LIVE REPORT[過去のライブレポート]

LIVE REPORT [過去のライブレポート]

2015/05/18(月)@Music Club JANUS

  • 出演アーティスト:QOOLAND/テスラは泣かない。/ミソッカス
  • 取材・文:奥“ボウイ”昌史(ぴあ関西)
  • 撮影:田浦ボン

『GLICO LIVE“NEXT”』2015年の幕開けは、心配された雨も上がり、大勢のライブラバーが大集結。そして、それを迎えるメンツも、QOOLAND、テスラは泣かない。、ミソッカスと、ネクストブレイク予備軍のライブアクトがズラリ顔を揃えたこの日。FM802DJ飯室大吾が、オープニングでハイテンションにまくしたてるのも納得の期待感満載のムードの中、新たな歴史を刻むニューカマー・サポート・イベント『GLICO LIVE“NEXT”』が、今年もいよいよスタートです!

QOOLAND

ところでQOOLANDってどうなんだい?スペシャルでクレイジーなヤツだって聞いてるけど」なんてエンタテインメント精神溢れるアナウンスを織り交ぜたSEを切り裂く轟音と、光瞬くフラッシュライトが彼らの開戦の合図。しょっぱなからハイエナジーな『勝つまでが戦争』でスタートしたQOOLANDの、この日の、そして2015年のトップバッターという大役へのプレッシャーなど微塵にも感じさせない怒涛のビートに、会場からはすぐさまクラップの嵐が巻き起こる。時に激しく、時にメロウに指板上を駆け巡る川崎のギターフレーズに誘われ、『熊とフナムシ』では菅(b)の先導のもと、シャウト&パフォーマンス!このバンドのライブの即効性を、まざまざと感じさせる。

DJばりに“ええ声”で(笑)「我々から2015年の『GLICO LIVE“NEXT”』が始まるってわけですね〜最後まで楽しんでくださいよろしく!」と煽る菅とは一変、「大阪で初めてやる新曲を持ってきました。大阪やけど『叫んでよ新宿』という曲を」と切々と想いを伝える平井(vo&g)のコントラストも微笑ましい。時に“叫んでよ大阪”とオーディエンスに呼びかけつつ、続く『ゆとり教育概論』では数え切れない拳がフロアに突き上がる。「まだいけますか?まだ大きい声で笑えますか!?」と突入した『ドグラマグラ』では、メロディに細かく編み込まれるようなギター&ベースと共に疾走していくバンドサウンドが、フロアをロックオン!

「QOOLAND、最後の1曲です」のMCに対して上がった「えー!」の声がお世辞じゃないことは、オーディエンスの顔を見れば一目瞭然。ラストの『Shining Sherry』できらめかせたポップネス、ライブを通して流れるハッピーな空気は、このバンドの大いなる未来を提示しているかのよう。今年の『GLICO LIVE“NEXT”』に幸先のいい絶景を見せてくれたQOOLANDだった。

テスラは泣かない。

SEに合わせて湧き立つ手拍子を追い風に、躍動感溢れるリズム、楽曲のドラマ性を増幅させるようなメランコリックなピアノが彩る、ポップソングの旨みとライブの高揚感を詰め込んだキラーな『Cry Cry Cry』で幕を開けた、テスラは泣かない。のステージ。いきなりの真骨頂でオーディエンスを自らの世界にたぐり寄せた後は、スタッカートな祝祭のビートに心踊る『cold girl lost fiction』で、さらなる深みへとズブズブ引き摺り込んでいく。

「久しぶり大阪!今、日本で最も注目されているであろう大阪で(笑)(※ライブ前日には大阪で住民投票が行われた)、みんなと一緒にいられてとても嬉しいです。どうぞよろしく!」

ダンサブルかつオリエンタルな『国境はなかった』といい、「最高に踊れるパーティーチューンを持ってきました」と語った『Tuesday』といい、徹底的に磨き上げられたグルーヴと、どこかインテリジェンス漂うメロディと男女二声のコーラスラインは、五感をビシビシ刺激されるような快感の連続。「ラスト2曲、とっておきのロックチューンを投下して帰りたいと思います!」となだれ込んだ後半戦も、満場の“もうめんどくせーな”コールも痛快な『めんどくせえ』、スリリングなピアノリフがリードする『アンダーソン』で、熱気冷めやらぬままのエンディング。村上(vo&g)が「大阪に来始めて3年で、やっとワンマンライブが出来ます」と感慨深けに語った、6月12日(金)心斎橋Pangeaでの歓喜の光景が目に浮かぶようなステージだった。

ミソッカス

F1中継でおなじみのTHE SQUAREの『TRUTH』(‘91)を背に登場した時点で、会場のボルテージはもう爆発寸前。異様に盛り上がるフロアをお望み通りいきなり沸点まで連れていく『ワルイトモダチ』から、サイバーでヘヴィなバンドサウンドを容赦なく降り注いだのは、この日のトリを務めるfrom名古屋のミソッカス!300万枚くらい売れそうなオイシイとこどりのタイトル、『愛しさと切なさと純情な感情』(笑)でもがっつりブチ上げつつ、「いけてるバンドマンのステージドリンクはグリコのカフェオレ!」とサービス精神も忘れない(笑)、デストロイはるきち(vo&g)。

続く、性急なリズムがオーディエンスをフックアップする『マッドシュリンプス』、ジャンプ&ジャンプでフロアが揺れに揺れた『擦り切れた靴とロケット』、様々なビートや音色がカオスに混在する『都会のシンデレラ』と、どんな音楽も“ミソ味”に仕上げてしまうバンドの手腕とポップセンスはさすがだ。

「せっかく『GLICO LIVE“NEXT”』に来てくれたから、恒例のコール&レスポンスするぞー!ひと粒ー!」「300メートルー!」と闘魂注入した後は、ライブアンセム『パパパ』『切り札はハートのエース』の怒涛の2連発!!オーディエンスも思い思いに身体を揺らす“これぞライブ!”なシーンを見事に作り出し、つんざく轟音と共にステージを後にしたミソッカス。ゴールデンウィークには自ら主催する『ミソフェス2015』もソールドアウトさせるなど、今まさに勢いに乗る“遅れてきたニューカマー!?”が、今年最初の『GLICO LIVE“NEXT”』をとことん盛り上げ、灼熱のフィナーレを演出してくれた。

STAFF COMMENT

「最高のスタートを切ることが出来ました〜!」とFM802DJ飯室大吾も語ったイベントの最後は、恒例のグリコの豪華お菓子の詰め合わせ=グリコボックスの抽選会!
なお、6月4日(木)、11日(木)の『RADIO∞INFINITY』(24:00〜27:00)では、この日のライブ音源もオンエアされるのでぜひチェックを。そして、次回『GLICO LIVE“NEXT”』は8月3日(月)、場所は同じく心斎橋JANUSにて開催。気になるラインナップの発表は、ライブ音源共々『RADIO∞INFINITY』で!