LIVE REPORT[過去のライブレポート]

LIVE REPORT [過去のライブレポート]

2012年11月11日(日)@BIG CAT

  • 出演アーティスト:avengers in sci-fi/The Mirraz/POLYSICS
  • 取材・文:奥“ボウイ”昌史(ぴあ関西)
  • 撮影:田浦 薫(TAULab.)

2012年を締め括る『GLICO LIVE“NEXT”SPECIAL!!』、満員御礼ソールドアウトでBIGCATはギュウギュウの熱気ムンムン。今年の出演アーティストが軒並みフラッシュバックするオープニング映像からとにかく盛り上がったこの日に駆け付けたのは、avengers in sci-fi、The Mirraz、POLYSICSと、オーディエンスをブチ上げること確実の、名うてのライブアクトたちだ。年に一度の“ポッキー&プリッツの日”を祝う、例年以上にスペシャルでホットな一夜、2012年最後の盛大な宴をいざご覧アレ〜!

avengers in sci-fi

幕が開けばパーカッシブなリズムのSEと青い照明が期待感を煽りまくり。メンバーが登場する前から自然発生の手拍子で迎えるオーディエンスといい、も準備万端でしょう! そんな中、SEからそのままリズムが重なり合い、満員の会場をしょっぱなからジャンプ&ジャンプさせたのは『Psycho Monday』! かつて前身イベントの『GSGP PROJECT』時代に出演を果たしていたアベンズの、満を持してのSPECIAL!!凱旋出演。当時もトップバッターとして会場を大いに沸かした彼らだが、目の前にいる人数は当時の5倍はいるだろう。この数年の間にバンドの筋力をビルドアップした彼らは、オーディエンスの巨大な波をものともぜず余裕で盛り上げる鳥肌のオープニング! そしてトリッキーなギターと跳ねるリズミックなドラムでイントロで幕を開ける『Beats For Jealous Pluto』へ。「オーライ大阪、準備いいかい? アーユーレディ!?」と煽りつつ、ステージを横断し滑り込むようにプレイする木幡(vo&g)。パーカッシブなリズムに先導され、すでにBIGCATはお祭り状態だ。

さらに、続けざまに“Save Our Rock”というコンピューターボイスから、超高速のフレーズを一糸乱れず叩きまくる長谷川(ds)の驚異のドラミングで『Homosapiens Experience(Save Our Rock Vol.1)』へと突入! 恐ろしいほどのスピードで会場の熱気と気持ちをアゲていく姿は、もう完全にトリのパフォーマンス(笑)。一転、荘厳なシンセフレーズに包まれながら、スぺーシーでスケールのデカいサウンドを聴かせるミドルチューン『Wish Upon The Diamond Dust』がじわじわと沁み渡る。光を浴びながらオーディエンスが拳を上げる光景は、しんしんと降り積もる雪のように美しく神秘的。後半戦は、リズムに呼応にして光る青い照明がさながらカウントダウンのように『Wonderpower』へと導いていく。「ありがとうBIGCAT、avengers in sci-fiでした」。まばゆい光に包まれながら、徐々に高まってくビートをエフェクトボイスが彩る『Sonic Fireworks』が見せてくれた景色は、音楽がもたらす幸福感に満ち溢れた、何とも感動的な風景だった。

そして、ラストは待ってましたのライブ鉄板『Yang 2』!! これにはオーディエンスもハネるハネる! アップリフティングでどこか切ないアベンズの楽曲群は、ライブのエクスタシーだけじゃない感動をいつだってもたらしてくれる。そしてそれはこの日も一寸たがわず変わらなかった。緩急自在のエレクトロックビートで、アベンズの3人は年に一度のスペシャルのこれ以上ない幕明けを飾ってくれた。

The Mirraz

転換中のBGMですらクラップ&ダンスで盛り上がる今宵のオーディエンスは、ライブの愉しみ方を知ってらっしゃる!(the telephonesの『Monkey Discooooooo』がかかったときの盛り上がりは異常(笑)) そんなライブキッズたちを再び出迎える2番手、The Mirrazもアベンズと同じく前身イベント『GSGP PROJECT』時代に出演を果たし、この度のスぺシャルへと舞い戻った凱旋出演だ。ふらりとステージに現れた高身長4人がステージに居並ぶ姿は、それだけでサマになる。まずはメジャーデビュー曲でもある『気持ち悪りぃ』からライブはスタート。けだるいビートから続く『ふぁっきゅー』ではギターリフが先導するタイトなロックンロールで会場をホットにし、マシンガンのように放射される畠山(vo&g)の言葉の弾丸がオーディエンスをヒットし、『僕はスーパーマン』で完全ロックオン! オーディエンスが拳を上げながら右へ左へと流れていく会場のあまりの熱気に、畠山もたまらずライダース・ジャケットを脱ぎ捨て、『シスター』へ。USインディーよろしく重なり合うギターとメロウなサウンドが心地いい。

「もっと盛り上がっていいぞ」と一言MCを挟んでの『check it out! check it out! check it out! check it out!』はズルい! ライブ鉄板のキラーチューンにオーディエンスも大盛り上がりだ。続く『CANのジャケットのモンスターみたいなのが現れて世界壊しちゃえばいい』との2連発で、フロアにはぐっちゃぐっちゃにかき混ぜられたサークルが創出。そして、「俺のポッキー食べますか?(下ネタやないか(笑))じゃ新曲やります」と披露された『傷名』は、サウンドの緊張と緩和にポップセンスをひとさじ加えた、The Mirrazの新境地と言える1曲。「今日はありがとう。最後の曲やります」。最後の『僕らは』では、メンバーのコーラスもドラマチックに迫る。ただアゲるだけじゃない、シリアスなメッセージを曲にこめ一発一発ぶっ放すロックンロールスナイパー、The Mirraz。音の洪水にまみれた最後の光景に、その進化の過程を見た。

POLYSICS

avengers in sci-fi、The Mirrazのライブが残した熱気で、真冬にも関わらず会場は蒸し風呂状態。そんな中、今宵のトリを務めるのは、真打ちPOLYSICS! ライブのオープニングMCの飯室大吾も、ポッキー風船を手に“あの”メガネで登場するなど、お膳立ては万全。幕が開くや否や一気にステージ前方へと押しかけるオーディエンス! ハヤシがポッキー風船をフロアに投げ入れ「トイス!!!!」と叫べば、さぁ開戦の合図!! 1曲目の『Heavy POLYSIC』から文字通りヘヴィなリズムとリフで攻め立て、続く『Beat Flash』では早くもモッシュ&ダイブの波が出現! ギターソロを歯で弾くなど視覚的にもアゲるハヤシに、『How are you?』ではタオルがブンブン回り、フミのバッキバッキのベースソロもキマるなど、ライブの冒頭からすでにクライマックス級の盛り上がり! え、えらいこっちゃー!!(笑)

その後も『ムチとホース』では歌詞にポッキー&プリッツを織り交ぜつつウェーブを巻き起こし、「トイストイス、こんばんはPOLYSICSだーい。グリコライブ、楽しんでるかー? トリと努めさせて頂きますPOLYSICSでーす」とのご挨拶を挟んで、ポッキーのチョコをなめてプリッツ状態にして食べる(笑)ハヤシ、コロンのクッキーを食べてクリーム状態にする(笑)フミと、それぞれのグリコのお菓子への思い入れを語るメンバー。そして、どんなMCの内容でも仕切り直せてしまう“トイス”のスゴさを思い知らされる(笑)。

後半戦はボコーダーボイスで徹底的に攻め立てる『Everybody Say No』から、『Rocket』『Young OH! OH!』とヘヴィで硬質なビートにオーディエンスもぶちアガる! 「まだまだいこうぜー!」とハヤシが煽りつつ、変則リフをビシビシキメる『シーラカンス イズ アンドロイド』、そして「ラストいくぞー!」と次々とダイブの海へと飛び込んでいくオーディエンスを尻目に、最後は『Buggie Technica』へ!! 

とは言え、今宵のお客さんはまだまだ満足しません(貪欲過ぎる!(笑))。鳴り止まない満場のアンコールならぬ“グリココール”に応えて、再びPOLYSICSが登場! 「まだまだいけるか〜!?」とトドメに披露した『Lucky Star』『Let’s ダバダバ』のアゲアゲチューンの応酬でも、“ダバダバ”の大合唱といい、徹底的に愉しむこの日のオーディエンスには、ホントに脱帽。こりゃアーティストもアツくなります。ライブが終わる頃にはハヤシのつなぎも汗でズブ濡れになるのも納得だ(笑)。
2012年の『GLICO LIVE“NEXT”』は、POLYSICSの完全燃焼のステージで、見事に幕を閉じた!

STAFF COMMENT

シメのMCに登場した飯室大吾も、思わず「湿気がすごいわ!」と漏らす熱気ムンムンの中、最後は恒例のグリコの豪華お菓子の詰め合わせ、グリコボックスの抽選会! 超満員のオーディエンスとの記念撮影もバッチリ決まった。2013年の『GLICO LIVE“NEXT”』が楽しみになるベリーべストなスペシャルとなった。