LIVE REPORT[過去のライブレポート]

LIVE REPORT [過去のライブレポート]

2017/08/09(水)@Music Club JANUS

  • 出演アーティスト:魔法少女になり隊/ポルカドットスティングレイ/yonige
  • 取材・文:奥“ボウイ”昌史(ぴあ関西版WEB)
  • 撮影:田浦ボン

FM802DJ飯室大吾がステージに登場するなり「湿気の壁が…」と思わず漏らすほどの熱気が充満した心斎橋JANUS。それもそのはず、本日はThank You, Sold Out!!ということで、ネクストブレイクを見据えたアーティストを関西から発信する『GLICO LIVE“NEXT”』の面目躍如の3組が登場。ポルカドットスティングレイ、魔法少女になり隊、yonigeと、今をときめく女性ボーカルを擁するバンドが、今年2回目の『GLICO LIVE“NEXT”』を彩ります!

魔法少女になり隊

カラフルな映像がステージに映し出される中、いきなりのハイボルテージでサイバーな『ヒメサマスピリッツ』で灼熱のJANUSがブチ上がり!扇子を手にキュートなエフェクトボイスでオーディエンスを先導する火寺バジル(vo)と、ひたすらスクリーミングなシャウトでフロアを扇動するgari(VJ&vo)が、沸点超えの会場に容赦なく歌声を浴びせていく。続く『おジャ魔女カーニバル!!』でもその手を一切緩めず、ハードコアバンドさながらの強烈なテンションでライブを突き進めてく。

「いつもこんな感じでやってるので初めて観た人はビックリされたと思うんですけど(笑)、今日はみんなと仲良くなりに来たのでよろしくお願いします!この調子でガシガシやっていくので」とgariが伝えた後は、再び壮絶なライブが再開。『狂騒曲ザラキ』を披露した時点でも僅か3曲20分にも満たないが、すでに最前線のお客さんは汗だく。メロディアスな(と言っても十分激しい)『革命のマスク』でも、その熱はまるで収まることはない。

そして終盤も、「僕らを知らなかった人はこの衝撃を胸に秘めて帰ってください。エビバデ踊ろうぜ!」(gari)と、9月27日(水)にリリースを控える1stフルアルバム『魔法少女になり隊〜まだ知らぬ勇者たちへ〜』から、『完全無敵のぶっとバスターX』をドロップ!クラウドサーフするオーディエンスも発生したラストの『冒険の書1』まで、凄まじいエネルギーを発しながら全力で駆け抜けた魔法少女になり隊。まるで大トリの熱狂を巻き起こした恐るべきトップバッターは、残す2組にとんでもないプレッシャーを与えてステージを後にした。

yonige

「大阪寝屋川、yonigeです、よろしく!」という牛丸ありさ(vo&g)のはじまり合図から、魔法少女になり隊とは一転、ジリジリと熱を帯びていくような加速度で、『さよならプリズナー』『our time city』とミドルチューンを重ねフロアを侵食していく。そして、その熱が臨界点に達したのは、YouTubeの再生回数370万回超えのキラーチューン『アボカド』。満場のJANUSに突き上がる拳がゆらゆらと漂うメロウな風景が、何だか切なくて心地いい。

とは言え、「あっついわ!女子どこや女子—!男くっせぇわ!女の子頑張って」と牛丸がMCで吐露するほどの熱気がステージを襲う(笑)。後半戦も『センチメンタルシスター』『さよならアイデンティティー』と立て続けに披露していくものの、やみくもに盛り上げるのではなく、自らの楽曲の力を信じるように1曲1曲放っていく真摯なステージには、大阪のエリアでしっかりと叩き上げられてきたバンドマンイズムを感じる。

「楽屋にもグリコのお菓子がたくさんあって、私はえだ豆味のプリッツをいただきました」(牛丸)、「私はポッキーよりプリッツ派!プリッツ大好き!」(b・ごっきん)というグリコトークを挟みつつ、「ラスト1曲ですが、楽しんでいってください。女子—!男子—!男子うっせぇ!」とオーディエンスを茶化しながら、最後はエモーショナルで壮大な『最愛の恋人たち』でエンディング。関西発のネクストブレイク射程圏内のバンドが、おごることなく、臆することなく、己の音楽を鳴らしたステージだった。

ポルカドットスティングレイ

ブルーの照明に照らされ大歓声で迎えられたのは、本日のトリを飾るポルカドットスティングレイ。「盛り上がる準備、できた?」と紅一点フロントマン雫(vo&g)が妖しく挑発するや否や、エジマ(g)の高速カッティングが切り込み幕を開けたのは『シンクロニシカ』!言葉にせずとも会場から伝わってくる期待感を巧みにサーフしながら、続いては早くもキラーな『テレキャスター・ストライプ』をフロアに投入。間奏ではミツヤス(ds)のアナウンスによりコール&レスポンスからのジャンプ&ジャンプで、JANUSがまぁ揺れる揺れる!

「『GLICO LIVE“NEXT”』ということで食うよねプリッツ」とステージ上で本当に食べ始める雫(笑)。そして、「あったまってきたと思うので、新曲をやろうと思います。目が覚めたら隣に知らない人がいたという曲です。私はそんなことないけどね!お酒が強いから(笑)」との雫のMC中に、ステージ脇にはいつの間にか“SAY YESマン”(こと敏腕マネージャー)が登場。演奏中に紙芝居的にフリップを掲げ、楽曲のストーリーから盛り上がりポイントまで指示してくれる親切ぶりで、『顔も覚えてない』という身も蓋もない新曲でも(笑)しっかり大合唱が巻き起こる。

続いては「アダルティーでエロティックな曲を。高学歴なキャバ嬢の気持ちを歌った曲です」(雫)と『人魚』を。アダルティーでエロティックなのはサウンドメイクもそうで、アレンジの妙にはメンバー各人のプレイヤーとしての奥行きを覗かせる。ラストの『エレクトリック・パブリック』まで、ビシビシブレイクの予感と華を感じさせながら、満員御礼の『GLICO LIVE“NEXT”』を見事に締めくくったポルカドットスティングレイだった。

STAFF COMMENT

イベントの最後を飾る恒例のグリコの豪華詰め合わせ=グリコボックスの抽選会も、大賑わいで幕を閉じたこの日。気になる次回は、11月11日(土)心斎橋BIGCAT、年に一度の“ポッキー&プリッツの日”に、『GLICO LIVE “NEXT” SPECIAL』が開催!
「いつも以上に豪華に、スペシャルなメンツが集まりそう」とFM802DJ飯室大吾も息を呑む盛大なる宴、大いに期待していただいてOKです!!