LIVE REPORT［過去のライブレポート］

LIVE REPORT ［過去のライブレポート］

2023/09/19(火)＠⼼斎橋Music Club JANUS

  • 出演アーティスト：バイリンジボーイ／bokula.／YUTORI-SEDAI
  • 取材・文：奥“ボウイ”昌史
  • 撮影：田浦ボン

『GLICO LIVE“NEXT”』が9月19日、大阪・心斎橋JANUSで開催された。前身の『GSGP PROJECT』時代より20年もの長きにわたり、新しい音楽を関西から発信することをモットーに、数え切れないニューカマーをサポートしてきた同イベント。2023年3回目の開催となるこの日は、バイリンジボーイ、bokula.、YUTORI-SEDAIをフックアップ。今年度よりMCを務めるFM802DJハタノユウスケのナビゲートの下、勢いに乗る3組がとことん熱い衝動をぶつけ合った『GLICO LIVE“NEXT”』をレポート！

バイリンジボーイ

季節感ピッタリのキイチビール＆ザ・ホーリーティッツの「夏の夜」のSEを切り裂く、強烈な爆音で幕を開けたバイリンジボーイのライブ。初っぱなの「世界が終わってしまう前にもう一度君に会いたくなったんだ」から方々で拳が突き上がるフルスロットルのパフォーマンスで、「最後まで全力で歌います。JANUS！　行こうぜ～!!」と梅林寺連太郎（Vo.Gt）がブチ上げた「LOVE」、「お前らの本当の顔を見れてねぇな。もっと自由に来いよ！」（梅林寺、以下同）となだれ込んだ「56km」と、音と言葉のガソリンを次々とフロアに投入し、最高速で突っ走る！

「今日は久しぶりにbokula.にも会えたし、初めましてのYUTORI-SEDAIもいるし、いい日になる気しかないです。明日からも頑張れるように今日ここでめっちゃ楽しんで、はしゃいで……そういう顔を見られたら俺らも頑張れるし、最後までよろしくお願いします！」

一転、ミドルバラード「ふたりのせい」ではしっかりメロウな歌声を聴かせ、「俺らいい感じに仲良くなってきたと思うんで一緒にシンガロングしようか！」と、ステージから身を乗り出しアジテートする梅林寺。ポップでパンクなツービートの新曲も初見で耳に残るキャッチーさで、あっという間に見る者をとりこにしていく。後半戦も、盛り上がるしかない「グッバイガール」を皮切りに、焦燥感をかき立てる新曲「ロックスター」やストロボライトを背に放った怒濤の「cry cry cry」と畳み掛け、耳をつんざくフィードバックノイズと鮮烈な印象を残した最強のトップバッター、バイリンジボーイだった。

YUTORI-SEDAI

ブルーの照明に照らされた舞台に現れ、金原遼希（Vo.Gt）が「優しい音楽を今日も届けて帰ります！」と宣言。有言実行のグッドメロディを響かせた「23×3」、FM802の7月度ヘビーローテーション曲「ぎゅっとして、」と、冒頭からヒットポテンシャル満載のポップソングを連発したのがYUTORI-SEDAIだ。

「『GLICO LIVE“NEXT”』に出演できて本当にうれしいです！」と喜びを爆発させた金原は、「誰しも人であれば弱いところを持っていると思います。そういう人に寄り添える楽曲をこれからも作っていきたい」と意気込む。そして、「今いる大切な人を失うことがないように、この曲をあなたに届けます」と続けたのは、「幸せにしたいんだ」。歌詞の一つ一つがじんわり胸に染み込んでいく壮大なバラードに、身を委ね肩を揺らすオーディエンス。「めちゃくちゃ楽しい曲を作りました！」（金原、以下同）と関西初披露された新曲もダンサブルかつスウィートで、今後への期待感は高まるばかりだ。

「音楽って多種多様で、今日もいろんなアーティストが出るんだけど、大丈夫だよ、ついて来いよという力強さは僕らにはないかもしれないけど、しんどくてつらくてたまらないとき、落ちないように下から支える力は持っていると信じてます。これからもあなたのそばにいさせてください」

ラストは「すき。」「アイラブユーベイビー」と甘酸っぱいラブソングで立て続けに魅せ、いつブレイクしてもおかしくないムードと堂々たるたたずまいで、その才を存分に感じさせたYUTORI-SEDAIだった。

bokula.

満場のクラップで迎えられた広島発のロックバンドbokula.は、エモーショナルなリフにいきなりアガる「群青謳歌」で瞬時にピークへと到達する頼もしいライブアクトぶりで、今宵のトリを務める理由を自らの音楽で証明してみせる。続く「足りない二人」でも、メロディックなギターと体が自ずと騒ぎ出すビートの疾走感で、これぞライブハウスな熱狂をみるみるうちに作り上げていく。

えい（Gt.Vo）がユーモアたっぷりにメンバー紹介した後は、4人総出のボーカルが聴き応え抜群の「バイマイフレンド」で圧倒！が、ここでえいが危うくセットリストを間違えそうになるハプニングが発生するものの、「なかったことにしてもらえます？（笑）」と照明もろとも仕切り直し、改めて「夢を見てた.」を演奏。スケールの大きなロックバラードで魅了する。

軽快な「グッドラック」では、えいがギターを置きハンドマイクで熱唱し、クライマックスへと連れていく。最後の「愛してやまない一生を.」まで、リスナーはもちろん同業のバンドからも名前が挙がるシーンの注目株が、広島から全国制覇を見据えたその実力と未来を見せつけた高純度のライブ。

予定外に沸き上がったアンコールでは、「高鳴り」からの「満月じゃん。」、さらに、えいが「せっかくだから全部出し切って帰るぜ！」と叫び、まさかのおかわり「満月じゃん。」に突入と（！）、セオリーにとらわれずクローザーとしての役割をまっとうし、『GLICO LIVE“NEXT”』を見事に締めくくった。

STAFF COMMENT

ライブ後は出演者全員での記念撮影と、グリコのお菓子の豪華詰め合わせ“セレクション・ザ・グリコ”が当たる恒例の抽選会も実施され大にぎわい。また、この日のライブの模様は、9月21日（木）24:00～『RADIO∞INFINITY』内でオンエアされるのでチェックを。なお、次回は11月11日（土）大阪・BIGCATにて、年に一度のスペシャルバージョン『GLICO LIVE“NEXT”SPECIAL』が開催！気になる出演者は、前職：ぼくのりりっくのぼうよみ＝たなか（Vo）率いるDiosに、THE BAWDIES、梅田サイファーと、ジャンルミックスなメンツが一堂に。『GLICO LIVE“NEXT”』のHPでは、オフィシャル最速先行＜抽選＞を9月25日（月）23:59まで受付中！