンバーと共にいきなりのハイテンション&重たいビートをぶっ放した『どうせ陽炎』から、興奮のライブはスタート! 深紅の照明に包まれながら、1曲の中でオペラ的歌唱のハイトーンからジェットコースターが急降下するように低音を聴かせるなど、変幻自在の歌声で幻惑するその光景は、まさに鳥肌モノ。いやはや、やはり只者ではない。「どうも改めまして長澤知之です。よろしく」と挨拶した後は、あたたかな『はぐれ雲けもの道ひとり旅』をじっくりと聴かせる。楽しそうにギターを弾いて歌っているのにも関わらず、聴いてるこっちはとにかく歌が刺さる刺さる。「大阪、そんな久しぶりではないんですけど来させてもらいました(笑)。ただいま」なんてMCには、会場から思わず「おかえり〜!」の声も。ライブならではの和む瞬間だ。そして、後半戦は、いきなり怒涛の名曲『明日のラストナイト』! 蒼い照明に照らされながら、息を呑んで聴き入る会場…この曲は本当にヤバかった!!  「それでは大阪の紳士淑女の皆さん、『JUNKLIFE』というアルバムの中から、最後に2曲聴いてください」。地鳴りのようなハードなドラミング、グラマラスなギターがシビれるビートチューン『JUNKLIFE』では、歌詞を間違いメンバーと顔を見合わせるのもご愛嬌(笑)。いい笑顔、いいグルーヴがステージ上に渦巻いているのが分かる。そして、泣きのギターリフから瞬殺ロックンロールチューン『THE ROLE』に突入!! ヘヴイなブレイクの連発にオーディエンスもジャンプ
ジャンプ! 飾らずにただ、曲を披露する。もうそれだけで成立してしまうライブは、まさに異端にして天才。「ありがとう、またね」と言葉少なにステージを立ち去った長澤知之。いつまでもざわめきの収まらない会場が、そのステージの衝撃を物語っていた。

D.W.ニコルズ

『GLICO LIVE "NEXT"』!いくぜ〜!!」と、小気味良いギターのカッティングが心地いいダンスチューン『あの街この街』で、この日最後のステージの幕を開けたのは、大トリ・D.W.ニコルズ! 
ライブバンドとしての実力が如実に現れたパフォーマンスは、思わず笑顔がこぼれるほどグルーヴィー。続く『キューバーリバー』でも、歌うベースライン、ハリのある歌声、歌詞がどんどん飛び込んでくるグッドメロディに身体が自ずと動き出す。かと思えば一転、『ピアノ』の牧歌的なメロディは、じんわり胸に染み渡る。いや〜いい曲書くなぁホントに。
「さっき楽屋で、今日で人前で歌うの何回目だろう?ってふと考えて。初めて人前で歌ったのは高校の文化祭の後夜祭で。それから10年くらい経って…単純に歌を作って歌うっていうことを、これからもやっていきたい。今日も皆さんの前で歌えて嬉しいです。記念すべき僕たちのデビュー曲を」と披露されたのは、『マイライフストーリー』。チームワーク抜群のコーラスワークが、JANUSいっぱいに広がっていく。つくづくいいバンドだなぁとライブ中に何度も思わされるのは、彼らが誠実に、そしてまっすぐに音楽と向き合っている結果だろう。 「次で最後の曲です。またどこかで会いましょう。明日は今日よりもグッデイ、あさっては明日よりもっとグッデイっていう曲です。みんなのために一生懸命歌います。D.W.ニコルズでした」。そして、ラストはライブでも定番の大合唱ソング『グッデイ』。ハンドマイクでステージを縦横無尽に歩き回り、オーディエンスを先導するわたなべだいすけ(vo&g)。会場を包むハッピーなムードには自然と手拍子が巻き起こる。さすがライブバンド、さすがトリのアジテーションぶりには、オーディエンスの肩が揺れ、ラララの大合唱! これ以上ないエンディングで、D.W.ニコルズが見事この素晴らしい夜を締めくくってくれました。

STAFF COMMENT

「いや〜それぞれが魔法をかけてくれましたね。まずは最後にハッピーな気持ちにさせてくれました、D.W.ニコルズに拍手〜! カランコロンにふわっとさせてもらって、長澤くんの音を浴びて、最後はハッピーになるって最高でしょ」と、司会のFM802 DJ・飯室大吾が言うのも納得の一夜となったこの日。
続いて行われたグリコのお菓子・豪華詰め合わせが当たる抽選会の際には、同時に次回11月11日(金)の"ポッキー&プリッツの日"に行われる、『GLICO LIVE"NEXT"SPECIAL』の告知も! another sunnyday、[Champagne]、ねごとの3組のラインナップ発表には、大きなどよめきが巻き起こった。会場もいつもよりひと回り大きい心斎橋BIGCATにて、飯室大吾に同じくFM802DJである鬼頭由芽を加えた2MCで贈る年に一度のスペシャルナイト、ぜひご覧アレ!