LIVE REPORT[過去のライブレポート]

LIVE REPORT [過去のライブレポート]

2014/11/11(火)@BIGCAT

  • 出演アーティスト:Czecho No Republic/東京カランコロン/髭
  • 取材・文:奥“ボウイ”昌史(ぴあ関西版WEB)
  • 撮影:田浦ボン

今年も今をときめくネクストブレイカーが多数出演してきた『GLICO LIVE“NEXT”』。その2014年最後を飾る“SPECIAL”にして、年に一度の“ポッキー&プリッツの日”となる11月11日に集結したのは、Czecho No Republic、東京カランコロン、髭と、独自のポップセンスを様々なサウンドスケープでシーンに提示するエネルギッシュなライブアクト3組!オープニングトークではそれぞれが仲良く威嚇しつつ(笑)、なんと出順を抽選で決めるという初の試みも実施。しょっぱなから大いに沸いた、今年の『GLICO LIVE“NEXT”』を締め括る宴の幕開けを飾ったのは…!?

Czecho No Republic

まさに『Amazing Parade』!満員御礼のBIGCATを1曲目のタイトル通り一瞬にして祝祭空間に染め上げたのは、この日の栄えあるトップバッターを飾ったCzecho No Republic!!パーカッシブなビートとツインギターのきめ細やかなフレーズが彩る『RUN RUN TIKI BANG BANG』の、タカハシマイ(cho,syn,perc)の一挙一動ポップアイコンな佇まいに見惚れつつ、八木(g)がボーカルをとるハイパーな『JOB!』へとなだれ込む。

「『GLICO LIVE“NEXT”』は今日がメインディッシュ的な感じだよね?」と武井(vo&b)が煽りつつ、ロマンティックでメロウな『ファインデイ』では、ボーカルをタカハシにスイッチ。舞台上の主役が次々と移り変わりながらも、チェコのポップネスは揺らぐどころか時間と共に増幅していくかのように、BIGCATを心地よく侵食していく。続いては、エレクトロでファンタジックな『Clap Your Hands』へ。ゆったりとしたBPMでオーディエンスを揺らせるダンサブルなナンバーは、バンドの音楽的奥行をしっかりと感じさせる。

MCではこの日が誕生日前日だという飯室大吾をイジりつつ(笑)、これまたこの日がフラゲ日となったニューシングル『OhYeah!!!!!!!』を披露。武井が小ぶりなアコースティックギターをかき鳴らす新曲は、今後のライブのフックになっていくであろうドリーミンなアップチューン。そして、ラストはキラーな『MUSIC』『No Way』という鉄板の2曲で怒涛のエンディング!何層にも折り重なるギターとコーラスにまぶされた瑞々しいポップセンスに只々満たされる、至福の35分を一気に駆け抜けたCzecho No Republicだった。

耳をつんざくフィードバックノイズとツインドラムのパワフルなビートを浴びながら幕を開けたのが、この日の2番手となる髭のステージ。時にひざまずき天を仰ぎ、オーディエンスに背を支えられながらギターをかき鳴らす須藤(vo&g)。もはや余裕と自由と貫禄すら感じる『黒にそめろ』『それではみなさん良い旅を!』での堂々たるライブアクトぶりは流石だ。

「11月11日は大阪に来るって決めてたの。みんなの顔がすごく見たかったんだよ。まさかの3曲目から新曲やってもいいかな?自分たちでも全然演奏出来ない曲(笑)。歌詞は間違うとかいう問題じゃなくてまだ出来てないから(笑)」と、須藤節炸裂のMCから披露されたのは『ing』。須藤がハンドマイクに、宮川(b)は鍵盤にと、フォーメーションをチェンジしアウトプットするメロウでアーバンなトラックは、BIGCATのオーディエンスをクルーズさせると共に、髭の新境地をしっかりと感じさせる。そして、まばゆい光の中、ステージの天に手を伸ばす須藤…続くサイケなミドルナンバー『虹』といい、ロックミュージックがもたらすハッピーなエモーションを存分に放射する髭。いや〜いいバンド!

「俺たちは永遠のNEXT、ずっとNEXTだから。何年か前にも出てるからね(笑)(※2004年)。ここで、今日はすごくMCがブッ飛ぶんだけど、みんなアメリカ行きたい?(笑)この人がみんなをアメリカに連れて行ってくれるって!」と後半戦の口火を切ったのは、佐藤“コテイスイ”康一(per,ds)が拡声器を持ってクラウドサーフする『MR.アメリカ』!『王様はロバのいうとおり』のリアレンジ版『王様のその後』を経て、「パーティはここからでしょ!?」と、機材トラブルをものともせずスピーカー上からオーディエンスの海を見渡した『ハリキリ坊やのブリティッシュ・ジョーク』、そしてラストの『テキーラ!テキーラ!』まで、ライブアクトとしてのキャリアと衝動を刻み付けたステージで、きっちりとバトンをつないだ髭だった。

東京カランコロン

大音量で流れるKANの『愛は勝つ』をバックに、2mはあろうかというロングなポッキーを手に登場したのは、今日の、そして2014年の『GLICO LIVE“NEXT”』のトリを飾る、東京カランコロン!「みんな疲れてない?」なんてねぎらいは何だったのかというくらいのフルスロットルで、いちろー(vo&g)主導の『16のbeat』、せんせい(vo&key)が扇動する『恋のマシンガン』と、男女ツインボーカルの強みと旨みを見せ付けるポップソングを連発。軽快なギターのイントロにオーディエンスが色めきたつ『走れ、牧場を』では、縦横無尽に動き回るフロントマン2人のステージングに、会場の温度も自ずと上がる。

MCでは、10月よりFM802の人気番組『MUSIC FREAKS』のDJを務めるいちろーが、楽屋に大量に用意されていたポッキーを「もうバッグに5つぐらい詰めました」と語り会場を沸かせ(笑)、後半戦は、来年1月にリリースされるアルバム『UTUTU』のリード曲であり、いちろーが女性目線で作詞しせんせいがボーカルをとる新曲『ヒールに願いを』を初披露。切ないバラードの世界観に引き込まれ、じっと聴き入るオーディエンス。

ラストは、会場のリアクションに思わず「完璧!」と漏らしたいちろーが狂気のファルセットボイスを聴かせる『true!true!true』、ねじれたギターリフの応酬からサビで爆発する『泣き虫ファイター』の2連発でエンディング!とは言え、熱気高まるBIGCATはこれで帰してはくれません。鳴り止まない拍手に応え、先日いちろーが髭の須藤のラジオ番組に出演し、この日の共演について話した流れで実現したという、この日限りのアンコール・セッションへ突入!台風で中止となってしまったこの夏の『MEET THE WORLD BEAT 2014』の最後に出演者が集いやるはずだったという、ビートルズの『ヘイ・ジュード』を披露するスペシャルな展開に。2014年の『GLICO LIVE“NEXT”』を締め括るにふさわしいワンシーンで、ライブは見事に幕を閉じた。

STAFF COMMENT

アンコールではステージに上げられ、『ヘイ・ジュード』を華麗なジャンプで締めた(笑)FM802DJ飯室大吾がそのまま会場脇へと駆け寄り、最後は恒例の豪華詰め合わせ・グリコボックスの抽選会へ。オーディエンスとの記念撮影もバッチリ決まって、今宵の宴は終演に。なお、この日のライブの模様は11月27日(木)の『RADIO∞INFINITY』にてオンエアされるとのことなので、そちらも要チェック!& See You Next Year!!