LIVE REPORT[過去のライブレポート]

LIVE REPORT [過去のライブレポート]

2019/08/05(月)@Music Club JANUS

  • 出演アーティスト:おいしくるメロンパン/The Songbards/Bentham/【オープニングアクト】Re:name
  • 取材・文:奥“ボウイ”昌史
  • 撮影:田浦ボン

今年2回目の開催となったこの日は、8月5日=“パピコの日”ということで、『GLICO LIVE NEXT』には打ってつけの日に。
そんな記念すべき一夜に出演するのは、おいしくるメロンパン、The Songbards、Bentham、Re:name(オープニングアクト)の4組。
FM802DJの樋口大喜ナビゲートのもと、暑さを吹き飛ばす選りすぐりのライブアクトが揃った“夏休みスペシャル”、関西発のニューカマー・サポートイベントをレポート!

【オープニングアクト】Re:name

The 1975のSEとオレンジの照明を引き裂くズシリと重いサウンドがJANUSに響き渡り、歪んだギターも心地いい『Nobody Knows』から幕を開けたのは、この日のオープニングアクトに抜擢された大阪・北摂発の3ピースバンド、Re:name。続く『Let Me』『99』でも、平均年齢19歳というフレッシュなメンバーながら、与えられたチャンスに臆することなく堂々と己の音を鳴らす様は頼もしいばかりだ。

「今日は『GLICO LIVE NEXT』ということで、オープニングアクトとしてこのステージに立ててホンマに光栄です。僕らのことを初めて観る人も多いと思うんですけど、他のバンドにはない音楽を最後までやって帰るんで、よろしくお願いします!」(vo&b・高木)

後半戦も『Leaver』『all of these』『Here’s to Us』と、ひとさじのメランコリーを隠し味に英語詞/日本語詞を巧みに織り交ぜたポップなメロディ、爽快感×疾走感溢れるバンドサウンドで一気に駆け抜け、海外も視野に入れた大いなる可能性を提示したRe:nameだった。

おいしくるメロンパン

メロウにつま弾くギターと躍動するリズムからすべり込むように軽やかに始まった『look at the sea』、爆裂ベースラインとソリッドなギターが扇動する『命日』と、あどけなさが残る歌声とは裏腹にバキバキのバンドサウンドという中毒性の高さで、冒頭からバンドの魅力を多角的に魅せつけたのが、おいしくるメロンパンだ。

「『GLICO LIVE NEXT』、呼んでくれてありがとうございます、みんなも来てくれてありがとうございます!自由に楽しんでいってください」(b・峯岸)との挨拶の後も、『5月の呪い』『水葬』『シュガーサーフ』と、1曲ごとに世界観もジャンルもサウンドもめまぐるしく変わっていくかのような楽曲の応酬で、ひと筋縄ではいかないバンドのイズムと、突き放しながらその手を離さないような絶妙な距離感のライブがクセになる。この感覚、間違いなくおいしくるメロンパンのライブでしか味わえない。

一転、原(ds)のMCはまたガラリと空気が変わる突き抜けた明るさで、お菓子はあまり食べないがパピコはめちゃくちゃ食べるという(笑)ナカシマ(vo&g)といい、本当につかみどころのないバンド。後半戦は『憧景』『あの秋とスクールデイズ』と怒涛の2連発をフロアにぶちまける。狂気も優しさもないまぜに抜群の嗅覚で着地する音楽と、その特異な存在感を存分に知らしめたおいしくるメロンパンだった。

The Songbards

The La’sの『There She Goes』のSEを背に現れたのは神戸出身の4人組、The Songbards。タイトなビートとハーモニーを標準装備に、上野(g&vo)と松原(g&vo)がメインボーカルを代わる代わるスイッチしていくスタイルで、『雨に唄えば』『ローズ』『Inner Lights』と瑞々しいポップソングを次々と披露すれば、オーディエンスも思い思いに肩を揺らす。

「本日は平日にも関わらず皆さん来てくれて、『GLICO LIVE NEXT』に呼んでくれてありがとうございます!」(上野)と感謝の想いを述べつつ、昭和のフォークミュージックやGSの風味漂う『春の香りに包まれて』では美しいコーラスワークを聴かせ、ワイルドなロックチューン『悪魔のささやき』では柴田(b)のベースラインが抜群に機能。90年代のブリットポップを彷彿とさせる『Time or Money?』など、UKロックをベースとした様々なルーツを自らのフィルターを通してアップデートした楽曲は、当時を知る者には懐かしく、同世代のリスナーには新鮮に響くことだろう。何より“歌心”という真芯を外さないソングライティングで、ラストの『太陽の憂鬱』に至るまで“今なぜThe Songbardsに注目が集まるのか”を、充実の楽曲群で証明してみせたステージだった。

Bentham

ステージに現れたメンバーの肌の色から、この夏のフェスシーズンの壮絶さが伝わってくる。「最高の1日にしましょう、心躍る準備はできてますか?踊れ〜!!」(vo&g・小関、以下同)と放った一音目から、このバンドが数え切れないか現場を経験してきたのが分かる。『パブリック』『クレイジーガール』でブチ上げるグルーヴと汗だくのエモーショナル、『FATEMOTION』でドライヴするビートと加速する情熱。ライブの醍醐味をド頭から全力で叩き込んできたのが、この日の大トリのBenthamだ。

「最後まで残ってくれてありがとう!『GLICO LIVE NEXT』、出たかったんですよ。今日Benthamを初めて観る人?カッコいい?(笑)もう最高の1日になってると思うんだけど、最後まで楽しませるんでよろしく!」とのMCの後は、Bentham内の好きなプリッツはサラダ派とトマト派に分かれるなどよもやま話も挟みつつ(笑)、先ほどまでのボルテージとは打って変わって、ミドルバラードの『cymbidium』では切々と楽曲の世界観を伝えていく。

そして後半戦は、そのタイトルさながら音の粒を降らせたメジャーデビュー曲『激しい雨』でフロアから拳が上がり、そのままBentham流ダンスナンバーにして強烈アンセム『MIRROR BALL』に突入!小関がステージを降りオーディエンスにまみれてハンドマイクで歌い上げるラストシーンまで完全燃焼したBenthamが、この日を見事に締めくくってくれた。

STAFF COMMENT

終演後は出演者がステージに勢揃いし、オーディエンスとの記念撮影&恒例の豪華お菓子の詰め合わせ=セレクション・ザ・グリコが当たる抽選会へ。なお、この日の模様は8月8日(木)の『RADIO∞INFINITY』内にてオンエアされるのでそちらも要チェック!そして、次回9月17日(火)の『GLICO LIVE NEXT』は、TENDOUJI、羊文学、MONO NO AWAREとこれまた今アツ〜いメンツが揃い踏み。大いに期待してOKです〜!