2018年最後の『GLICO LIVE“NEXT”』は、11月11日=“ポッキー&プリッツの日”ということで、今年も年に一度の豪華版=『GLICO LIVE“NEXT”SPECIAL!』! 新ナビゲーターとしてこの1年を駆け抜けたFM802DJ樋口大喜のオープニングコールのもと、Creepy Nuts、サイダーガール、Saucy Dog、パスピエと、かつて出演したアクトが時を経て再集結したこの日。満員御礼ソールドアウトとなった熱い宴を、今宵も徹底レポートします〜!
「ポッキンナベイベー! 楽しんでいきましょう!!」(vo&&g・石原)と、年に一度の『GLICO LIVE“NEXT”SPECIAL!』の幕を開けたのは、男女混合スリーピースロックバンドSaucy Dog。2018年は100本以上のライブをこなしたという場数とシンクロするように、シーンにおける存在感を一気に引き上げたこの1年。冒頭から『真昼の月』『ナイトクロージング』と、せと(ds)のコーラスも抜群に機能したグッドミュージックを奏で、満員のBIGCATに熱気を注いでいく。そんな3人を迎え入れるオーディエンスのウェルカムな歓声からも、彼らが過ごしたこの1年の充実度が伝わってくる。恋愛の喪失感を等身大の目線で描いた『コンタクトケース』でも、そのソングライティング力を存分に感じさせていく。
「私たちは去年も『GLICO LIVE“NEXT”』に出させてもらったんですけど、今年もこうやって呼んでもらって。ソールドアウト、ありがとうございます! 今日はみんなとポッキー1本分の距離まで近付いて帰ろうと思うんで、1日楽しんでいきましょう!」(せと)との言葉通り、後半戦もアーシーな『メトロノウム』でロックバンドとして真芯を捉えるスケールとポテンシャルを発揮。続いて、「僕らの一番大事な曲をやります」(石原)と披露した『いつか』では、切ないミドルバラードを情熱的に歌い上げた圧巻のボーカルに、グッと引き込まれるオーディエンス。
「今までの弱かった自分に、最低だった自分に書いた曲を」(石原)と届けた『グッバイ』では自然発生的にクラップが巻き起こるなど、最後の最後までネクストブレイク筆頭のまばゆき可能性を提示してみせたSaucy Dogだった。
オリエンタルなSEを背に1人また1人とステージに現れ、ポップでグルーヴィーな『トキノワ』からスタートしたパスピエのライブ。カラフルな衣装に身を包んだ大胡田なつき(vo)がアイコンとしての魅力をしょっぱなから放射しながら、ドライヴするビートとに絡みつく三澤(g)のギターと成田(key)のシンセのフックありまくりなフレーズの波状攻撃でBIGCATを完全ロックオン! かと思えば、『やまない声』では露崎(b)が壮絶なベースラインで見せ場を作るなど、各メンバーのミュージシャン・シップとセンスを楽曲の随所で感じさせながら、そのまま『とおりゃんせ』へとなだれ込む怒涛の展開!!
「今日は11月11日、ポッキー&プリッツの日ですね。私は昨日から今日に向けて、ポッキー、プリッツ、ポッキー、プリッツと、もう4箱消費しましたよ(笑)。大阪、今日は最後まで楽しんでいけそう? ついてきて」(大胡田、以下同)
続く『シネマ』もシンセだけで昇天可能なポップソングぶりで、パスピエのサウンドメイクの抜かりなさには改めて感心させられる。『マッカメッカ』『メーデー』でも、余裕と情熱と風格を感じさせる堂々のステージングで、作曲力と演奏力が高い次元で成立している様にはエクスタシーすら覚える素晴らしさ。
「まぁこんな感じであっという間ですよ(笑)。さっきSaucy Dogさんが“ポッキー1本分の距離”って素敵なことを言ってましたけど、みんなもツイートしたら私、すぐに見に行くからね」とのMCの後は、『MATATABISTEP』で絶景のエンディングへ——。シーンをサヴァイブし続ける理由の全てが集約されていたようなパスピエのライブ、いや〜恐るべし!
爆音ブチ上げSEと支持率MAXの大歓声に迎えられた三番手は、サイダーガール! 1曲目の『メランコリー』から、Yurin(vo&g)がポッキー型の風船を振りかざしオーディエンスを扇動。細川千弘(ds)(ex.Shout it Out)をサポートに迎え、重量感と疾走感あるビートを響かせる『サテライト』といい、4ピースのオーソドックスな編成ながら、まるでそれに留まらないスケールの大きなポップソングを立て続けに聴かせていく。「今日は『GLICO LIVE“NEXT”』、11月11日、ポッキー&プリッツの日。こんな素敵なイベントに呼んでいただいてありがとうございます。今日は最後まで楽しんでいってください!」(Yurin、以下同)と披露した新曲『化物』も、11月28日(水)にリリースを控える2ndフルアルバム『SODA POP FANCLUB 2』への期待が否が応にも高まるソウルフルな仕上がりで新鮮に響く。
MCでは、「皆さん、ポッキー何本分楽しんでますか? ハイそこ!」と突如オークション方式でオーディエンスに問いかけていくYurin(笑)。「その気持ち、次まで持って行けますか!? まだまだいけますかBIGCAT!」と、後半戦はハイエナジーでパンキッシュな『メッセンジャー』、切なき衝動を爆発させるような『約束』とたたみかけ、ラストは彼らのデビュー曲である必殺の『エバーグリーン』! 2年前に出演した『GLICO LIVE“NEXT”』とは曲かぶり一切なしのセットリストで魅せたサイダーガール。自らを更新し続け、彼らがシーンで勢力を拡大していく未来と魅力がギュッと詰まったようなステージだった。
昨年、『GLICO LIVE“NEXT”SPECIAL!』にてメジャーデビュー後初ライブを行ったCreepy Nutsが、BIGCATに帰ってきた! 『助演男優賞』からいきなり沸点到達のパフォーマンスをブチかまし、「最後にもうひと盛り上がりできますか!?」(R-指定、以下同)と『ぬえの鳴く夜は』へシームレスに突入。バンド揃いのラインナップながらアウェイ感ゼロのヒップホップユニットが熱量を落とすことなくブッ込んだ『よふかしのうた』、「俺も大阪出身やから分かるけど、お金好きよね?」と放った(笑)『紙様』といい、人懐っこさと高いスキルでオーディエンスをいつ間にやら包囲する手腕は、本当にお見事。
「『GLICO LIVE“NEXT”』、皆さん楽しんでますか? 前の方でノッてくれてる人、ありがとうございます。ちょっと後ろの方で引いてる人、分かります(笑)。爽やかなバンドが続いた後に、もじゃもじゃの髭のヤツが出てきたら戸惑いますよね。しかし、『GLICO LIVE“NEXT”』は、なぜか我々Creepy Nutsにトリを任せてくれたわけですよ! その気持ちに応えないといけない。でも、俺らを知らん人はそら怖いよね。それでもヒップホップではだいぶソフトな方ですよ? タトゥーも入ってません。前科もないです。お薬もやってません(爆笑)。ここで俺らのことをもっと分かってもらうために、“聖徳太子フリースタイル”をやらせていただきます!」
R-指定が観客から募ったお題は、週間プロレス、生レバー、樋口大喜、ポッキー何本分、転勤、貝塚、留年、おっぱい、ベルランド(総合病院)、ゴイゴイスー、という何の脈絡もない10ワード。調子に乗って集め過ぎたそれを(笑)スリリングに紡ぎ上げたフリースタイルには、フロアからも思わず大きな歓声が上がる。そして、「松永の指先に気持ちよくされたい人、どんだけいますか!?」とDJ松永の超絶プレイにスイッチ。そのターンテーブル・テクニックにシビれた後は、「音楽だけでハイに飛べる人」に捧ぐ『合法的トビ方ノススメ』をドロップ!
「楽しいライブが、日曜日がもうすぐ終わっていきます。子供の頃から、1日の終わりと始まりが重なる瞬間がいつも寂しくて。ただ、イヤなことがあっても、悩んでても、前に進んでも下がっても、陽は昇り続ける。そんなときに自分を見つめ直すと、この先どうしていけばいいのか答えが見付かるような気がしてます。そんな嫌いで好きな時間について、最後に歌いたいと思います」
そんな『朝焼け』でオーディエンスの心を引き寄せた2人は、もちろんアンコールの拍手に呼び戻され「ホンマに?」とステージに再登場(笑)。「これからもどんな状況でもラップするし、DJするし、ヒップホップを伝えていきたいと思います」と、できたてほやほやの新曲『阿婆擦れ』を披露し、2年連続の出演を果たしたCreepy Nutsが、2018年の『GLICO LIVE“NEXT”』をビシッと締め括ってくれた。
スペシャルでももちろんやっちゃいます! 恒例の豪華詰め合わせ“グリコボックス”の抽選会では、11月11日=“ポッキー&プリッツの日”にちなんで、11名の幸運な当選者にグリコボックスが振る舞われた。なお、この日のライブ音源は、11月22日(木)・29日(木)25:00〜の『RADIO∞INFINITY』にて、2週にわたってたっぷりオンエア。そちらもチェックの上、来年の『GLICO LIVE“NEXT”』を楽しみに待っていてください〜!