LIVE REPORT[過去のライブレポート]

LIVE REPORT [過去のライブレポート]

2014/05/15(木)@Music Club JANUS

  • 出演アーティスト:asobius(アソビウス)/Charisma.com(カリスマドットコム)/Scenarioart(シナリオアート)/Brian the Sun(ブライアン・ザ・サン)
  • 取材・文:奥“ボウイ”昌史(ぴあ関西)
  • 撮影:田浦ボン

「2014年、今年の『GLICO LIVE“NEXT”』一発目! 皆さんようこそ〜!!」とのFM802DJ飯室大吾の宣誓と共に、いよいよ今年も開幕! 歴史あるニューカマー・サポート・イベントの2014年第一回目は、虎視眈々とネクストブレイクを狙うラインナップが揃いながらも、なんと太っ腹の完全招待制にて開催!! 幸運な当選者たちも思わず拍手喝采、今か今かと開演を待ち侘びる期待感も爆発寸前の中、『GLICO LIVE“NEXT”』が今年もスタートです!

Charisma.com(カリスマドットコム)

「ごきげんよう! 『GLICO LIVE“NEXT”』にお越しの皆さんはじめまして、よろしくどうぞ。みんな元気なの〜!? そのゴキゲンを全部ちょうだい!」と開口一番、2014年の記念すべきトップバッターを飾ってくれたのは、今をトキメク“日本一売れてるOL”、Charisma.com! 『GEORGE』〜『歪LOVE』〜『ハッピーターン』とバキバキにクールなトラックを駆け抜けるItsuka(MC)のフロウとは裏腹に、オーディエンスを決して置き去りにしないもてなしの姿勢は、しょっぱなから『GLICO LIVE“NEXT”』に花を添えてくれる。「満員電車って大変だと思わない?」とジョインしやすい誘いからなだれ込んだ『Train HELL』といい、ロックバンド揃いのラインナップ中唯一のDJユニットという立ち位置を把握しつつも、しっかりアップリフティング。オーディエンスを巧みにリードするエンタテインメント精神は、多くのジャンルレスなイベントを経てきた2人ならではだ。

今年初大阪ライブを楽しみにしていた旨をGonchi(DJ)が伝えた後は、トリッキーでポップなビートにヤられる『AUTOMADE』、へヴィなブチ上げチューンにして6月4日(水)リリースの1stフルアルバム『DIStopping』のリードトラック、『イイナヅケブルー』をフロアにドロップ! 満員のオーディエンスにビートに身を委ねる心地よさを叩き込みながら、ラストは鉄板の『HATE』に突入…かと思いきや、「これで終わると思ってんのかー! だったらもっと騒げー!!」とItsukaが煽り倒して怒涛のエンディングへ! 女性としてのキュートさとアーティストとしてのクールさを兼ね備えたステージで魅せてくれたCharisma.comが、今年の『GLICO LIVE“NEXT”』の幕開けを見事に飾ってくれた。

asobius(アソビウス)

神秘的なSEに誘われ、「俺のプリッツに合わせて踊れ!」と指揮棒ならぬプリッツを振りかざし(!?)二番手として登場したのは、ファンタジックで壮大なサウンドが持ち味のasobius! SEから溶け込むように始まった『starlight』でも、無論その魅力を存分に発揮。身体の芯まで響いてくるような大陸的なビートと、指揮者のようにバンドを先導する甲斐(vo)の全身でエモーションを伝えるパフォーマンスに、グッと引き込まれる会場。続く『rise』といい、『discovery』といい、広大な大地を彷徨うがごとく次々と景色を変える楽曲は、さながらロックオペラのよう。今まさにライブにおける幸福な新感覚を味わっているのを、まざまざと感じさせてくれる。そして、そのサウンドスケープを構成するメンバーの確かなサウンドメイクと演奏力は、頼もしい限りだ。

後半戦の『I’m in the love』『all the things so far』でも、その独自の世界観が爆発! うっとりするほど美しい夕景のように、生命力みなぎる夜明けのように、己の音楽を存分に鳴らし切ったasobius。「また必ず来ますので、楽しみにしていてください」と関西での再会を約束した彼らは、6月11日(水)心斎橋Pangeaにて自主企画『life is growing』を行うとのこと。非日常を引き連れての再訪が楽しみでならない。

Scenarioart(シナリオアート)

続いて、地元ならではの歓声と共に迎えられた三番手は、男女ツインボーカル×3ピースロックバンドScenarioart。ヤマシタ(b)をセンターに、ハヤシ(vo&g)とハットリ(vo&ds)を両翼に備えた独特のフォーメーションから繰り出した挨拶代わりの『ハロウシンパシー』、メインボーカルが目まぐるしくスイッチ&転調を繰り返す複雑な構成ながら、きっちりポップソングな『サヨナラコウコツ』、そして『ホワイトレインコートマン』の寓話的な世界観といい、バンドの醍醐味と言えるサウンドを躍動感にたっぷりに魅せていく。

一転MCでは、「後ろの人が見えへんかと思って。頂点に立った気分やわ」と椅子に立ち、かつて音楽コンテストでグランプリと共に『ポッキー賞』をもらったエピソードを交えつつ話すハットリ(笑)。「残り僅かやけどみんな楽しんでいけますかー!?」と突入した後半戦は、ハヤシが思わず「ありがとう」と漏らすのも納得、自然発生的にクラップが巻き起こりハッピーな光景を見せた『スペイシー』、「今日はみんなと偶然にも、必然にも、出会えて嬉しいです。いつでもみんなの味方でい続けたいと思います」と披露した『ワンダーボックス』を披露。幻想的な5篇の物語で、オーディエンスをロックオンしたステージだった。

Brian the Sun(ブライアン・ザ・サン)

そしてこの日のトリを飾ったのは、「どうも、大阪のBrian the Sunです!」との言葉通り、今や西のシーンを形成するに欠かせないバンドに成長したロックバンドBrian the Sun! 1曲目の代表曲にしてキラーチューン『Sister』から、何本もの拳がフロアから突き上がる。続く『グラストライフル』にしても、選ばれしロックボーカルとしか言いようがない森(vo&g)の歌声、ライブを積み重ねたバンドのみが出せる出音の説得力で、ライブバンドとしての実力と志をステージから問答無用に見せ付ける。

MCでのオーディエンスとのやりとりもお手のモノ、一転ハンドマイクでステージを横断しながら披露した『Noro』、そしてニューアルバムのタイトル曲『彼女はゼロフィリア』へ! 見渡せば満員のJANUSの隅々にまで派生した強烈な熱量に、森が「アツッ!」と口に出すのも仕方あるまい(笑)。賑やかなメンバー同士のやりとり、MC中に赤ちゃんが声を上げ、「俺の話なんてどうでもよくなったね(笑)」と白山(b)が笑ったシーンも、ライブの迫力とは裏腹のアットホームなハイライトだった。

そしてラストは、名曲『ロックンロールポップギャング』。“気に入らない事ばっかりだ。/腑に落ちない事ばっかりだ。”という吐露に対して、“誰かのせいにしたままで逃げるのか?”、“誰かのせいにしたままで死ねるのか?”と痛烈なカウンターを浴びせるタフなメッセージをフロアにブチ込んだBrian the Sunが、今年最初の『GLICO LIVE“NEXT”』をきっちり締め括ってくれた。

STAFF COMMENT

今年もイベントの最後は、オーディエンスもお待ちかねのグリコの豪華お菓子の詰め合わせ=グリコボックスの抽選会を実施! 今回は招待制ということもあって、『GLICO LIVE“NEXT”』初体験の方も多かったのでは!? そして気になる次回は7月17日(木)、場所は同じく心斎橋JANUSにて。出演はgo!go!vanillas、ヒトリエ、phatmans after schoolと、会場にて発表されるやフロアから歓声が上がった注目の3組。夏真っ盛りの『GLICO LIVE“NEXT”』、次回も要チェックです!