LIVE REPORT[過去のライブレポート]

LIVE REPORT [過去のライブレポート]

2022/11/11(金)@心斎橋BIGCAT

  • 出演アーティスト:秋山黄色/水曜日のカンパネラ/This is LAST
  • 取材・文:奥“ボウイ”昌史
  • 撮影:田浦ボン

関西発のライブイベント『GLICO LIVE“NEXT”SPECIAL』が11月11日、大阪・心斎橋BIGCATで開催された。この日は毎年恒例の“ポッキー&プリッツの日”ということで、年に一度のスペシャルバージョンとして、秋山黄色、水曜日のカンパネラ、This is LASTが勢ぞろい。今年の出演アーティストを振り返るプレイバックムービーや、FM802DJ樋口大喜が前身イベントから数えて19年に及ぶ『GLICO LIVE“NEXT”』の歴史を紹介するなど、期待感が高ぶるオープニングを経て話題の3組が完全燃焼した一夜をレポート!

秋山黄色

SEが鳴るなり一斉に沸き立ったクラップに迎えられたのは、この日のトップバッターである秋山黄色だ。「遊ぼうぜ~!」と雄たけび一発、1曲目の「シャッターチャンス」からBIGCATをハンズアップが埋め尽くす瞬殺のライブアクトぶり。エッジィなギターの応酬で一気に興奮のピークへと連れていく「アイデンティティ」でも、まるでワンマンライブかと見間違うばかりの熱気と大音量の手拍子がライブを後押し。楽曲を彩る美しい照明と共に、序盤から圧倒的な存在感を見せつける。

「『GLICO LIVE“NEXT”SPECIAL』へようこそ!対バンイベントはめちゃくちゃ久しぶりで、ものすごく楽しみにしてました。こういう歴史あるイベントに呼んでいただけると、やっぱり誠心誠意報いたくなる気持ちが湧いてきますね。今年は夏フェスとかも復活してきて、大阪でもいっぱい出ましたけど、その集大成を見せたいと思いますので、最後までよろしくお願いします。自分なりに目いっぱい楽しんでください!」

同期と生音が丹念に編み上げられた「ソーイングボックス」での神々しさすら感じるたたずまいに思わず見ほれながら、ロッキンなダンスチューン「年始のTwilight」、切れ味抜群のアンセム「Caffeine」と立て続け、容赦なく熱狂を増幅。イントロから熱い思いをぶちまけた「とうこうのはて」を聴かされて、オーディエンスがブチ上がらないわけがない!?その後も曲中に何度も何度も語り掛けながら、最終的にはFM802DJ樋口大喜をも舞台上へと引き上げ、ぐっちゃぐちゃに盛り上がる!心をわしづかみにされたまま突入した、11月23日(水・祝)リリースのTVアニメ『僕のヒーローアカデミア』第6期エンディングテーマ「SKETCH」まで、魂を燃やすかのようなエモーションを放出。「最高でした皆さん、ありがとうございました!」と、『GLICO LIVE“NEXT”SPECIAL』の幕開けにして強烈な余韻を残した秋山黄色だった。

水曜日のカンパネラ

「皆さんこんばんは、今日は後ろからのスタートになります。ここだよ」と、突如客席後方から現れた水曜日のカンパネラは、新曲「ティンカーベル」を歌いながらステージへ!『GLICO LIVE“NEXT”SPECIAL』史上初(!?)とも言える登場シーンにはBIGCATも大いに沸き、続く「アリス」でもボーカル詩羽のポップアイコンとしての求心力に見事なまでに引きつけられる。

「水曜日のカンパネラを見に来たよっていう人~?(周りを見渡し)四捨五入すると全員ですね(笑)。せっかくだったら一緒に盛り上がってもらいたいなと思ってますし、みんな冬が近づいてきて、太ったでしょ?(笑)いいダイエット法がありまして、手拍子すると二の腕が痩せるし、ジャンプすると全体的に脂肪が落ちるんですよ(笑)。冬だからこそ盛り上がって、一緒に痩せて帰ってもらえたらなと思うんですけど、皆さん大丈夫ですか?」

前ボーカルのコムアイ期からの人気曲「ディアブロ」では、そのパフォーマンスのみならず人懐っこいMCでも魅了し、観客を巧みに扇動。会場の隅から隅までゆらゆらと手が舞う光景を生み出していく。「バッキンガム」でも舞うように軽やかに動き回り、得も言われぬ魅力で見る者をとりこに。とにかくクオリティの高いポップソングの連続に夢心地でいると、いつの間にか詩羽が再びフロアの後方へ!?脚立によじ登り、「モヤイ」を切々と歌い上げる。曲間にとっさに靴紐を結び直す一挙手一投足もキュートで、一瞬たりとも目が離せない。

手の甲にメモした12月のリリースパーティー告知を読み上げ、後半戦は何百というスマホライトに照らされた「織姫」、そしてSNSでバズり倒している必殺の「エジソン」へ!BIGCATが揺れに揺れる最高にハッピーな空間を生み出し、ラストは巨大な招き猫風船を従え「招き猫」を披露。まさに水曜日のカンパネラでしか味わえないトリッピーな体験を、『GLICO LIVE“NEXT”SPECIAL』にもたらしてくれた。

This is LAST

ブルーの光に包まれた本日のトリは、その名前からもうってつけのThis is LAST!円陣を組み気合いの声を上げた後、BIGCATを一発で貫いた菊池陽報(Vo&Gt)のボーカルに、菊池竜静(Ba&Cho)、鹿又輝直(Dr)の躍動するリズムに、説明は要らない。冒頭の「愛憎」からずっしりと重たいビートで疾走する、これぞロックバンドなサウンドが問答無用に胸を揺さぶる。「調子はどうだい大阪!今日は僕たちとあなたで特別な日にしよう」(菊池陽報、以下同)との呼び掛けから放った「殺文句」、自ずと体が動き出す骨太なダンスナンバー「恋愛凡人は踊らない」、きらめくギターがいざなった「ひどい癖」と、トレンドに左右されずに己の音楽を鳴らし切るさまには、信頼感しかない。

「ありがとうございます、めっちゃ楽しいです。今日はみんなの口角がすごい上がってて、このままライブしていったら表情筋が鍛えられて、めちゃめちゃ美顔になるんちゃう?(笑)『GLICO LIVE“NEXT”SPECIAL』ということで、こういう特別な日に呼んでいただけたことをすごくうれしく思ってますし、トリを任せていただいていることを誇らしく思います。あなたにとっても、僕らにとっても、関わってくれるみんなにとっても特別で、大切で、忘れられない最高の思い出にできたらなと思いますので、最後までどうぞよろしくお願いします!」

切なき名ラブソング「バランス」にグッと引き込まれる観衆を前に、「あなたがいつまでも笑えますように」と告げ、クライマックスはみずみずしいグッドミュージック「もういいの?」に加え、ささやかな幸福をつづった「オムライス」で畳み掛ける!「最高の余韻の中、帰ってね」との言葉通り、奇をてらうのではなく真っすぐに歌でぶち抜いたThis is LASTが、3年ぶりに有観客での開催を果たした2022年の『GLICO LIVE“NEXT”SPECIAL』をきっちりしめくくった。

STAFF COMMENT

各アーティストのライブ後は、トークやグリコ検定なるクイズでもにぎわった『GLICO LIVE“NEXT”SPECIAL』。なお、この日のライブの模様は2022年11月24日(木)24:00~『RADIO∞INFINITY』内にて一部オンエア。さらには、『GLICO LIVE“NEXT”スペシャルダイジェスト 2022』と題して、同日のライブ映像はもちろん、Cody・Lee(李)、ステレオガール、TOMOO出演の9月13日公演、クジラ夜の街、the dadadadys、ねぐせ。出演の7月27日公演のダイジェスト映像も配信されることが決定!
配信期間は2022年11月25日(金)18:00~2022年12月25日(日)23:59。チケットは何と802円(税込)で2022年12月24日(土)23:59まで発売中。購入はhttps://w.pia.jp/t/gln1111/まで。