LIVE REPORT[過去のライブレポート]

LIVE REPORT [過去のライブレポート]

2024/09/24(火)@Music Club JANUS

  • 出演アーティスト:osage/チョーキューメイ/muque
  • 取材・文:奥“ボウイ”昌史
  • 撮影:田浦ボン

関西発のライブイベント『GLICO LIVE“NEXT”』が9月24日、大阪・心斎橋JANUSで開催された。前身イベント『GSGP PROJECT』時代より21年、今や日本有数のニューカマーサポートイベントとなった『GLICO LIVE“NEXT”』。今回はosage、チョーキューメイ、muqueと、個性溢れるネクストブレイカー3組が集結。満員のJANUSにテンション高めに登場したFM802DJハタノユウスケにあおられ、会場の熱気もいきなり急上昇!いつも以上に盛り上がった2024年度第3夜をレポート。

osage

Weezerの「Run Away」のSEと大きな拍手を一身に浴びた今宵のトッパーosageは、「今日一日楽しんでいきましょう」と山口ケンタ(Gt.Vo)が投げ掛け、「ニューロマンス」で幕開け。見るたびに洗練されていくサウンドデザインと余裕すら感じる堂々のパフォーマンスであっという間にJANUSを掌握し、同期やエフェクトを巧みに駆使した「フロイト」でも、4人組ロックバンドというオーソドックスな編成で鳴らしているとは思えないレイヤーの音像、情熱的なボーカルで心を震わせる。

「三連休明けの平日にも関わらずたくさんの方が集まってくださって、『GLICO LIVE“NEXT”』に呼んでくださってありがとうございます!異なるジャンルの曲、振り幅のある曲をたくさん持ってきました。最後までよろしくお願いします」(山口、以下同)とあいさつ後は、フィーチャリングに石野理子(ex.赤い公園)を迎え話題を呼んだメロウな「夜煩い」、芯にある歌心とモダンなサウンドのバランスが絶妙な「残り香」と聴かせていく。

「この盛り上がりも全部、カッコ良く送り出してくれたハタノくんのおかげですかね?(笑)すごくうれしいな。今日の3バンドはとってもカラーが違うけど、だからこそやりがいのある日になってます。俺たちらしい曲を聴いてください!」と、ここでメジャーデビュー曲「マイダイアリー」へ。リフレインと共に躍動と感動が増していく渾身の一曲を届け、「何かを求めてライブハウスに来てくれたあなたに向けて俺たちができることは、今日という日を正解に変えることです!」と、インディーズ時代から大切にしてきた代表曲「ウーロンハイと春に」で締めくくる。楽曲で、そのたたずまいで、己のポテンシャルを証明したosageが、「また何回でも歌いに来ます」と、関西のオーディエンスと固い約束を交わした。

チョーキューメイ

麗(Vo.Gt.Vl)が声を上げた瞬間、そのファンタジックな世界に引き込まれる魔法がチョーキューメイのライブにはある。あどけなさと神々しさを行き来するような不思議な歌声、ドラマチックな旋律を奏でるれんぴ(E.Pf)のピアノは、バンドの特異なオリジナリティを印象付けるには申し分なしで、冒頭の「promise you」から、つかの間の非日常へと一気にトリップさせる。9日前に新加入が発表されたばかりのおすず(Ba)の存在感抜群のベースラインがいざなった「たいむかぷせる」でも、チョーキューメイからでしか摂取できない体験があることを、その音楽で鮮やかに見せつける。空閑興一郎(Dr)の緩急自在のグルーヴもバンドのダイナミズムを構成するのに一役買っており、3曲目の「sister」まで見る者をノンストップでクルージングさせていく。

「今日は『GLICO LIVE“NEXT”』ということで、自分が好きなお菓子は『コロン』で(笑)。もう一つ蛇足、私が大阪に来るときに毎回行く『かん しゃ』という服屋さんがあるんですけど、服を買わずにキティちゃんの貯金箱を買ってしまいました。その辺を通りかかったら行ってみてくださいっていう話でした」(麗、以下同)

とりとめもないトークから放った(笑)メランコリーでマッドな「コンプレックス・コンプ」に続いて、聴こえてきたのはシアトリカルなあのフレーズ……!日本のみならずアジア圏でも空前のバイラルヒットとなった「貴方の恋人になりたい」では、沸き立つクラップと共に熱狂と幸福を作り上げる。ラストのはかなきアンセム「落下星」まで全6曲、溢れる才能と個性で魅了し続けたチョーキューメイ。「『GLICO LIVE“NEXT”』、最高だった。ありがとう」との言葉には、そこにいた誰もが共感したことだろう。

muque

SEとシンクロするかのようにtakachi(Track make&Dr)のドラム、Lenon(Ba)のベース、Kenichi(Gt)のギターが合流していく鳥肌モノのオープニングで魅せたmuqueは、そのまま流れ込んだ「Dear,my friends」から静かに力強く疾走。「よろしくお願いします、福岡のmuqueです!」とAsakura(Vo.Gt)が雄たけびを上げ、トリッキーなリフとダンサブルなビートで踊らせた「tape」では自ずとシンガロングが発生。マイクを手に人懐っこく場を巻き込んでいくAsakuraのフロントマンとしての華に見とれながら「456」でも心地良く揺れ、「最高に盛り上がってますね。皆さん自由に体を動かして楽しんでいってください!」(Asakura)とそのままシームレスに「feelin’」へ。好きにならない理由がない楽曲のクオリティとライブの高揚感からは、ネクストブレイクの予感がひしひし伝わってくる。

「僕ら大阪が大好きで、ライブが2カ月空くだけでこんなにも恋しくなるのか(※とは言え今年9本目の大阪公演とのこと)」とMC上手なKenichiは、「メンバーにとってもお気に入りの一曲」とつなげ、FM802の9月度ヘビーローテーションに抜擢された新曲「jabber」をお披露目。クールでアンニュイなトラックで沸かせた後は、現在放送中のTVドラマ『素晴らしき哉、先生!』の挿入歌として書き下ろした「nevermind」へ。「この曲をやるとすごく盛り上がるんですよね」というKenichiのフリにしっかり応えるフロアも分かってらっしゃる!

クライマックスは「my crush」~「Bite you」でぶち上げ、アンコールでは「大阪マジで最高です!またさらにパワーアップして戻ってきますので」とKenichiが告げ、「TIME」でフィナーレ。10月9日(水)にリリースを控える1stアルバム『Dungeon』の収録曲を惜しみなく演奏し、結成わずか2年で『GLICO LIVE“NEXT”』に大粒の輝きを残したmuqueだった。

STAFF COMMENT

「最高やった~!むちゃくちゃ後ろまで手が上がってた」と興奮気味のハタノユウスケのナビゲートで、終演後は恒例の写真撮影とグリコのお菓子の豪華詰め合わせ「セレクション・ザ・グリコ」の抽選会を実施。なお、この日のライブの模様は10月3日(木)24:00~『RADIO∞INFINITY』内で一部オンエア。そして、次回は年に一度のスペシャルバージョンとして、『GLICO LIVE“NEXT”SPECIAL』が11月11日(月)=“ポッキー&プリッツの日”に大阪・BIGCATで開催へ!気になるラインナップは後日発表とのことなので、大いに期待してお待ちを。