LIVE REPORT[過去のライブレポート]

LIVE REPORT [過去のライブレポート]

2024/06/18(火)@Music Club JANUS

  • 出演アーティスト:moon drop/the paddles/パーカーズ
  • 取材・文:奥“ボウイ”昌史
  • 撮影:田浦ボン

関西発のライブイベント『GLICO LIVE“NEXT”』が6月18日、大阪・心斎橋JANUSで開催された。前身イベント『GSGP PROJECT』時代より「新しい音楽との出会い」と「新たな才能を応援」をモットーに、今年で何と21年! 今や関西のみならず日本の音楽シーン有数の歴史を誇るイベントとなった『GLICO LIVE“NEXT”』。2024年度の初回はmoon drop、the paddles、パーカーズの3組を迎え、満を持してスタートを切る。FM802DJハタノユウスケのアテンドで幕を開けた、激アツの一夜をレポート!

パーカーズ

いきなり超満員と幸先のいい心斎橋JANUSに現れたトップバッター、「POPS日本代表」ことパーカーズは、1曲目の「少年少女よ」からエモーショナルなパフォーマンスで全力疾走!促さずとも発生するクラップと突き上がる拳に、観客の今日という日への期待感がにじみ出る。軽快なリズムが導いたテンションぶち上げの「中華で満腹」でも、タオルが回る回る! 中華料理の品目から最終的にはポッキーやグリコでもコール&レスポンスするライブ巧者ぶりで、あっという間に会場をロックオンしてしまう。とにかく人懐っこいパーソナリティと、とことん親しみやすいポップソングを持ち味に、トリプルギター編成が映えまくる「君が好き」でも、ぐんぐん心の距離を縮めていく。

「今日出てるメンツは僕の中でめちゃめちゃ思い入れがあって。the paddlesの柄須賀皇司(Vo.Gt)はフロントマンとしてカッコいいなと思ってる一人だし、カッコいいなと思うバンドで。moon dropは僕がバンドを始める前から聴いていて、いつか対バンできたらいいなと思ってました。ここに来るまでにSNSを見てたら、今日を楽しみにしてくれてる人がたくさんいて……バンドをやってて良かったな、素敵な一日だなと思って。僕は就職かバンドか選ばなきゃいけないとき、バンドを選びました。好きなことを続けていくのは超つらくて、超楽しい。きっとこの中にも、好きなことをやってるけど、思うようにいかない人もいると思うんだよ。でも、続けてきて良かったと思える瞬間がきっとある。そんなあなたたちの背中を押せる曲を届けたいと思います」(豊田賢一郎・Gt.Vo)

こんなMCの後、オレンジの光の中で切々と歌い上げた「Goodbye」が響かないわけがない。大合唱が巻き起こった「運命の人」、ラストは豊田がハンドマイクでステージを横断し熱唱した「Frank」と畳み掛け、今年の『GLICO LIVE“NEXT”』の最高のトッパーとなったパーカーズだった。

the paddles

この春、ハタノユウスケの代わりに『RADIO∞INFINITY』(木曜24:00~)の代打DJを柄須賀が務めるなど、FM802とは何かと縁ある地元大阪・寝屋川発のスリーピースロックバンド、the paddles。初っぱなの「プロポーズ」から、バンドの歩んできたキャリアが伝わるズシリと重いボトム。フックのあるリフレインが耳に残る「花」といい、「今日唯一の大阪のバンドthe paddlesが、一番カッコいいライブをやらないとあかんと思いませんか!」(柄須賀、以下同)と躍動するビートでけん引した「WARNING!」といい、現場で叩き上げられた高い演奏力と確かなポップセンス、経験が生み出す絶妙な言葉のチョイスと説得力で、モノが違うと知らしめる。そして、「本当にこのステージに立ててうれしいです!」とあいさつした後も、虎視眈々とハタノの座を狙っていると場を和ませ(笑)、巧みなストーリーテリングで聴かせるミドルチューン「予測変換から消えても」で魅了する。

「むちゃくちゃ楽しいです!そこにいてくれるみんなのおかげです、本当にありがとう。パーカーズは今日対バンするのが初めてなんやけど、(豊田=)賢ちゃんのおかんがthe paddlesのワンマンライブに来てくれていて(笑)。moon dropは付き合いは長いけど対バンはすごく久しぶりで、こうやってライブハウスで再会することができてうれしいです。あのとき刺さった歌詞、あのときあいつと聴いてた歌が、みんなの心の中にずっと残ってるでしょ?俺もそんな曲が歌いたい、the paddlesもそんな存在になりたい」

甘酸っぱくも切ない「ブルーベリーデイズ」、ライブ鉄板のストロングナンバー「ステレオタイプ」、愛と優しさに満ちた人生劇場「カーネーション」まで、全7曲。さっきの柄須賀の願いは、きっともうかない始めてる。結成10年にしてみずみずしいポテンシャルを存分に感じさせたthe paddles、いや~いいバンド!

moon drop

SUPER BUTTER DOGの「サヨナラCOLOR」のSEのサビ終わりに合わせギターをかき鳴らし、「「『GLICO LIVE“NEXT”』にようこそ、声を聴かせてくれ~!」(Vo.Gt・浜口飛雄也、以下同)と始まったのは、大トリのmoon drop。冒頭から渾身のアンセム「ボーイズアンドガールズ」で、見渡す限りの手が挙がる絶景を軽々と創出。きらびやかなラブソング「ラストラブレター」でも、満員のJANUSが沸きに沸く。

「パーカーズ、the paddlesがつないで、最後のピースがmoon drop。ここからスピード上がっていくんですけど、ついてこれますか?」と、「シーブリーズと君の匂い」でも爽快感溢れるメロディとともに駆け抜け、ここで配信されたばかりの新曲「閃光花火」を披露。歌謡フレイバー漂うリフがいざなう新境地のサマーチューンに、オーディエンスもシンガロングで応える。

「こんな素敵な日に俺らを選んで、呼んでくれてありがとうございます!こっちからみんなのうそ一つない笑顔が見えてます。ちゃんと伝わってます。『GLICO LIVE“NEXT”』のコンセプトは「新たな才能を応援」らしいです。ライブハウスには才能も、宝物みたいなときめきもドキドキも、至るところに転がってるんで。それがちゃんとここにあるって証明して帰りたいと思います。何か物足りなくて、生活を抜け出して、ライブハウスに来たんでしょ? 奇跡みたいな一日にしよう!」

クライマックスは、エレキギターを奏で絶叫する浜口が頼もしい宣言と共に届けた「ex.ガールフレンド」、鐘の音と四つ打ちが心地いい「どうにもならんわ」の2連発! ライブという幸福にとことん満たされる空間を作り上げたmoon dropは、すぐさま鳴りやまない拍手に呼び戻される。アンコールでは「今日出てる全バンド、いつもライブハウスにいるので、また会いに来てください。めちゃくちゃ幸せな時間でした、ありがとうございました!」と告げ、最後の最後に「シンデレラ」を。フロアが揺れるほどの熱狂のまま、『GLICO LIVE“NEXT”』を見事に締めくくった。

STAFF COMMENT

ライブ後は、恒例のグリコのお菓子の豪華詰め合わせ「セレクション・ザ・グリコ」の抽選会&記念撮影でも大盛り上がり!この日のライブの模様は、6月27日(木)24:00~『RADIO∞INFINITY』内でオンエアされるので、そちらもぜひチェックを。そして、気になる次回の『GLICO LIVE“NEXT”』は、ポップしなないで、ポンツクピーヤ、レトロリロンを迎え、7月23日(火)心斎橋JANUSで開催へ。『GLICO LIVE“NEXT”』のHPでは、チケットの先行予約も絶賛受付中です~!