今年3回目の『GLICO LIVE“NEXT”』は、FM802DJ飯室大吾が「ありそうでなかった」と言うのも頷ける組み合わせ。Wienners、Shiggy Jr.、LILI LIMITと、『GLICO LIVE“NEXT”』のモットーである“今ライブを観てもらいたいアーティスト”が集結したこの日。それぞれが独自のストーリーをシーンに刻みながら、ポップネスという共通項でJANUSへと導かれた『GLICO LIVE“NEXT”』は、今宵も名演の予感!?
「はじめまして、LILI LIMITです。今日は1日よろしくお願いします!」と牧野(vo&g)が告げるとともに、人力×エレクトロ混在のビートにそのポテンシャルを存分に感じさせる甘いメロディを編んだ『Living Room』で幕を開けた今宵のステージ。「次のステージに行けるようにと願いを込めて作った曲を」(牧野)という『at good mountain』といい、まさに『GLICO LIVE“NEXT”』と想いを共有するスタンスで、瑞々しくもどこかメランコリックなポップソングを次々とフロアに放っていく。歪んだベースラインが導く『Kitchen』でも、冒頭で曲に込めた意思をオーディエンスに手ほどきしつつ、しっかりと自分たちのの音楽と人を伝えていくようなライブは、とても誠実だ。
「音楽が好きっていうだけでここにこうやって集まれたこと、出会えたことに、とても感謝しています。その出会いを作ってきた『GLICO LIVE“NEXT”』というイベントに出演させてもらったことを、とても嬉しく思います。様々な“ありがとう”を込めて、1曲歌います」(牧野)と突入した『A Short Film』では牧野はギターを置き、サビの印象的なリフレインが胸に迫る新曲のダイナミズムをメンバー一丸のコーラスワークで見せつける。そして最後は、「みんなが幸せをふとんの中に持って帰られるように、精一杯歌います」(牧野)と披露した『Festa』で幾つもの手が上がる幸福な光景を作り出し、LILI LIMITのライブは終了。純白の衣装さながらのニューカマーのピュアネスと、壊れそうな儚さの中にある音楽への想いを鳴らしたステージ。また新たに目が離せないバンドがシーンに現れた。
4人を迎える大歓声とハイボルテージなギターでしょっぱなからテンションMAX! 「大阪の皆さんどうもこんばんは! 我々がレペゼン吉祥寺弁天通り、Wiennersだ〜!!」と玉屋2060%(vo&g)が雄叫びなだれ込んだ『FUTURE』『VIDEO GIRL』から、いきなり怒涛の盛り上がり! 火に油を注ぎまくる『ジュリアナディスコゾンビーズ』といい、フロアをブチ上げるライブアクトぶりと、縦横無尽でサイバーなシンセとバキバキのベースをまき散らしながら疾走していく姿の、何とも頼もしいこと! 「来月、『GOKOH』というミニアルバムが発売されます。そこからファンキーでジャパニーズな曲を1曲やります!」(玉屋)と披露した『おおるないとじゃっぷせっしょん』でも、強烈なバンドサウンドながらしっかりポップな楽曲群に、あれよあれよと初見のオーディエンスも巻き込まれていく。
後半戦も「ライブハウスは、とてつもないエネルギーを持ったところだと思ってます。皆さん、ちょっとだけ心の扉を開いて、ちょっとだけ恥ずかしいところを見せてください!」(玉屋)とけしかけ、『Justice4』『LOVE ME TENDER』『蒼天ディライト』と、1曲目からすてにピークの熱気を天井知らずで上げていく壮絶なパフォーマンス! 「踊り足りないよ大阪〜!」と絶唱する玉屋とアサミサエ(vo&key&Smapler)のキュートな歌声のコントラストも絶品で、観る者のアドレナリンを搾り出すようなライブは二番手にも関わらずアンコールすら起きそうな熱量で、Wiennersここにありの強烈な存在感と底力を見せ付けた。
あの映画『ロッキー』のテーマ『ゴナ・フライ・ナウ』が流れると、どよめきと歓声が(笑)。そんなSEを背にサーチライトに照らされ登場したメンバーは、ボクサーさながらのガウンに身をまとい、さらにそれを開くと内側には無数のビスコ(笑)。オープニングから大阪のオーディエンスのハートをガッツリ掴んで、「俺たちがShiggy Jr.だ〜!」(ds・諸石)と始まったライブは、跳ねるポップナンバー『ホットチリソース』からスタート。無条件降伏せざるを得ない池田(vo)の天真爛漫な魅力と歌声とともに、キラーな『サマータイムラブ』へと導いていくナビゲートも、もう完璧!
「今日はまさかのトリでビックリしたんですけど、最後までこんなに残ってくれて嬉しいです。大阪でライブをするの楽しみにしてました!」(池田)とのご挨拶の後は、森(b)が冒頭のくだりを「この企み、今日初めてやりました。この人(=諸石)、2日前にドンキ(ホーテ)で赤いガウン買ってましたから(笑)」とネタばらししつつ、「みんなに楽しんでもらいたいのは音楽なんで! ライブなんで!(笑)」と合いの手を入れる池田と、音のみならずその人懐っこいメンバーの人柄も感じさせるMCで、会場の空気をほぐしていく。となれば、『Saturday night to Sunday morning』のコール&レスポンスもバッチリ決まるわけで、続く新境地のロックナンバー『dynamite』にもシームレスに流れ込んでいける。観る者を極めて自然にロックオンするライブ巧者としての手腕を発揮しつつ、キラキラのポップソング『恋したらベイベー』では真骨頂を見せ付ける。いや〜さすがです!
そして最後は、代表曲『LISTEN TO THE MUSIC』へ。クラップからハンズアップも絶妙にコントロール&フックアップして、グリココールに「CM待ってます!」(森)なんてアピールも忘れない(笑)見事なステージ。確かなポップセンスと演奏力だけでなく、ユーモアとライブ力も兼ね備えた新人らしからぬライブで、今宵のエンディングを飾ってくれたShiggy Jr.だった。
イベントの最後は、FM802DJ飯室大吾とオーディエンスが和気あいあいのやりとりを交わしながら、恒例のグリコの豪華お菓子の詰め合わせ=グリコボックスの抽選会を実施。なお、この日のライブの模様は、9月29日(木)より10月6日(木)、13日(木)と、『RADIO∞INFINITY』にて3週連続オンエアされるとのこと。そして、次回11月11日(金)は年に一度の“ポッキー&プリッツの日”ということで、心斎橋BIGCATにて『GLICO LIVE“NEXT” SPECIAL』が開催! KEYTALK、SUPER BEAVER、夜の本気ダンスとライブシーンを賑わす強烈なメンツが揃ったこの日は、何と早くもソールドアウト。今年を締め括る盛大な宴になりそうです〜!