![LIVE REPORT [過去のライブレポート]](images/index/lr_r_title.png)
江崎グリコのサポートの元、新しい音楽との出会いをお届けする、関西のライブハウスから発信するをモットーに、前身の『GSGP PROJECT』時代より22年にわたり続いてきたライブイベント『GLICO LIVE “NEXT”』。今年は話題のニューカマー×歴戦のライブバンドという座組で行われてきたが、2025年度の第3回公演には、UNFAIR RULE、Q.I.S.、yutoriと個性豊かな女性ボーカルを擁する3組がそろい踏み。今宵もFM802DJハタノユウスケがナビゲーターを務めた、グッドバイブレーションな一夜をレポートします!

幻想的なSEに導かれたクラップとブルーの照明がJANUSを包み込むなか登場したのは、活動休止中のthe peggiesの北澤ゆうほ(Vo.Gt)が2023年にスタートさせたソロプロジェクト、Q.I.S.(クイス)だ。バンド時代より7年ぶりとなる『GLICO LIVE “NEXT”』のステージで堂々とギターをかき鳴らす姿は、まさに女王の風格。シンガロングがいきなり高揚感を引き出した「TEDDY」や、フックのあるリフの応酬がたまらない「KICKS!KICKS!KICKS!」と、冒頭からソングライティング力の高さを証明。「最後までみんなと楽しく踊って、最高の時間を作っていきたいと思います!」と宣言した後もハンドマイクでぴょんぴょん飛び跳ね、ポップアイコンたる魅力であっという間に見る者をとりこにしてしまう。
「さっき裏で聞いてビックリしたんですけど7年ぶりって……そのときもお菓子をいただいて大満足で帰ったんですけど(笑)、また出られてとてもうれしいです。今日はトップバッターなんで、しっかり皆さんの心に火をつけたいと思います!」
エモーショナルなミドルナンバー「スローモーション」では、その壮大なスケールと切ないリリックに問答無用で引き込まれてしまう。その後も、竹之内一彌(Gt)、わかざえもん(Ba)、岸波藍(Dr)という最強のサポートメンバーとともに、「LOVESONG」~「Queendom(+s)」と新曲を立て続けに披露するなど、ソロプロジェクトとなりより自由になった表現を生かしたハイクオリティなポップソングを連発。「また会えるのを楽しみにしてます!」と届けたラストの「へいへいらぶらぶばいばい」まで、キャリアを重ねさらに輝きを増す進化の過程を見せつけた、圧巻のQ.I.S.だった。

以前より『GLICO LIVE “NEXT”』への出演を熱望していたというUNFAIR RULEは、「大阪、調子はどう?でっかい声を聴かせて!」と山本珠羽(Gt.Vo)が咆哮。ド頭の「気づいてほしい」から気合も熱量も十分で、その勢いを加速させるように「馬鹿みたい」へとなだれ込む!拳が幾つも突き上がったこれぞライブハウスな光景を前に、山本も「初っぱなから最高です!」と喜びを隠さない。
「日本武道館でやるまで好きなものを一つ禁止してるんですけど、私は「スナック菓子」を禁止してるんですよ。裏側の成分表を見て「スナック菓子」と書いてなかったらセーフ。プリッツの成分表は「プレッツェル」なんで、いつもお世話になってます!(笑)今日は関西のシーンを盛り上げたいということで自ら手を挙げました。岡山UNFAIR RULEです、よろしくお願いします!」(山本、以下同)
ちゃめっ気たっぷりのMCでも観客を巻き込み、「バーカ!」~「思い出になっても」と、スリーピースロックバンドの真骨頂と言えるソリッドなサウンドで駆け抜ける!「好きな人の好きな季節が夏で、好きな髪型がポニーテールで。私はそのために髪を伸ばしてます。どうかこの夏が終わる頃、あの人の隣が似合いますように」といざなった「ポニーテール」は、みずみずしい恋心を歌に乗せたサマーソング。バンドの真髄×新曲で多彩に魅せていく。
「今日は平日、いろんな用事があるなかライブハウスに集まってくれてありがとうございました。それが間違いなかったと証明します」と放った「内緒」では、悠瑞奈(Ba)と杉田崇(Dr)のずしりと重たいボトムが物語を支え、最後は「頑張れなんて言わない。一緒に頑張ろう。一人じゃないよ」と「君にさよならを言わない」を。力強いメロディに刻まれた飾らない言葉は、それだけで勇気になる。そんな音楽の力を存分に感じさせたUNFAIR RULEがいつか大舞台に立ったなら、その勇気は何倍にもなって世に降り注ぐことだろう。

エレクトロなSEがやんだ静寂のJANUSを貫いた1曲目の「愛してるよ」から、一気に場の空気をつかんだのが伝わったyutori。「『GLICO LIVE “NEXT”』、私たちが最後ですよ。全力でかかっておいで」と呼び掛けた佐藤古都子(Vo.Gt)は、「君と癖」でもその圧倒的な歌力にオーディエンスは軒並み息をのむ。そこにダメ押しの刺激を注入するド迫力のバンドサウンド……このはかなき轟音を浴びる快感は、yutoriのライブならではだと細胞が何度でも思い出す。
「今日は『GLICO LIVE “NEXT”』というタイトルにもあるように、グリコさんがたくさんたくさんお菓子をくれました。みんなもプリッツいただいた?私はあの味=旨サラダが一番好き(笑)」(佐藤、以下同)と、張り詰めた緊張感がふいにほぐれたトークでも心の距離が縮まる。続いても、豊田太一(Ba)の縦横無尽のベースラインと浦山蓮(Dr)の四つ打ちビートが疾走感をけん引した「純粋無垢」~「有耶無耶」と、スリリングでシアトリカルな熱狂の渦へと引きずり込んでいく。
後半戦は、ひときわポップでメロウな新境地に到達したニューシングル「月と私のかくれんぼ」を皮切りに、内田郁也(Gt)のドライヴするギターに胸が高ぶる「巡ル」、そして、「もし自分の限界を超えて頑張り過ぎちゃってるなと思ったらここに帰っておいで。あなた一人のためにyutoriはずっと音楽をやってるから。元気でいてね」とささげた、メジャーデビューシングルにしてFM802の4月度ヘビーローテーション曲「スピード」で怒濤のフィナーレへ。強靭なグルーヴに潜んだ確かな温もりに、yutoriのトリたるゆえんを見た。
ライブ後は、その大きさにどよめきが上がったグリコのお菓子の豪華詰め合わせ「セレクション・ザ・グリコ」の抽選会も実施。なお、この日のライブの模様は、10月2日(木)24:00~『RADIO∞INFINITY』内でオンエアされるとのこと(radikoのタイムフリー機能で1週間後まで無料聴取可)。そして、次回は11月11日(火)=ポッキー&プリッツの日に、年に一度の『GLICO LIVE “NEXT” SPECIAL』を大阪・BIGCATで開催!後日発表のラインナップは番組及びSNSをチェックして。