LIVE REPORT[過去のライブレポート]

LIVE REPORT [過去のライブレポート]

2015/11/11(水)@BIGCAT

  • 出演アーティスト:ヒトリエ/フジファブリック/フレデリック
  • 取材・文:奥“ボウイ”昌史(ぴあ関西版WEB)
  • 撮影:田浦ボン

今年もブレイクを見据えた注目のニューカマーたちが火花を散らしてきた『GLICO LIVE“NEXT”』も、いよいよクライマックス!2015年の最後を飾る“SPECIAL”にして、年に一度の“ポッキー&プリッツの日”となる11月11日に集結したのは、ヒトリエ、フジファブリック、フレデリックと、かつてこのイベントを湧かせた3組だ。FM802DJ飯室大吾が、いつものDJブース脇ならぬ大きなステージの幕前で、完売御礼のフロアに向けて挨拶すれば、否が応にも盛り上がるオーディエンス。今年の『GLICO LIVE“NEXT”』を締め括る盛大な宴の準備はいざ、整った!

フジファブリック

オープニングムービーにその名が刻まれるや、会場にはどよめきと同時に大きな歓声が!年に一度の“SPECIAL”のトップバッターは、まさかのフジファブリック!!そして、SEと呼応するクラップを乗りこなし、そのまま突入したのはいきなりの『夜明けのBEAT』!!!!しょっぱなから満場のオーディエンスを心地よく裏切るサプライズの連続で、トリのラスト曲ばりのムードを作り出した彼らもそう、このイベントが輩出したバンドの1組だ。彼がその歴史に名を連ねたのは2003年、前身イベントの『GSGP PROJECT』が始まった、なんとその1回目!関西の音楽シーンに脈打つこのイベントの誕生のシーンを見届けた立会人とも言えるアクトが、12年の時を越えて再びこのステージに立ったのは、彼らの音楽が続いたからこそ、このイベントが続いたからこそ生まれたドラマだ。

「トップバッターを務めさせていただくフジファブリックです!今日は新人のつもりで(笑)頑張らせてもらうんで、最後までよろしくお願いいたします!」なんてMCと共に、新人には持ち得ない威風堂々の風格と、新人の頃からいまだに失われない音楽への真摯な想いを放った『Green Bird』は何とも感動的。山内が(vo&g)が高校2年生のときに初めてコンテストで立ち、フジファブリックとしても10年以上ぶりというBIGCATでの貴重なステージを、BOBO(ds)、名越由貴夫(g)という鉄壁のサポート陣とフルドライヴさせていく。

ライブも終盤となり、ここで山内が持ち替えたギターはなんとポッキーギター!(笑)「音聴きたい?」なんて茶目っ気たっぷりにギターをかき鳴らし、「今日はこのイベントに出られてホントに嬉しい、またライブ会場でお会いしましょう!」と披露した『LIFE』で、会場の隅々までが手を振る光景は、オーディエンスと彼らの、そして『GLICO LIVE“NEXT”』との再会の約束のようで、溢れんばかりの希望に満ちていた——。

ヒトリエ

SEの時点ですでにこの盛り上がり!?会場に充満する割れんばかりの期待感をもて遊ぶようなトリッキーなインスト『finder』、からの『シャッタードール』という最新シングルの鉄板の流れをストロボライトが彩るオープニングから、「BIGCATにお集まりの皆さん、準備は出来てますか!?」(vo&g・wowaka)とぶっ込んだ『トーキーダンス』まで、絡みつくギターリフが加速度を増すようにフロアにぐんぐん浸透していく。

「大阪と言えば、我々ヒトリエにとって因縁の地。初めてBIGCATに来たときの対バンは、グッドモーニングアメリカ、GOOD ON THE REEL、Goodbye holiday…と、まさかのグッド攻め(笑)。今日は“フ”ジファブリック、“フ”レデリック、ヒトリエ(笑)。我々が大阪に来ると、こういう目に遭うことが多いです(笑)」と、シノダ(g)のMCでも会場を大いに湧かせつつ、高速キラーチューン『るらるら』では徹底的にブチ上げ、メロウなダンスナンバー『カラノワレモノ』ではオーディエンスのハートをしっかりと貫く様は、今日という日にヒトリエが呼ばれた理由をステージで明示するかのよう。

「僕らのライブ、あと3曲でケリをつけます。まだまだ踊ってもらいますんでよろしく!」(シノダ)と煽り立て、『5カウントハロー』『インバーフェクション』と畳み掛ければBIGCATにはサークルモッシュも発生!そして最後は、アドレナリンを誘発するサイレンのようなギターリフから、一撃必殺の『センスレス・ワンダー』!!脳天直撃の3連発でBIGCATを完全制圧、凄まじいステージを魅せてくれたヒトリエだった。

フレデリック

まばゆい光を背にドライヴィンなビートが誘うそのステージで、「関西に帰ってきました〜!」(vo&g・三原健司)と告げたのは本日の、そして2015年の『GLICO LIVE“NEXT”』のフィナーレを飾る、絶好調フレデリック!YouTubeの再生回数630万回を越えるモンスタートラック『オドループ』で幕を開けたライブは、キラーチューンを温存せずとも成立する充実した楽曲群と、今の時代を掴んだ追い風にもブレることなく経験値を積み上げてきたバンドの姿勢そのままに、『DNAです』『ディスコプール』『プロレスごっこのフラフープ』と奇天烈ポップソングをシームレスに連投。余裕すら感じるライブバンドとしての佇まいとショーマンシップで、「踊れる準備は出来ていますか!?」(b・三原康司)とオーディエンスをリードしていく。

MCでは、「女の子、プリッツ食べてますか?男の子、あなたのポッキーは調子どうですか?(下ネタやないか(笑))今日の大阪はアホばっかり集まってるわ(笑)、最後までよろしくお願いします!」(健司)との挨拶の後、GLICOの“クレアおばさんのシチュー”を元にコール&レスポンスを試みるも会場にイマイチ伝わらず、「このMCはメンバーも分かってないから、今ある意味1つになってる(笑)」と謎の一体感を巻き起こしたのもケガの巧妙(笑)。気を取り直しての後半戦は、メッセージ性の高い歌詞とドラマティックな曲構成が心をフックアップする新曲『トウメイニンゲン』、「まだまだ踊ろうぜ!」(健司)とこれまたキラーな『オワラセナイト』と、ただ高揚するだけじゃない切なさを装填した彼らのポップセンスが抜群に機能する。

「こうやって“SPECIAL”に出させてもらったのはホンマ嬉しくて。インディーズ最後のライブが『GLICO LIVE“NEXT”』だったのも思い出に残ってるし、それから1年こうやって活動出来て、GLICOさんにもまた1つ音楽で恩返しが出来たんじゃないかなぁって。最後に大事な曲をやって帰ります」(健司)

“戦わない戦い方を、僕らは知っているはず”。最後に披露した新曲『ハローグッバイ』に、バンドのネクストフェーズを刻んだ見事なパンチライン。その心地よい余韻に浸りつつ、2015年の『GLICO LIVE“NEXT”』はエンディングを迎えた。

STAFF COMMENT

そして2015年の最後も、豪華詰め合わせ・グリコボックスの抽選会!そして、FM802DJ飯室大吾とオーディエンスとの恒例の記念撮影を経て、年に一度のスペシャルな宴は終了。『RADIO∞INFINITY』にて11月26日(木)にオンエアされるこの日の熱狂のライブの模様をチェックの上、また来年『GLICO LIVE“NEXT”』でお会いしましょう〜!!