LIVE REPORT[過去のライブレポート]

LIVE REPORT [過去のライブレポート]

2018/6/25(月)@Music Club JANUS

  • 出演アーティスト:iri/DATS/chelmico/PJJ
  • 取材・文:奥“ボウイ”昌史
  • 撮影:田浦ボン

前身イベントの時代から、次世代を担うアーティストを関西から発信し続け15年、ニューカマー・サポートイベント『GLICO LIVE“NEXT”』が今年もついにスタートへ!
長年MCを務めたFM802DJ飯室大吾からバトンを受け継いだ、『RADIO∞INFINITY』二代目DJの樋口大喜が新ナビゲーターとなり、iri、DATS、chelmico、PJJという今をときめくアーティストが心斎橋JANUSに集結。完全招待制で行われた(太っ腹!)豪華な一夜を、洗練されたサウンドメイクで彩った4組の熱いライブをレポート!

chelmico

幕が開くと同時に大歓声で迎えられた今日の、今年の、トップバッターはMC RACHELとMC MAMIKOによる女性2人組HIP HOPユニットchelmico(チェルミコ)!しょっぱなの『ラビリンス’97』からパンパンに埋まったJANUSでオーディエンスがハンズアップする絶景が生まれ、「すごーい!めっちゃ人いるね〜!!大阪でライブをするときはいつもここでやらせてもらうんだけど、今までで一番人来てない?」(RACHEL)、「802でも曲をかけてくれてたみたいで、樋口マジいいヤツ(笑)」(MAMIKO)、「初対面なのに呼び捨て!?(笑)」(RACHEL)なんてやりとりの後は、翌日が22歳の誕生日というMAMIKOを祝う歓声も。そして、イントロのビートが鳴るやフロアから「ヤバーい!」という声も上がった『BANANA』『Honey Bunny』とつないでいく。

MCでは8月8日(水)にアルバム『POWER』でメジャーデビューすることを報告しつつ、そのままそのアルバムに収録予定の『Highlight』を披露。ブリッジではオーディエンスとのコール&レスポンスもバッチリキメて、アウトロの写真撮影タイムでは「盛れてる写真のみSNSにアップ!」(MAMIKO)と指南するなど分かってらっしゃる(笑)。続く新曲『OK, Cheers!』も招待制で初見のお客さんも多いだろうとは思えない盛り上がりで、“愛したい”、“恋したい”、“でも愛されたい”、“Love is over”のかけ合いでみるみる熱気が増していくラストの『Love is Over』まで、ポップかつ等身大のラップスタイルで駆け抜けたchelmicoが、オープニングの大役を軽やかに果たしてみせたステージだった。

PJJ

幕の向こうから艶やかなサックスが鳴り響いたサウンドチェック中から、すでにいいムードと“予感”が漂っていたのがPJJ(ピージェイジェイ)だ。冒頭の『You are so beautiful』からchelmicoとは一転、ゆったりとしたBPMとアーシーなアプローチで会場を魅了し、続く『Orange』『Cranberry Junky』といい、とにかくミヤモトアツシ(vo)の歌声の色気とスケールが圧倒的で、ロック、ソウル、ファンク、レゲエ、ブルース等をベースとした豊かなサウンドが会場を完全包囲する、いや〜いいバンド!「皆さん、ようこそJANUSへ。今日、唯一の大阪バンドPJJです。最後まで盛り上がっていきましょう!」(ミヤモト、以下同)と煽った後も、ロックンロールナンバー『want』で会場の温度をじっくり上げていく。

「まだまだ踊れますか?やっぱり踊るならブルースでしょ!」と始まった『Wait It!』では、個性豊かなメンバーのソロ回しでも存分に魅せ、そのグルーヴの妙にオーディエンスの肩も自ずと揺れる。「最近思ったことは、なるべく地面は動いてほしくないなと(苦笑)。そういうことがあると家族や友達に連絡をして、無事が分かったら“あーよかった”ってその大切さを再認識する。次は僕の友達がいたから書けた曲を」と披露した『眠らないで』は、歌詞の世界がじんわりと胸に染みわたっていくよう。「ホントに楽しい30分でした、ここにいる全ての人に最高のアイラブユーを送ります」と届けた最後の『シルマ』まで、確かな演奏力とミュージックラバーなヴァイブスで、その大いなる可能性を証明したPJJだった。

iri

DJとドラマーを従えたヘヴィなビートが先導し、今年2月にリリースしiTunesストアのヒップホップ/ラップ・チャートで1位を獲得したアルバム『juice』さながら、クールな『Keepin’』『Corner』のリレーで幕を開けたiriのステージ。会場を埋め尽くすオーディエンスの熱気に思わず「すごいね…」とたじろぎつつ、その喜びを伝える彼女。『Wanderling』『Never end』『ガールズトーク』とハイセンスなトラックがシームレスに続く中でも、LOWの効いたソウルフルでリヴァービーな歌声に乗せたリリックが、高揚感のみに留まらない切なさを演出する。

後半戦は、8月29日(水)リリースの新曲『Only One』をいち早く披露してみせ、「あっという間に最後の曲になっちゃいました。この後はDATSが盛り上げてくれるんで、最後まで水を飲んで…いやお酒を飲んで(笑)、楽しんでいってください」と『Mellow Light』を。まだ若いながら貫禄すら感じさせる堂々のパフォーマンス、MCに垣間見えるあどけなさもキュート、『GLICO LIVE“NEXT”』に新しい風を運んでくれた才媛iriによる、マジカルな30分だった。

DATS

そして、今年初の『GLICO LIVE“NEXT”』のトリを飾ったのはDATS。横一線に立ち並ぶ4人がブルーの照明に照らされステージに浮かび上がり、アンビエントでエレクトロなサウンドに人力のビートが流れ込んでいくオープニングから最高にエキサイティングで、「こんばんは、DATSです。最後まで残ってくれてありがとう!立って観るのも疲れてくる頃だろうけど、そんなことを忘れさせるライブをするんで」(vo&syn・MONJOE、以下同)と、ライブ鉄板の『Mobile』へとなだれ込む。コール&レスポンスでフックアップした『Memory』、フロアにハンズアップの海が生まれた『Jam』『Dice』といい、才気溢れるサウンドがオーディエンスを次々とロックオンしていく様はもう痛快!

「ちょっと大阪、最高なんじゃないの!?」とMONJOEも思わず漏らすほどの幸福の中で鳴らした『Pin』、そして、「何もかも忘れて全身で、全力で、最後まで踊っちゃおうぜ!」と放った『Heart』と、オーディエンス身も心も最初から最後まで徹底的に踊らせたDATSが、有言実行のパフォーマンスで2018年の『GLICO LIVE“NEXT”』の行く先にまばゆい光を照らしたステージとなった。

STAFF COMMENT

4組の熱いライブの余韻を心地よく引きずったまま、今年もイベントの最後は恒例のグリコの豪華お菓子の詰め合わせ=グリコボックスの抽選会でシメ!
次回7月24日(火)の『GLICO LIVE“NEXT”』も、マカロニえんぴつ、mol-74、ユアネスと、躍進めざましい3組がラインナップされるなど、またまた見逃せない一夜になりそうです!