LIVE REPORT[過去のライブレポート]

LIVE REPORT [過去のライブレポート]

2020/09/11(金)@「Streaming+」

  • 出演アーティスト:Attractions/Omoinotake/Sano ibuki/the Mcfaddin
  • 取材・文:奥“ボウイ”昌史
  • 撮影:田浦ボン

今年は無観客ライブ配信という形態で挑む、ニューカマー・サポートイベント『GLICO LIVE NEXT』。新しい音楽との出会いの場を提供し、これからの才能を応援し続け17年。今年2回目の開催となる今回も、Attractions、Omoinotake、Sano ibuki、the McFaddinと、才気溢れる注目のアーティスト4組が勢揃いだ。FM802DJ樋口大喜のナビゲートのもと、次々と押し寄せるグッドミュージックに酔いしれた一夜をレポート!

the Mcfaddin

配信であることを駆使し、さながらラジオ番組調の構成で送る今年の『GLICO LIVE NEXT』。
前回に引き続き会場である心斎橋JANUSの屋上にて、くじ引き形式のテーマトークが出演前に行われ、その流れでトップバッターとして登場したのがフロム京都のthe McFaddin(マクファーディン)だ。
アートディレクターであるryoma matsumotoのVJにより、楽曲とシンクロした映像が随時映し出されるステージ上で、荘厳で神秘的なサウンドスケープで魅せた『neighbors』からライブはスタート。
その後も、『HALF AWAKE』『six』『N.E.O.N(Rock ver)』と、クールな楽曲群とは裏腹にエモーショナルなパフォーマンスでぐいぐい空気を作っていく。

「FM802の皆さん、グリコの皆さん、呼んでくれてありがとうございます!こういった状況の中で、見てもらえるのはすごく嬉しく思います」(vo&g・ryosei yamada)と語った後は、コロナ禍の現状を打破すべく立ち上げた『neighbors』プロジェクトについても説明。
危機的状況にあるライブハウスを支援し、アーティストと来場者が楽しめる場所を提供することを目的とした同プロジェクトへの想いを伝える姿は、その音楽的才能ともども大いに信頼できる頼もしさ。

後半戦は、ビートの躍動感とルードな雰囲気にシビれる『Go』を皮切りに、静と動のグルーヴに揺れる『Blue tank』から洗練されたビートナンバー『Pump』まで、才気みなぎる充実のセットリストで駆け抜けたthe McFaddinだった。

Sano ibuki

のシンガーソングライターとなったSano ibuki。
山吹色の照明に照らされアコースティックギターを奏でた『いつか』から、その言葉の1つ1つが構成する物語がスーッと胸に沁み込んでいく。
一転、深海の如きブルーの光の中で、切々とメロディをつないだ『滅亡と砂時計』では儚げな歌声を存分に聴かせるなど、みるみるうちにその世界観に引き込まれていく。
「Sano ibukiです、今日はよろしくお願いします」と挨拶し、すぐさまコロナ禍に作られた新曲『pinky swear』へ。ただただ一心に、楽曲で全てを語るように言葉を放っていく。

「僕はライブをするのが半年ぶりぐらいです。ライブハウスに来て、どれだけいろんなものに救われていたんだろうと気付かされるステージです。今日は物理的な距離はありますが、画面を通してあなたに届くよう全力で歌うので、楽しんでいってください」

静寂の中に熱い想いが込められたMCを経て、『決戦前夜』ではしなやかな歌声とともにギターをかき鳴らし、最後は大いなる愛と願いに満ちた『マリアロード』で締め括る。
深々と頭を下げステージを降りたSano ibukiが「自分自身を素直にしてくれる」と語ったライブは、見る人にとっても同じ気持ちだったのではないだろうか。

Omoinotake

しょっぱなの『欠伸』から瞬殺のグッドメロディ。
少し鼻にかかった甘い歌声と抜群のコーラスワークで、その魅力と実力を1曲で知らしめたOmoinotakeのライブ。
サポートの柳橋玲奈(sax)をステージに迎えた『So Far So Good』でも、その楽曲のクオリティとソウルフルな歌いっぷりには惚れ惚れしてしまう。

「今、目の前にお客さんはいませんけど、今まで一緒に戦ってきたライブハウスの人たちに会えるだけで…今日こうやって大阪から配信ライブをやれることが、すごく嬉しいです。9月も半ばですが、まだまだ暑い日々が続いてます。今年は特別な夏になったと思いますけど、いつもの夏が目の前にあるんじゃないかっていう気持ちを込めました」(vo&key・藤井レオ、以下同)

そんな『夏の幻』でも抑制されたビートに乗せアーバンで切ないサウンドを聴かせ、ソングライティング力の高さを証明。サックスソロが彩った『モラトリアム』も同様で、胸が締め付けられるメロディと心地よく堕ちていくような全曲アンセム級のセットリストには本当に驚くばかりだ。

「配信ライブが主流になってから何度かやらせてもらって、いいところもたくさんあって、前向きに画面の前で演奏してます。とは言え、今日もフロアがガランとしていて。いつか必ずパンパンになる日が来るとは思ってますけど、その日が来るのが待ち遠しいのは、やる方も見る方も一緒だと思います。その日まで、ずっとこの歌を歌っていこうと思います」

躍動するベースラインとタイトなドラミングに支えられ軽やかに浮遊した『One Day』、そして、ラストの『トニカ』では画面越しのシンガロングが聴こえてくるような一体感を創出。ライブハウスでの再会が心から待ち遠しくなるような、Omoinotakeのグッドヴァイブなステージだった。

Attractions

「福岡からロックしに来ました、Attractionsです!」(vo・TARO、以下同)と口火を切ったAttractionsは、ド頭の『Satisfaction』のファンキー&サイケなグルーヴからバンドの力量をまざまざと見せつけ、ノイジーなギターからなだれ込んだ『Chain Reaction』でも、ステージを縦横無尽に動き回り情熱的にシャウトするTAROを筆頭に、バンドのダイナミズムで見る者を圧倒!

「今日は『GLICO LIVE NEXT』に、呼んでいただきまして本当にありがとうございます!いろいろと厳しい中、このライブを決行してくれたグリコ、FM802、そして大好きなJANUS…我々も頑張って続けていくので、リスナーの皆さん応援よろしくお願いします!」

印象的なシンセアレンジとマッドなトリップ感がクセになる『Last Magic』、続いて、「ライブで全然やってない曲を緊張するけどやります」と始まった『Shake It Over』も、ノリのいいビートに身体が揺れるナンバー。そして、トドメの『Blood Pressure』の圧巻のスケールには、今後の躍進を期待せずにはいられない。ラストは、彼らの名を一躍世に知らしめたアンセム『Knock Away』!
まさにネクストブレイク揃いの好ラインナップとなった今年2回目の『GLICO LIVE NEXT』を、初の無観客ライブとは思えない強烈なパフォーマンスで締めくくったAttractionsだった。

STAFF COMMENT

ライブを終えたばかりのAttractionsのTAROが、「ライブがないと力がもらえない。ホントに今日はめちゃくちゃ楽しかった!」と語った充実のアフタートーク後は、画面越しのオーディエンスに向け出演者4組のスクショタイムも実施。なお、この日のライブの模様は9月17日(木)24:00〜『RADIO∞INFINITY』内にてオンエアされるので要チェック。そして、次回10月5日(月)のラインナップは、KALMA、Mr.ふぉるて、ヤユヨに決定!9月22日(火・祝)23:59までにチケット先行予約にお申込みの方には、グリコのお菓子と3組のサイン入りステッカーが事前に郵送されるとのこと。当日はグリコのお菓子と共にぜひライブを楽しんでください〜!