FM802|MIDNIGHT GARAGE|

DIARYオンエアの様子

関西のレコードショップ、イベンターによる音楽シーン大予想座談(後編)

2021-01-26

FM802『MIDNIGHT GARAGE』の
毎年年始恒例企画「音楽シーン大予想座談会」。

関西のレコードショップやイベンターの皆さんと
昨年の音楽シーン振り返りと
今年の音楽シーン予想を
座談会形式でお話ししています。

今年も、FLAKE RECORDS DAWAさん、
HOLIDAY RECORDS 植野さん、
タワレコ梅田NU茶屋町店 浦野さん、
キョードー大阪 神戸さんをお迎えしました。

1月18日、1月25日の2週にわたって
座談会の模様をオンエアしていきます。
25日の放送はいよいよ2021年に
気になるアーティスト紹介に。

土井:前編で出てきたコラボの流れや、
TikTokからの流行も2020年の流れは
2021年も引き続き、ですよね。

DAWA:なんかもう一つその先のなにかも出て
くるんじゃないですかね?
去年あらゆる業界の人がいろいろ学習したと
思うんですよ。例えば、配信のライブやVRの
ライブをそれぞれにやってみて、できた。
ものにした。ではその次、という段階に入ります
よね。悲観的に聞こえるかもしれないけれど、
2019年と全く同じ状況には戻らない、
と思っています。「早く前に戻ってほしい」
ではなく、もう一つ先の何か、
僕らでは考えられないようなことを思いつく人が
出てくるのではないかと思います。
それが出てきたときにそれに僕らがどう対応
していけるか、を頑張らないとな、と感じます。

浦野:タワレコはCDをメインで販売しています
が、レコードやカセットが伸びてきている
流れもあり、CDに固執している部分は
もちろんありますが、なくなってもいいと思う
部分もあって。「そこに音楽があった」という。
Tシャツを買ったら音楽がついてた、とか。
全然違うパターンがあっていいんじゃないかな、
と思いますね。ネットからの音楽の入り方と
同じで、小物を買ったらそれに1曲ついてた、
とか、入りは何でもいいような感じがします。

DAWA:今までもあるっちゃあるけど、
もっとラフな感じですかね。

浦野:ZINEとか写真集とかで、
モノとして持っていたいようなものだし、
それで音楽も聴ける、みたいな。

DAWA:写真集を開けたらホログラムが広がって、
自分のためにコンサートをしてくれる、とか。
そういうのが出てきそうですよね。

土井:DAWAさんロマンチックなこと
考えているんですね!(笑)

浦野:昔本を開いたら音楽流れるのとか
ありましたもんね!

神戸:でもおいおいそうなりそうですよね。
画面越しではない形に。3D、みたいなものに。

植野:今もすでにバーチャルでライブを
やっているアーティストいますよね?
アバターで楽しむ、みたいな。

土井:この間RADWIMPSのライブを見ました。
スマホで見られるオンライン上でのライブに
自分のアバターで入っていく、という。
アバターを走らせて向こう側から見られたり、
みんなで一緒に手をあげたりして楽しめる、
というかたちでした。ファンたちが軍団で
走っていく姿が見られたり。
私は普段ゲームをしないのでアバターを
動かすのが大変だったけれど!(笑)

DAWA:みんなで一緒に楽しむ、とか、
俺ちょっと裏側から見てくるわ~とかいう
楽しみ方ができるってことですね!
ビッグアーティストが新曲をそこで披露するから
集まれ、ってなったらたくさんインターネット上で
人が集まりそうですもんね。

神戸:走っちゃいますね。(笑)

土井:アバターでお揃いのTシャツ着る、
とかも面白そうですよね。

少年ナイフの血を引き継いだパンクロックバンド!
土井:ここから、2021年気になる
アーティストを教えていただきたいのですが。

浦野:なかなかライブに行けず、
でも新しいアーティストに出会ったり
音源聴いたりしている2020年だったのですが、
ネットで見つけて、年末にやっとライブを
見られてよかったなと思ったのが
「ジャンキー58%」という大阪のバンドです。
実際にライブを見てどうだったか、
というのが自分の判断基準の一つなんですが、
思った通り僕の好きなライブをやるバンドだな、
と思いました。2021年多くの人に
知ってもらいたいと思うアーティストです。
19歳や20歳で若いんですが、
珍しくUSパンクをやっていますというのを
言い切っているんですよ。

DAWA:プロフィール文が面白いですよね。
「わたしたちはUSパンクロックバンドです!」
って言いきっている、という。(笑)
うちでも取り扱っていて、お会いしましたが、
本人たちもアッパーな子たちですね。
きゃぴきゃぴ元気いっぱいの。

浦野:ライブも元気なんですよ。
「ちょっと!ギター弾いてへんのちゃう?」
みたいな(笑)でもそこが見ていてワクワクして
その感じをすでにライブで表現できているのが
いいんですよね。

DAWA:自主盤がリリースされているんですが、
それにコメントを寄せているのが、
少年ナイフなんですよ!

土井:ずばり!ですね。

DAWA:「少年ナイフの血」っていう感じが
すごいしますね。

浦野:Green Dayだったり、The Muffsだったり、
そういうバンドが好きでこういう音を出している、
という信頼感もありますね。

DAWA:USパンクロックバンドって
言っているのにバンド名が「ジャンキー58%」で
カタカナ表記なのも面白いですよね。(笑)

American City/ジャンキー58%

土井:では植野さんはどうでしょう?

植野:京都の大学生バンドで、猫戦という
アーティストをおすすめしたいです。
漢字で「猫戦」と書くんですが
シティポップというか、懐かしい雰囲気と
ギターポップ感もあって女性ボーカルが
印象的なバンドなんです。
Pictured Resortとかが好きと言っていて、
FLAKE RECORDSにもよく買い物に行って
いたみたいです。

DAWA:この間来ました。

植野:しかもFLAKE RECORDSで
土井コマキさんに会った、と言ってましたよ(笑)

土井:え!(笑) 「猫戦」は
バンド名と音楽の印象が違いますね。

植野:ガレージパンクかな、
と思っちゃうバンド名ですもんね。

DAWA::Pictured Resortが
好きっていうの納得する音ですね。

鶴/猫戦

DAWA:では次僕この流れで行きますね。
今名前の挙がった猫戦と似た音楽性も
感じますが。大阪のバンドで、メンバーが不定形、
メインが3人であとはその都度スケジュール
合わせて別の人を入れてやっているます。
もうすでにコレクティブというか、
感覚が自由なバンドですね。
cescoというバンドです。
これも、最初はHOLIDAY RECORDSの紹介で
知ったのかな?2021年にFLAKE RECORDSから
アルバムを出すことになっていて、
1曲先行で出した曲が良くて評判になっています。
猫戦ともつながる音楽性ですが、英語詞で、
ライブハウスの経験がほぼゼロです。
ボーカルがソウルフルでPredawnを
感じるようなところもあります。
2020年にビビット来ましたね。
めちゃくちゃいいので、今仕上げ中で
今年リリース予定のアルバムも楽しみにしてほしい
アーティストですね。

ライブは2020年の年末に一度やっていて、
1月末にも大阪でFLAKE RECORDS主催の
イベントでPredawnとのライブも予定しているので、
ぜひ覚えておいてほしいです!

FOLKS AT WORK/cesco

土井:ライブでしか得られない感動も
もちろん良いのですが、浦野さんが言っていた
グッズや雑貨に音楽がついているみたいな、
雑貨がメインでもよくて、モノとセットの表現も
認められる音楽のありかたに
なってくるんですかね。

DAWA:今まではどちらかがおまけ、
と思っていたけれど50%/50%になるような感じに
変わってきているのかもしれないですね。

土井:今までは「ライブ見ないとわからんな~」
とこれまで思ってきたけれど、
そうじゃない物差しがあってもいいな、と
今思いました。

DAWA:近年のHIP HOPとかでも特にそうで、
ライブやったことないけど、
音源バンバン出して売れちゃった、
売れたからライブしなきゃ、
みたいなのありますよね。

ソロなのにデュエットみたい、謎多きアーティスト…!

土井:神戸さんの今年気になる人は?

神戸:僕も実は碧海祐人さんを紹介しようと思って
いたのですが、もう1組用意しておりまして、
浦上想起さんというアーティストです。

土井:浦上想起さんは何者なんですか?

神戸:僕も詳しくはわからないのですが、
碧海祐人の楽曲にもフィーチャリングで
参加してましたね。2年前から活動し始めた
宅録系のアーティストです。
THREE1989というアーティストと
話していた時に、THREE1989の
サポートメンバーのSUKISHAさんに
おすすめされて知りました。
「芸術と治療」という曲を聴いたときに
すごいのが出てきたな、と思いました。
キリンジみたいなシティポップさも入りつつ、
ファンタジーな感じでオルゴールの世界に
入ったみたいなイメージでしたね。
「とぼけた顔」という曲がソロなのに
デュエットみたいな曲で、後ろに小鳥のさえずりも
入っていたり、面白いなと思いました。
まだ知らないことの多い、不気味な存在ですね。(笑)
ライブはボロフェスタとかに出ていたと思いますが、
まだ見られていなくて、
今ライブを見たいアーティストです。

とぼけた顔/浦上想起

福岡のアーティストたちがアツい!

植野:もう一つ、浦野さんもおすすめだと
思うんですが、sancribという福岡のアーティストを
おすすめしたいです。
1月27日に新しいアルバムが出るんですが
そこにも入っている楽曲で先行配信されている
「ブルーバレンタイン」がおすすめです。
ソウルとかファンクとかを昇華した
ポップミュージック、という感じですね。
福岡にアーティスト多いですね

DAWA:yonawoとかもこの流れですね。

神戸:Deep sea diving clubとかも福岡ですよね。

植野:Yogee New Waves以降の流れだと
思うのですが、その中でも声やメロディーが
良くて好きですね。

浦野:「ブルーバレンタイン」以外に、
もうちょっとアッパーな曲もあって、
「春風に吹かれて」というもうひとつ前に
配信された曲がすきです。
MVも曲とマッチしていてとても良かったです。
ありがちともいえるんですが、
でもこんなにぐっとつかんでくる音
なかなかないなと思います。

ブルーバレンタイン/sancrib

土井:最後にここでお知らせが。
毎年恒例のこの座談会が
ライブイベントをすることになりました!

神戸:座談会から派生したライブですね。

土井:3月27日Live House ANIMAにて、
この座談会でも名前の挙がった、
碧海祐人、猫戦、これに加えて、
浦野さんの推しの「がつぽんず」

浦野:これもすごくキャッチーな
アーティストで、日本語で歌っているんですが、
あべまえば「冷ややっこにしょうゆをかけて
食べる朝~」という歌いだしからなんだそれ、
ってなるんですが、言葉の使い方が面白くて
キャッチーなメロディーとの組合わせも良いです。
フジファブリックとかズーカラデルみたいな、
日本のポップスが好きだったり、
昔のフォークソング細野晴臣さん、
高田渡さんあたりも好きみたいです。
まだ大阪ではライブしたことないようなのですが
このチャンスに、と思ってお誘いしました。

冷奴 in the morning/がつぽんず

土井:そして、もう一組。

DAWA:Luminous101という東京のバンドです。
おととしアルバムをリリースしていて、
ライブはまだそこまでできていないですね。
2020年に7インチを出していて、
FLAKE RECORDSでリリースイベントを
オオルタイチと共演を予定していたのですが、
残念ながら開催できず、今回お呼びすることにしました。
ライブを見たことあるのですが、
本格的感があってドープな感じでよかったです。
イントロが1~2分あるような曲を平気で
バンバン出していて。
OGRE YOU ASSHOLEとかD.A.N.とか、
ループしながら展開していくような
アーティストが好きな人は気に入って
くれるかなと思います。

namari/Luminous101

DAWA:どのアーティストも
まだあまり知られていないので、
このイベントを機に知ってもらいたいですね。

タイムフリー①: https://radiko.jp/share/?sid=802&t=20210126004028
タイムフリー②: https://radiko.jp/share/?sid=802&t=20210126010000

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