LIVE REPORT[過去のライブレポート]

LIVE REPORT [過去のライブレポート]

2019/09/17(火)@Music Club JANUS

  • 出演アーティスト:TENDOUJI/羊文学/MONO NO AWARE
  • 取材・文:奥“ボウイ”昌史
  • 撮影:田浦ボン

今年3回目の『GLICO LIVE NEXT』は、夏の暑さもやわらいだ1日に、ひときわグッドミュージックな好ラインナップが揃い踏み。
『GLICO LIVE NEXT』初体験のオーディエンスも多く見受けられる中、FM802DJの樋口大喜が関西発のニューカマー・サポートイベントについてしっかりナビゲート。
TENDOUJI、羊文学、MONO NO AWAREという注目の3組が送る、最高の夜の予感をヒシヒシ感じながら、今宵もライブがスタートです!

羊文学

揃いの衣装に身をまとった塩塚モエカ(vo&g)、ゆりか(b)のフロントラインに、黒ずくめのフクダヒロア(ds)がステージに現れ、ダークなイントロを奏でる。
1曲目の『ドラマ』から、重厚なバンドサウンド上を浮遊する歌声に、根こそぎ心を持っていかれそうな中毒性を感じる。
耳を惹く印象的なフレーズをメンバー各々が重ねながらも、その絶妙なブレンド感とポップネスで、『ロマンス』でもぐんぐんオーディエンスの心をたぐり寄せていく。

「『GLICO LIVE NEXT』、呼んでいただいてありがとうございます。トップバッターですけど…って、何言ってるか分かります?私、滑舌が悪いんです(笑)。ちょっとポッキーっぽいタイトルの曲があるんでやります」(塩塚、以下同)と披露したのは『1999』(!?)。オルタナ/シューゲイザー経由のギターサウンドを軸としたクールさと同時に、どこか人懐っこさが漂うメロディの不可思議で心地いいこの感覚は、羊文学のライブならでは。
「ポッキーぽかったですか?違うかぁ(笑)」とはにかみながら、どっしりとしたベースラインが導く『マフラー』に溶けていく歌声は、いつまでも浸っていたくなるようなデイドリーミングな魅力に満ちている。

そして、最後の曲は『天気予報』。
様々なルーツを感じさせながらそれに乗っ取られないオリジナリティを鳴らした全5曲に、羊文学の大いなる可能性を見た——!

MONO NO AWARE

深い海の底から少しずつ浮上していくように、重たいビートときらめくギター×コーラスがオーディエンスを連れていく。
ブルーの照明に照らされた『me to me』から、オンリーワンなMONO NO AWAREの音楽を鳴らしたオープニング。
いや〜今日の『GLICO LIVE NEXT』、濃いです(笑)。
それぞれのバンドが独自の色を放ちながら、どれもが輝き合うのは、誰かのトレースではない己の音を持っているから。「
MONO NO AWAREです、どうぞよろしく!」(vo&g・玉置、以下同)とブチ上げた後も、『マンマミーヤ!』の曲間では「グリコと言えば、2段熟カレー、今はプレミアム熟カレー!」と叫びつつ(笑)、エキゾチックなバンドサウンドで早くもJANUSを完全包囲する。

MCでは、「足の踏み場もないぐらいグリコのお菓子があるんで、後で楽屋に来てください(笑)」と和ませつつ、なぜか2段熟カレーのCMに出ていたのが山村紅葉と勘違いしていた玉置に、物静かな竹田(b)がそれは室井滋ではないかと意を決して問いただすひと幕も(笑)。
挙句の果てには謎の室井滋コールから、『轟々雷音』へ。
オリエンタルでグルーヴィーなこの楽曲には、オーディエンスも思わず身体を揺らす。
「高校のとき、ポッキーのチョコを取って食べるとおいしいんだよと見せてくれたあの子に捧げます」と本当か嘘か分からないMCから(笑)、朗らかな歌声を響かせた『DUGHNUTS』のノスタルジーが、フロアをゆっくりと満たしていく。

MCの樋口大喜も期待を寄せたパントマイムに関しては、「今日は披露しません! ただ、12月のリリースツアーではパントマイムを4つはやるんで(笑)、絶対に観に来てください」と巧みに促し、ラストは『東京』。
人を食ったMCで翻弄しつつ音楽はしっかりグッドミュージックなMONO NO AWAREが、その音楽も、キャラクターも、これでもかとJANUSに刻み付けるような濃厚なステージだった。

TENDOUJI

懐かしの『WE ARE THE CHAMP 〜THE NAME OF THE GAME〜』のSEから、ビスコを印籠のように掲げ登場した今宵の大トリはTENDOUJI!
しょっぱなの『Killing Heads』からオーディエンスも待ってましたのリアクションで、ダンスフロアと化したJANUSは大盛り上がり。
イントロのギターが鳴り響くや歓声が上がった『Kids in the Dark』といい天井知らずのボルテージで、「昨日まで3連休だったのに、まだ遊びたいんですね。そういうの嫌いじゃないですよ(笑)。最後まで楽しんでいってください、よろしく!」(アサノ・vo&g)とのMCの後は、ゆったりとしたBPMとコーラスワークが心地いい『Something』でホッとひと息。
そのまま流れるビートに身を任せて、歪んだギターが胸を締め付けるミドルチューン『Salv.』と、緩急自在にオーディエンスのハートを掴んでいく。

ここで、11月にリリースする1stシングルに収録されたシンディ・ローパーのカバー、『TIME AFTER TIME』のレコーディング中に心霊現象が起きたことにアサノが触れ、「MCでは時間が足りないのでFM802で喋ります」と勝手に宣言(笑)。
そのシングルの表題曲『COCO』をブチかまし会場の温度を一気に上げた後は、ドライヴするベースラインに導かれた『Peace Bomb』、フロント3人のコーラスとエモーショナルなギターで魅せた『HAPPY MAN』と続け、『THE DAY』でも自由に音楽を楽しむバンドとオーディエンスの関係が見て取れるようなグッドヴァイブが生まれる。

「ホントに最近は大阪に来過ぎて疲れてます(笑)。機材車は狭いし、(アサノ)ケンジはいびきがうるさいし(笑)。でも、来ると必ず元気が出るんです。大好きです大阪、また死ぬほど遊びましょう!」(モリタ・vo&g)と、シングルのリリースツアーでまた、ここJANUSで再会することをお約束。
最後の『GROUPEEEEE』まで熱量たっぷりに駆け抜けたTENDOUJIが、至福のエンディングを飾ってくれた。

STAFF COMMENT

終演後は、出演者勢揃いでオーディエンスと記念撮影。その後は恒例のセレクション・ザ・グリコ=豪華お菓子の詰め合わせの抽選会も。そして、次回はついに11月11日(月)心斎橋BIGCATで、年に一度の“ポッキー&プリッツの日”を祝う『GLICO LIVE NEXT SPECIAL』が開催!THE BACK HORN、ハンブレッダーズに加えてtetoの出演も解禁され、熱狂間違いなしの今年最後の宴に、ぜひ参加してください〜!