Walkin' Talkin' -徒然ダイアローグ-

monday 21:00-22:00 ONAIR

1 week talking

1 week talking

細美武士)出会いは最悪でしたから。初対面が俺の謝罪。
内澤崇仁)それ話しますか(笑)
細美武士)あれは2011か12のROCK IN JAPAN。このイベント、帰りがけに大きなフラッグに全バンドサインするんだけどその年、俺は楽屋の最後の1人になるまでひたすらお酒を飲んでいてベロベロだったの。いわゆる、酩酊状態。帰りがけ、スタッフさんに最後書いてないのは貴方だけですよ、と言われて。正直そのシーンは憶えてないんですが、最後の最後だからフラッグにサインをするところが無いのね。で、the HIATUSの他のメンバーはどこにサインしたのか聴いたらなぜか、andropのサインの周りにサインをしていたの。で、酔っぱらっていたから『じゃあここだろ』ってサインしたところがandropのサインの上で、そこにthe HIATUSって書いちゃったの。それでそのまま帰って寝て、起きて、昨日楽しかったな、飲み過ぎたな、って記憶が断片的に返って来るの。そうしたら『あれ?俺…andropの上にサインしなかったか!?』って。
内澤崇仁)ばっちりサインされていました。
細美武士)完全に上に書いちゃってこれはやばいと。どうしよう…まずは、謝ろう。andropのメンバーに面識無いけど謝ろうと、当時のマネージメントに相談して。
内澤崇仁)で、僕らはヤバイ俺たち何かしでかしちゃったんじゃないのかってなって。何か逆鱗に触れる事やっちゃったのかなと。やっと夏フェス出れるようになったのに...謝罪したいと連絡が来たときも、いや、それはもう罠なんじゃないのかなって
細美武士)でね、androp丁度その時期忙しくて中々会う機会が得られなかったんだけどスタジオに入る時かなにかの時間、この時間がピンポイントで空いてるってタイミングで恵比寿駅の改札出たところでついに。であったんだよね。
内澤崇仁)もう人がバンバン通るところでね。
細美武士)そんな中、『ごめんなさい。』は、きちんと自分の口から伝えられたぞ、さあ次はどうしよう。ってなって、もちろん人生やってしまったことが無しにはできないんだけど、でも出来るかぎりの事はやろうと、今度ROCKIN'ONに言ってその時のフラッグを貸してくれってお願いしたの。借りてポスターカラーと筆と修正液とマスキングテープを用意して
内澤崇仁)え!?あれ細美さんが修復したんですか!?自分のサインを?
細美武士)書いてある自分のサインを消したんだけど、線の重なった部分だけ消せなくて本当にその節は申し訳ありませんでした。ただね、『Things happen for a reason=何事も理由があっておこる』と考えるとあの出来事がなければ例えばこの対談で話したいなっていうような関係になれてなかったし、あと東北ライブハウス大作戦、弾き語りコーナーに来てもらうとかも無かったので出会いは本当に申し訳なかったですけど、あれで繋がれてよかったのかなって思ってます。
内澤崇仁)嬉しいです。今日を迎える事が出来て。

●今後コラボしてみたいアーティスト(内澤)
内澤崇仁)細美先輩ですね。これまでいろんなアーティストに楽曲提供などはあるんですがぜひ一緒にやってみたいです。選曲した曲は、僕が細美さんの声を初めて知った曲。
ジターバグ/ELLEGARDEN(内澤)
細美武士)この曲、車に乗りながらつくったの。歌詞が全くない状態でそれをひたすらリピートしながら千葉から東京に戻って来る間に出来たんだよね。今でも作詞に煮詰まったりすると、流れる景色を見ながらつくった方がいいんじゃないか(と思ったり。)作詞の手法の一つを手に入れた曲だったかもしれない。

●バンド開始の原動力は?(細美)
内澤崇仁)バンドを始めたのはモテたいから始めました?
細美武士)そもそもバンドを始めたのが中学の頃で、夜友達と家を抜け出して公園で遊んでた時にひとりがアコースティックギターを持って来てジャカジャカやり始めてそれから彼の家に集まったりした時に、彼が何かを弾いて、それに併せて歌ってが バンドを始めて行く原点で。だからモテたいじゃなかったかな。でもね、バンドやっても俺、全然モテなかったからね。とにかく学校では嫌われていて。実際俺も嫌い返してたの。だけどバンドをやる時だけ、あんだけ俺の事が嫌いで対立してる連中が学園祭でライブをやっているときだけは、俺の方に笑顔を向けるって言うのに気づいた瞬間があって、何やっても嫌そうな顔しか見た事が無かった連中が笑ってこっちを見てる、バンドやってる時だけ不思議だなって思ったおぼえがあるのでその当時、学園祭で…やったわけじゃないけどいちばん記憶に残っている曲かけよ!
Open All Night/The Georgia Satellites(細美)

●旅に出る時持って行く曲(内澤)
内澤崇仁)旅は苦手です。一人旅とか全然出来なくて、誰か共有する相手がいないと出来ない。
細美武士)バンドを始めると旅ぐらしになるからね。あえてオフに旅に行かなくてもいいかみたいになるかもしれないけど。海外とか行かないの?
内澤崇仁)修学旅行くらいでしか行った事が無くて、それぶりで今年の4月にシカゴにジョン・メイヤーのライブを観に、メンバーみんなで。
細美武士)え!?ライブを見に行ったの?
内澤崇仁)7時間くらいしかシカゴにいられなかったんですけど、海外のライブを初めてそこで観ました2万人くらいのキャパのいちばん後ろで観たんですけど、それでも感動して。あ、こんなにキャパが大きなところでも人を感動させられる事が出来るんだなってその時初めて知って、俺ももっと頑張らないといけないなって思いました
Gravity/John Mayer(内澤)

●FIGHT SONG・いつでも自分を奮い立たせる曲(細美)
細美武士)いろんなパターンがあるなぁ、でも1曲だけ何があろうがその曲を聴けば瞑想状態に入れる曲があって。一時、ELLEGARDENが活動休止になってHIATUSが始まったあたり、それまでと違う事をやらないと意味がないと思ってた頃で、あの頃は割とメンタルが追い込まれてたんだけど、その追い込まれたメンタルをHIATUSのライブの前にフラットに戻すのに、一日20回くらいは聴いていた曲。どこでライブをするにしても、サウンドチェックが終わったらここにいれば心が落ち着く場所を探しに外へ出て。例えば、昔のZEPP OSAKAって近くに海があって、そこまで行って開演近くまでずっと聴いてたの。だからそのTOURは開演直前にならないと俺が楽屋に戻らないからちょっとやりづらかったんじゃないかなって、今になって反省しています。
Hyperballad/Björk(細美)

●人生のターニングポイント (内澤)
内澤崇仁)いっぱいあります。その中でも最近なんですが、僕ら一旦インディーズになったんですよ。自分たちのレーベルを立ち上げて、自分たちの音楽を届けてみようというチャレンジをしよう!と思ったんですよ。良い曲つくって良いライブさえしていれば、きちんと届いて良いものになると思ってたけど、全然違いましたというか。
細美武士)そう?俺は今でも良い曲かいて良いライブがやれれば俺の仕事は終わりだと思ってるけど。
内澤崇仁)それにまつわる事、ステージに立つまでだったりだとか、曲を作るまでだったりだとか曲を作っても届けるまでがあるじゃないですか。そういうところまで、僕、これまで全部他人任せにしてたんですね。だから何かあった時は他人のせいにしていた時期もあったし時間や物や人いろんな物のせいにしていたのがあって。そうじゃなくて全部自分で背負ってやんないと、自分の音楽が届かないんじゃないかなっていうのがあって。だから細美さんが自分で機材を運んで、機材車運転してライブハウスまわったりするのも見てたし、搬入搬出してるのもステージ裏で見てたし、俺、こういうのやらないといけないと思ったんです。あれも一つの自分を動かすきっかけになって、これも音楽だなって思ったんです。鳴らすのが音楽じゃなくて、自分の人生だとか命をかけるのが音楽なのかなって。それをやろうと思ったのが去年で、それがターニングポイントでした。
細美武士)見ててくれる人は見てくれてるんだね。まったく逆の事言う人もいるからね。
内澤崇仁)いつステージで死んでもいいくらいの覚悟をみましたからね、その時。だから俺もそうありたいと思いました。で、その時につくった曲を聴いて下さい
Kaonashi/androp(内澤)

●好きなヴォーカリスト(細美)
細美武士)自分のipodに入ってる、歌っている人はみんな好き。その中でもやっぱりCyndi Lauperなのかな。どんな曲を歌っていても好き。人柄が声に出てるんじゃないかなと思う。人間いろんな側面があるけどあれであの人が悪人だってことはないだろ!って聴いてて解っちゃうみたいなさ、その人そのものがヴォーカルになってるものが好き。自分も歌を歌う人として、いつかあの境地までいって歌ってみたいなと思う人はビョークなんだけど(笑) なんとなくみんな彼女のイメージは『Girls Just Wanna Have Fun』みたいな印象あるかもしれないけど、聴いてもらう曲、こういう曲がすごくいいのよ!この曲は俺の中ではThe Smashing PumpkinsのTodayとかと一緒で、寂しい孤独な傷ついた心に寄り添ってくれる曲。泣きそうになっちゃうような時に聴いて慰められてきたタイプの曲。
Heading West/Cyndi Lauper(細美)

on air楽曲

ジターバグ/ELLEGARDEN
 
Open All Night/The Georgia Satellites
 
Gravity/John Mayers
 
Hyperballad/Björk
 
Kaonashi/androp
 
Heading West/Cyndi Lauper
 

2 week talking

2 week talking

●昔、CDショップでdigって出会った曲(細美)
細美武士)ジャケで出会ったのはBACK TO THE FUTUREのヒューイ・ルイスのTHE POWER OF LOVEを聴きたくて。中学生の頃の行動力って凄いと思うんだけどレコード棚の端からね、レコードの曲タイトルを見てPOWER OF LOVEって曲をアーティスト名が当時は解らないから探して行くの。
内澤崇仁)果てしない作業ですね、アルバム十何曲入っているのに。
細美武士)そう、それを端から探していくの。どれに入ってるんだって。
内澤崇仁)見つかったんですか?
細美武士)見つかったんですよ。あったPOWER OF LOVE!って。でレンタルするんですよ。で、家帰ってプレイヤーでかけて…曲調がどうにも違うのね。あの(ヒューイ・ルイスの)陽気さがまったくないの。もうちょっとROCKな感じで。でもPOWER OF LOVEになれば、陽気になるのかなって、レコードだったから待つしかないのうまく曲間に針を落とせる人はいたけど、俺はレコード傷つけるのが嫌だったからしなかったのね。で、あと何曲だなってワクワクして聴いてる訳なんだよ。そうしたらかかったのがRick SpringfiesldのPower Of Love。そっか、おんなじ曲名って何曲もあるんだって初めて気づくのでも聴いたらこれは名曲だったの。それで大好きになっちゃってお年玉とかでアルバム全部買いました。明らかに自分の音楽に対して影響がある。POWER OF LOVEを聴きたい!と思ったあの行動が今、書いてる曲たちに繋がると思うと物事には運命というのか偶然というのか解らないけれどもというお話でした。
Power Of Love (The Tao Of Love)/ Rick Springfield(細美)

●普段は音楽を聴きますか?街で聴いてこれ誰だろうって探した曲(内澤)
内澤崇仁)僕、普段は音楽を聴かないです。自分でCDを出すようになってからあまり聴かなくなりましたね。研究してしまう自分がいて。ラジオとか流し聴きする方がよくて、自分で意図的に聴いてしまうと研究しちゃうので聴かなくなりました。でもCDは買うんですよ、メチャクチャ。買うんだけど、どんどん溜まっていく流れになっていて。休みがあったらそれを全部聴こうと思っているんですけど、普段は無音ですごしたりしています。でも街で出会った曲はたくさんあって、その時はメモをするようにしていて。
あとシチュエーションでググる。どこどこのお店で流れていた曲みたいな。
細美武士)ググるの?最近はシャザムが早くない?
内澤崇仁)そうなんです、最近はシャザムがあるのでそういうことはなくなったんですけど。そのいろいろメモってる中で、このアーティストのこの曲と出会いました。
細美武士)これはどこで出会ったの?
内澤崇仁)たぶん、ラーメン屋かなんかだと思います。
細美武士)これはじゃあ、次回作にこのテイストいいなと思って聴いたのか
単純にいい曲だなって思って聴いたのかどっち?
内澤崇仁)この感じ新しいな、この雰囲気、今ないなって。研究に近いものがあると思うんですけど。何か作業している時に、それこそご飯を食べているのに耳に入って来て、それを止めて調べたってことは耳を留める系だったんでしょうね。
Houston/ Robert Elli(内澤)
●バンドマンの日常(細美)
内澤崇仁)細美さんってめちゃくちゃ動きまくっているっていうイメージなんですけど。忙しい、止まってない感じ。
細美武士)わりかしバンドマンって忙しいじゃない?
内澤崇仁)忙しいですね(笑)ルーティーンってないんですか?
細美武士)あるよ。走る、筋トレ、あとはボクシングの練習は割と優先順位上の方に上げて、筋トレとかは睡眠時間が30分しかとれなくてもやる。2時間半寝れるって時でも早めに起きて筋トレしたりはします。それは趣味だから、体を鍛えるのは。仕事と思ってバンドをやっている訳じゃないけどスケジュールは結構入って来るじゃん。それに全部飲み込まれるのが悔しい。
それはなんとなく生き方が間違ってる気がしちゃうんだよ。
内澤崇仁)細美さんはThe HIATUSもやってMONOEYESもやって、両方TOURもあるし、両方の制作もあるし、弾き語りもやるじゃないですか。で、筋トレもする…頭の中どうなってるんですか?
細美武士)スタジオを予約したり、レコードを出すとなったらレコード会社とスケジュール立てたり。まあ半年とか1年くらい前からさ、計画をたてるじゃない。その計画をたてる段階で無茶な計画をたててしまう。ガラスの向こうにいるスタッフのみなさんが
『本当に大丈夫なの』『本当に出来るの?』って確認してくれるんだけど、いや出来るでしょ!って。そのスケジュールが実際に来た時はいつも、アホかなこのスケジュールって(と思う)。
内澤崇仁)僕の中で、細美武士ふたりいる説ですよ。絶対無理だろうってスケジュールをこなしている。音楽をつくっている側からすると、このスケジュールはありえないんですよ。
細美武士)最近は来年、絶対新曲はつくらないって思うのね。ボクシングの練習も週2とかでやっぱり行きたいの。それが2週間に1回になっちゃたりしてさ。コーチに『もう来年は(新曲)つくらないから、来年はもっといっぱい練習が出来ます』というと、『それ去年も言いましたよ』って4年連続で言われて。あ、これはいい加減ヤバいなって思ってるんだけど。その趣味の体作りの時に聴く曲
Eye Of The Tiger/ Survivor(細美)

細美武士)そうそう、この番組中に聴きたかったんだけど、趣味とかはあるの?
内澤崇仁)本当にないんですよ。
細美武士)それはバンドが忙しくなって出来なくなったとかじゃなくて?俺は釣りとかも好きなんだよ。
内澤崇仁)ギターが趣味でしたね。
細美武士)それこそバンドマンの日常なにしてるの?
内澤崇仁)なんもしてないです(笑)。僕、家にいます。制作の作業してたり、寝てたりとか、部屋掃除したり。僕、制作してるとめちゃくちゃ部屋が汚くなるんですよね。
細美武士)わかるよ。俺、部屋が綺麗なクリエーターって信用してないから。
内澤崇仁)(笑)。部屋がどんどん汚くなって、部屋にいろいろ転がって足の踏み場も無くなって、ある時にその転がっているものがヒントになって歌詞が出来たりする瞬間があって、このために汚くしてたんだなって。
細美武士)ほらやっぱり物事は理由があって起きる。

●眠れない夜にふと聴きたくなる曲(内澤)
内澤崇仁)眠れない時ってありますね、色々考えているとザワザワして眠れなくなる事が。ライブ前とかも眠らなきゃ声が出ないぞって思った時は音楽を聴きますね。一番始めに音楽はじめるきっかけにもなったというか、自分で音楽をつくるきっかけになったのも自分が寝れるような曲をつくろうと思ってつくったんですよ。当時、眠れる曲がなくて、じゃあつくればいいやと思ってつくろうと思ったのがきっかけだったりもするので。シ〜ナナナナ〜〜ナナナナナ〜って曲。
細美武士)ちょっと待って。シャザムするから歌ってて。・・・結果無し。
内澤崇仁)でしょうね!笑 じゃあそれじゃなくてFiona AppleのI KNOWお願いします(笑)
I KNOW/ Fiona Apple(内澤)

●自分の場所、ライブハウスの思い出(細美)
細美武士)中三か高一の時、ライブハウスに行ったら、結構上の代の先輩、東京とかで当時それなりに活動していたんじゃないかな、その先輩達が久々に地元に帰って来てて。日本酒一升瓶飲んで大暴れしてたの。すごいなと思って。楽屋とか入れてもらって、制服でいたら同級生がドタドタドタって入って来たの。そいつメガネかけてたんだけど、メガネ粉々に割れて、血だらけで入って来たの。『どうしたんだ!』って聞いたら近くの公園でね。他の高校とケンカになったって。で、どうするどうするってなった時、先輩達もいるしライブだからいいんじゃないのって。そいつのケガの手当ぐらい、まあ血を拭くくらいのことをしてたら、その一升瓶を飲んでた先輩がどうしたんだ!って話になって。実はこうこうこんなことがありましたって説明したら俺たちとその東京から帰って来た先輩の間の先輩達がしばかれだしたのね。『お前ら!なんで後輩がやられてるのにこんなところでへらへらしてんだ!』で、行って来い!って言われてみんなでその公園に向かったっていうのがあの時の興奮、もうこれ・・・まじおもしろい!ただね、その先輩が俺たちに怒るんじゃなくて、その一個上の先輩を『後輩達がやられてるのに』って怒ってるのが、いいなって思ったというか、嬉しいなというか。ちゃんと先輩が先輩でいてくれる。その大事な事をちゃんと代々上から教わって行くって言うのがライブハウスの中にはあって、ただ音楽を聴きに行くじゃ無かったから。そこに来る後輩達に、大切な事を俺たちがずっと渡して行きたいし、ミュージシャンになって今、ライブハウスに来てくれる下のヤツはなんとなく同じライブハウスにいる後輩みたいな感じもある訳、例えばチケットを買って見に来てくれてたとしてもね。そういう教わって来た事を教えて上げたい。全国TOURをやっていたとしてもそんなことをよく考えるんだよね。じゃあ当時、コピーしていた曲。まだ俺はその時、サイドギターでしたね。
カメレオン/ The Street Sliders(細美)

●デビュー前、こんなのしてた(内澤)
内澤崇仁)結構しましたよ。常にバイトを掛け持ちするようにしてて。バンドもやってたので、そっちを最優先にしたくてバンドをやるために青森から上京してきたので、バイトにスケジュールをつぶされるのは絶対いやだったので。掛け持ちする事によってバイト先の人に『あ、すみません、この日、もう一つのバイトなんで出来ません』っていう口実をつくりたくって、その口実をつくってライブしてました。
細美武士)どっちにも言ってライブをするんだ…。それライブをするんで休みますじゃダメだったの?
内澤崇仁)音楽をやってるっていってなかったんですよ。中学校の時にギターをやってることを誰にも言わなかったように、僕、誰にも音楽をやってるって言ってないんです。バンドやってると、偏見の目で見られるのが嫌で例えば不良だとか、バイト休むだとか、そもそも雇ってもらえないとか、髪が長いだとか、髪切れとか、全部音楽に紐付けていわれるのが嫌で。僕、親にも言ってなくて。音楽やってるって。就職で東京に行くって言って。
細美武士)もうそれ徹底的に隠してたんだ。
内澤崇仁)はい、同級生とかの集まりでも、フリーターで通して。将来何やりたいの?って言われても、さあなんだろうねって答えてました。
細美武士)でもファンとかにはさ、いっぱい知ってほしいんでしょ。
内澤崇仁)でも僕ら最初、顔も名前も全く出さないで音楽やってたので。
細美武士)そうなの…。どういうこと?
内澤崇仁)CDだけ出して、何人組だとかどんな人がやってるとか出さないで音楽やっててCD出したんです。僕、極度に言われるのがめんどくさくて、いろいろと。
細美武士)でもCD出すぐらいならいいんじゃないの?
内澤崇仁)音楽で判断して欲しいっていうのもあったりだとか。どこまでいけるのかだったりとか知りたかったんです。
細美武士)じゃあライブはやらないってこと?
内澤崇仁)ライブはやってたんですけど、名前とかどんな人がやってるかとかはライブ会場に来ないとわからない状態でした。
細美武士)そんなの、誰がどうやって観にいくんだい?andoropのライブですっていうのは告知するの?でも、行ったらどうなってんの?
内澤崇仁)行ったら、4人組の人がやってるんだ。だから僕らが最初にステージに登場してもスタッフの人が楽器チェックしてるんだって思われる状況で、最初の頃はライブをやってました。
細美武士)えー!!…ん?!これは3週かけて解明するね。で、バイトは?
内澤崇仁)深夜のコンビニと、お昼は個人経営のお店を探すようにしてました。やったのは、レンタルビデオ屋さん、街のカメラ屋さん、工場で働く。おもしろかったのはシャンパンの蓋をする工場があって、たまに蓋、栓が出来てないのがあったら走って行って栓を無事にするみたいな。
細美武士)バンドマンいっぱいバイトするよね、休めないといけないからね。俺もバンドマンやりながらバイトしてたけど、一回バンドやめて就職するの。でもまたバンドに呼び戻されるの。普通に会社員なのにライブの日に休まないと行けないから、もう風邪ひきましたって言うしか無かったなぁ。でもバンドで契約が決まって会社やめる時に実はこうこうこうだったんですって当時の課長か主任かな、話したら『あ〜だからお前時々、朝電話してきて休んでたのか』って。『そうなんですよ、すみませんでした。』って、今でもその上司からは連絡が来たりして。昔どこどこで世話してましたって文面で連絡が来るおもしろい人なんだけど。
内澤崇仁)しっかり筋通してるっていいですね。
細美武士)あのさ、全然曲に行く気配がないんだけどさ。例えばコンビニだったらさ有線流れてたりするじゃん。40分に一回くらい同じ曲が流れて来るやつ。それを2ヶ月くらい聴いてると憶えちゃうの。
内澤崇仁)ありますよ。僕、それでELLEGARDENのジターバグ知りましたもん。
細美武士)あ…そうなの、そうだったの。
内澤崇仁)それとアヴリル・ラヴィーンとか、その時のチャンネルとか憶えてます。
細美武士)じゃあ、SK8ER BOI?違う?それかComplicated?
内澤崇仁)・・・。
細美武士)ニャニャニャ〜ニャニャニャ〜Complicated〜♪
内澤崇仁)あ!!それです、それお願いします!!
Complicated/ Avril Lavigne(内澤)

on air楽曲

Power Of Love (The Tao Of Love)/ Rick Springfield
 
Houston/ Robert Ellis
 
Eye Of The Tiger/ Survivor
 
I KNOW/ Fiona Apple
 
カメレオン/ The Street Sliders
 
Complicated/ Avril Lavigne
 

3 week talking

3 week talking

細美武士)なんか8/23にNEWシングルが出るとか?今、紙資料があるけど、1曲目、SOS、2曲目、SUNRISE SUNSET、他収録予定って、あんまり見た事ない紙資料だね。
内澤崇仁)今、絶賛制作中なんですけど、細美さんも制作のギリギリまで粘ってつくる方ですか?
細美武士)すごい粘るし、昔はそれでさらにそこから押して発売も延期になって、TOURも組んでたやつ全部ばらしてとか、あとは新譜のリリースツアーなのに新譜がツアーの真ん中くらいまで出ないとかありましたね。
内澤崇仁)その日に間に合わすより、絶対にいいのが出来るまで譲らないぞって。
細美武士)そうそう、正直いつできるかなんて解らない訳じゃん。これぐらい時間があれば出来るかもってスケジュール走り出すけど、やってみて出来なかったらそれはしょうがないじゃんって、ずっと思ってやっている。歌詞なんて1日に3曲出来る時もあれば、10日経っても1行も進まない時もあるじゃん。だから、この新譜はちゃんとミュージシャンやってる証拠だよ。紙資料に他、収録予定って書いてあるのは、〆切ありきでこの人は産業でやってる訳じゃないんだって。
内澤崇仁)もちろん〆切は守りますけど、どうしても出来ない瞬間ってありますよね。
細美武士)じゃあ今日の1曲目はこの新曲いきましょうか。
.SOS! feat. Creepy Nuts/androp(内澤)

細美武士)…えぇー!?
内澤崇仁)ツァラトゥストラは去年からパブリックドメインになりまして、それをサンプリングしました。
細美武士)俺、スタンリー・キューブリック(監督)好きでさ。ここまで吹っ切れたらいいよ!シングル切ったって事はアルバムつくってるの?
内澤崇仁)年内には出したいなと。
細美武士)え!?結構厳しくなってきてるんじゃないの!?
内澤崇仁)細美さんは最近は?
細美武士)これ収録してるからだけど、今、TOURがスタートしています。で、昨日までスタジオリハーサルやってて、ようやく譜面を見ずにやれるようになってたんだけど…俺たちバラード無いんだねって、俺たちもフロアもだからしっかり走り込んで行こうかなって。
内澤崇仁)フェスに行く途中、車で走ってたら細美さんが走ってるのを見て。で、会場に着いて話した時に、その会場まで走ってるって。
細美武士)走って行けるところは走って行く。移動の車で途中でおろしてもらうの。カーナビとかで残り8kmとか出るじゃん。じゃあおりますって。ライブの前に一汗かいたほうが楽なんだよな。その日、初めて息きれるのって辛いじゃん。一回息あげといたらライブ中、ずっとMAXでいける。
内澤崇仁)ライブ前も動かしてますよね。
細美武士)ミット打ちとかね。コーチが来てくれたりしたらやってるよ。
内澤崇仁)ステージ裏でやってるの見て、結構衝撃でしたね。
細美武士)昔、SNAIL RAMPの竹村さんがELLEGARDENとSNAIL RAMPで対バンした時に、客席にヨガマット敷いてすごい柔軟をしっかりやって、肘打の練習をシュパッ、シュパッって始めたときに竹村さんすげぇなぁ!ライブハウスで練習するんだって。気づいたら俺もライブハウスでボクシングの練習するようになってさ(笑)
折角なんでここではMONOEYSの新曲聴いてもらおうかな。
内澤崇仁)MUSIC VIDEOのFree Throwかっこよかったです!
細美武士)実はね、もう1本あるんですよ。これ収録だけどON AIRの時には解禁になってて。ジェレミーさんっていう海外のリリックビデオのクリエイターにお願いしてつくってもらったビデオがあるんだけど、それをかけよう。
Two Little Fishes/MONOEYES(細美)

細美武士)ジェレミーさんはDJ Snake ft. Justin Bieberをやってる人。この人のビデオを見て、こういう人につくって貰おうと思ってメールでやり取りしたんだけど。
内澤崇仁)アルバムで3曲、MVつくったってことですか?
細美武士)シングル合わせて3曲つくれてよかった。最初はね、生臭い話をすると最近のメジャーレコード会社もそんなにレコードが売れないから、あんまりビデオとかにお金を使ってくれないじゃない。いや、言葉悪いけど、お金が限られてるじゃん。
だから1本、普通にビデオ撮りたいからとって1本、リリックビデオだったらそんなにバジェット(予算)かからないんじゃないって発想で頼んだら…、すごい高かった。でもね、つくってよかった。
内澤崇仁)そういう人ってどうやってオファーするんですか?
細美武士)最初、ユニバーサル、まあユニバーサルの中のEMIに所属してるんだけど、この人につくって貰いたいんだけどってお願いしたらパイプが無いですって言われて。いやパイプ無い訳ないでしょ、だってユニバーサルって世界の会社じゃないですか、そうしたら、あー確かにそうですねって、そこから辿ってもらったら繋がって、それでやってもらいました。
内澤崇仁)HIATUSの時もそうじゃないですか。エンジニアだったりMIXやマスタリングも。それも、細美さんがメール送ってやりとりしたって本当ですか?
細美武士)HIATUSのいろんな海外の人にやってもらった時は、言ってみるのはタダじゃないっていう。最近、みんなSNSやってるから接触は出来る訳じゃない。とにかくなんとかメッセージを送ってみて、そしたらいろんな人が割とやってくれたっていう。
内澤崇仁)そういうの凄く刺激になって、僕が憧れている人たちと仕事をしている、みたいな、すげぇ!みたいな。そういうので夢をもらうといいますか。
細美武士)そっか、全然気づいてなかったけど、そんな風に見えるんだね。

●リラックスソング(内澤)
内澤崇仁)リラックスしたい時はシャワーを浴びますね。シャワーの音を聴いていると、メロディーが浮かぶ瞬間があって。
細美武士)わかる!それみんなそうだよ、あの音、倍音を拾うので、耳が。曲を聴いてたり、ギターを弾いたりした後、旋律を探してる訳じゃん。それでシャワーのあの水の跳ねる音、倍音の中にはたくさんのメロディーがあるから。欲しかったメロディーがそこからピンっと引っぱってくるんだよ。
内澤崇仁)僕もシャワー浴びてて曲が出来る事って多かったりするんですよね。リラックスしつつも探しつつな感じでよく浴びますね。そんな時に聴くのはSigur Rosですかね
Untitled/Sigur Rós(内澤)
細美武士)俺がリラックスするときは、海外に行くときかな。年1で海外に一人旅するんだけど、その時はね、すごいリラックスする。話し相手もいないし、仕事もないし、観光地をめぐる訳でもないの。地球の歩き方と航空券しか買わないから、その土地にいってから宿探すし夜便とかで着いちゃったら宿探すの大変だったり、危険な地域もあるから。で、やっと宿に着いてリュックをおろして、その初めて行った国のその日に見つけた宿で、ビールを頼んで出てきた時。その一杯を飲む時に、本当にリラックするの。日常のなにもかもが無くて、目の前の一杯のビールと俺。それ以外なにもなくて。渋谷のバーで頼むのと、カンボジアのバーストリートにいってまったく何も知らないところでビール飲むときは、ミュージシャンとかじゃなく1人の人間として居るあの瞬間がすごいリラックスできるかな。

●歌い継ぎたい名曲(細美)
細美武士)これはすごいシンプルにこの曲かな。出会いはやっぱり映画。リバー・フェニックスが出てるやつで、最近見返す時があってさ。監督がね、撮影時のお話をしているものを見て、リバー・フェニックスが学校の先生に裏切られたということを旅の最中に告白して感情が爆発して泣き出すシーンがあるんだけど、少年の演技にしてはすごいのよ。そのシーンをどうやって撮影したかっていうと最初何回テイクを重ねても、やっぱり感情移入がしきれなく台詞をよんでいるだけだったんだけど、監督がリバー・フェニックスに『これと同じ経験は君に無いかもしれないけど、自分が大人に裏切られた時の事を思い出して演じてくれ。それがどういうシチュエーションで裏切られたかは私に言わなくていい。』そうしたらあの爆発するシーンが撮影出来たっていうのを見たりして、なんか映像の現場も凄いなと思って。で、今見るとあらためて素晴らしい映画だなって。当時自分が若かった時に見たよりも、今見返すと凄い素敵な台詞がたくさんあって、名作だなと思います。またね、この曲の歌詞が“君がそばにいてくれたら僕は大丈夫”ものすごいシンプルな歌詞なんだけど、こういうことを歌うのは大事だなって思うのよ。本当の人間の奥底にある感情って、割と裸にしていけば実はそういうすごい誠実でまっすぐな言葉であたたかなものだったりするじゃない。その芯の部分を歌っている歌ってどんなものでも素晴らしいなって思うの。こういう歌詞を書きたいですね。
STAND BY ME/BEN.E.KING(細美)

●子供の頃の夢(内澤)
内澤崇仁)僕は漫画家になりたかったですね。
細美武士)俺もね、一緒!小学校5年。
内澤崇仁)僕もそうで、小さい頃から描くのが好きで。父親がデザイン系の仕事をしていて、家に雲形定規とかいろんなペンとかあって、そういうデッサン系のものをつかって絵を描くのが好きで。その中にあったすっごい細いペンで、すっごい細い迷路を描くのが僕好きで、それが模様になるっていうのを保育園の頃からやっていて。
細美武士)保育園から!
内澤崇仁)うちは共働きで、保育園でいつもお迎えが一番最後になって。だから1人になったら迷路を描き始めて、その迷路が花の模様になったりとか、車っぽくしたりとか。大きくなるにつれ漫画家になりたいなって気持ちが芽生えてきて、ケント紙買って、コマ描いて、そこに色々漫画とか描いていって。
細美武士)最初鉛筆で下書きして、顔描く時は卵にして十字にして。
内澤崇仁)そうそう、こっち向きだなってやって、Gペン買って。
細美武士)集中線引いて、スクリーントーン貼って。
内澤崇仁)詳しいですね。スクリーントーンは1枚300円だからお金無くて。
細美武士)描き上げた作品とかあるの?
内澤崇仁)ありますよ。
細美武士)えー!!それandropのサイトにアップしようぜ!どんな作品なの?
内澤崇仁)何作かありまして、剣道漫画。
細美武士)えーー!!描ききったの!?
内澤崇仁)はい、大会に出るまでとか。
細美武士)どこか(出版社)送ったりしたの!?
内澤崇仁)送らなかったですね。田舎だったんでどうしたらよいかわからなくて。
細美武士)完全に夢を追っかけてるじゃん。ちゃんと漫画家になる夢。
内澤崇仁)でもそのあとギターを手に入れて、あ、こっちのがおもしろい!ってなりましたね。
細美さんは描いたんですか?
細美武士)内澤の話聴いてたら、俺、1mmも夢追ってないから。
CHA-LA HEAD-CHA-LA/影山ヒロノブ(内澤)

●だから世界はすごい!日本人では思いつかない発想、衝撃を受けた曲(細美)
細美武士)自分が日本のシーンで音楽をやってる感覚はなくて。ただWORLD WIDEにこの曲は名曲だなって思う曲があって。プログレッシブ・ロックの人がつくった曲で、Tubular Bellsって曲があって。聴きながら説明するけど、エクソシストのテーマソングでみんな知ってるかと思うんだけど。長い曲だからとばしつつ紹介するけど…後半こんな風にかわるのさ。
内澤崇仁)これ同じ曲ですか?
細美武士)このフレーズになってから、同じフレーズをいろんな楽器でなぞってどんどん増えていくの。その度に楽器の紹介が入るの…ベースギター!とかマンドリン!とか。当時のプログレッシブ好きで、みんなエクソシストでこの曲入るけど、Tubular Bellsってそうじゃないんだよ。これすごい名曲だから。ちょっとプログレッシブ・ロック聴いた事ない人はきちんと聴いてみるのもおもしろいんじゃないかな。
内澤崇仁)前半だけのイメージしかなかったです。
細美武士)今のROCKのフォーマットと違う音楽もオススメです。
Tubular Bells/ Mike Oldfield(細美)

on air楽曲

.SOS! feat. Creepy Nuts/androp
 
Two Little Fishes/MONOEYES
 
Untitled/Sigur Rós
 
STAND BY ME/BEN.E.KING
 
CHA-LA HEAD-CHA-LA/影山ヒロノブ
 
Tubular Bells/ Mike Oldfield
 

4 week talking

4 week talking

●初めて自分のお金で行ったライブ(細美)
細美武士)残すところあと2回、寂しいですね。
内澤崇仁)意外とあっという間ですね。
細美武士)5時間も話せばやっぱり仲良くなるよね、もしくはすっごい仲悪くなるか(笑)
内澤崇仁)初めて自分のお金で行った最初のライブってなんですか?
細美武士)なんだろ。あ、RED WARRIORSの西武球場公演。1000円だったの。
内澤崇仁)ええ!?
細美武士)RED WARRIORS、結構破天荒なタイプのミュージシャンで、誰がそれを思想してたのかわからないけど、西武球場で1000円って何人入れても赤字な訳ですよ。そのライブの最中に『今日もお前らの後ろの方に汚ねえ大人が座ってるけど俺たちはあいつらの言いなりにはならねぇ。いいだろ、1000円でライブ見れて』って言って雨の中ライブやってたんだけど。だからチケット代が安いんじゃないんだけど、もしかしたらそういう姿勢ってかっこいいなっていうよりは、そういうことをミュージシャンがやっていかないと、どんどん産業にのまれて行っちゃうからって気分はあったかもしれない。そのライブに行ったのは高校1年の時だったかな。
内澤崇仁)自分でそのチケットを、1000円だから買おうって思ったんですよね。
細美武士)1000円じゃなきゃ買えないし。俺、千葉の田舎だったから、西武球場までの電車賃もあるし。あれが2000円だったらたぶん行ってないかもな。で、雨降ってる中、ビル・ローレンスのシングルコイル1個しかないギターをshakeさんが、ずっとライブ始まるまで、いや始まってるんだけど、延々ひとつのフレーズを弾いてるのさ。ただそれだけですごいワクワクするのさ。
そこからライブがドカーンと始まって、かっこよかったな。
バラとワイン/RED WARRIORS(細美)
細美武士)のちの福岡でshakeさんと対バンした時にはもう!!RED WARRIORSのファンの人は知ってるんだけど、shakeさん荒くれもので有名だったから打ち上げのときに恐る恐る隣に座ったんだけど。すごい好きですって話して、そこから随分お会いする機会なくて、1・2年くらい前にばったり会って憶えててくれて、『あの時好きって言ってくれたよね』って。あぁ嬉しいなって。

●ありがとうを言いたい人(内澤)
内澤崇仁)いっぱいいますよ、自分の力で生きてない感じがものすごいするので。
細美武士)せっかくだからこの番組で、直接は言いづらいけど、本当はありがとうって思ってるんだぜって。
内澤崇仁)親もそうだし、メンバーもそうだし、スタッフもそうですけど、 僕、言いたくても言えない人がいて。もう亡くなってる人で、僕はandropをやるまでボーカリストじゃなくギタリストだったので、andropやるようになってからちゃんと歌をやるようになったので、その間にボイトレの先生についてもらったことがあって。インディーズのアルバムを出す直前に亡くなってしまったんですけど、その人のおかげでちゃんと歌を歌わなくきゃなって思って、andropのボーカリストとして歌おうと思ったんですけど。その人に出会うまでは歌はうまい人が歌えばいいし、自分より歌がうまい人たくさんいるから いざって時は僕、ボーカルじゃなくて誰か歌がうまい人をバンドに入れて、やればいいやっていうスタンスでやってて。その人が『自分にしか歌えない歌があるんだ』とか『お金儲けで歌を歌うもんじゃない』とか 『長く歌を歌っていかなければならない』とか。 ボイストレーニングの時間は、発声練習とかではなく全て精神論だったりとか人生論とかを教えてくれて。だから歌が大事なんだ、だから歌わなきゃならないんだって教えてくれた人で、その人のおかげで歌うようになって。アルバムをインディーズで出せますってなる2ヶ月くらい前に病気で亡くなってしまったので、せっかく頑張って歌入れして色々教えてもらって、やっと出せましたっていうことを伝えられなくて、聴いてもらう事が出来なくて。 それがすごく悲しかったけども、その人は今でもずっと見てくれているような気がしていて、その人にずっとこうありがとうを言いたくて。今も歌っている。 ちゃんとしなければと思えるようになっている。その人にありがとうを言いたいのですが、いつか言いたいなと思ってます。
細美武士)すばらしい先生だなと思って。もし俺がボーカルスクールをやったら同じことをすると思うのね。 ピッチあてるやり方とか発声とかは結構どうでもいいじゃない。 そうじゃなくて、そういうことを教えて、それが内澤の中に今も生きていて。 その先生は内澤が歌う度に生きていて、それってすごい素晴らしい事だなって思った。 それじゃあその先生に聴いて欲しかった最初のインディーズの曲を聴いてもらおう。
内澤崇仁)そのインディーズアルバムの1曲目の曲を。
Roots/androp(内澤)

●MY SUPER HERO!(細美)
細美武士)サーキットで世界チャンピオンになりたいって思ってバイクのロードレースを少しやってた時期があるんだけど、その時の先輩は本当に憧れてたね。
内澤崇仁)生き方ですか?それともテクニック部分?
細美武士)生き方っていうか人としてのあり方、先輩からしか学べない部分ってあるじゃない。ある日、練習走行に行く時に、先輩の革ツナギを借りたわけ、俺が持ってたツナギはスライディングパットがちゃんと付かないヤツで。お金も無かったし、その先輩からカドヤの赤白のすごいかっこいいツナギを貸してもらって、練習走行を終えて。夏場だったんだけどメチャクチャ暑いのよ、あの革ツナギ来て夏場フルフェイスかぶって走ってるの。で、ピット戻ってヘルメット置いて、暑いってツナギを脱ぐ時に汗でさ、ぴったり内澤側貼り付いているの。それを自分の革ツナギ着るのと同じように雑に引っぱって、腕とか引っこ抜いて脱いで、その日、帰って先輩にありがとうございました。って返したの。で、今度先輩の練習走行についていってピットクルーをやって。その先輩が練習走行終わってピット戻ってきて、暑い暑いってツナギの上脱いだ時に、ツナギの中が見えたら俺の安いツナギにはついてないんだけど、先輩のにはインナーメッシュがついてて。俺はそれが何なのかわからないから、脱いだ時にいろんなところのインナーメッシュを引きちぎってたの。でもその先輩は一言も俺に怒らずに、何も言わずにそのツナギを脱いで暑い暑いって脱いだそのツナギの影に、そのインナーメッシュを先輩が手で縫って直したあとが見えたの。おっかない先輩なんだよ。それを発見してやべえって。自分だってすぐわかる訳じゃん。だから先輩のところにすぐにいって『すみません、そのメッシュ破ったの俺ですよね』っていったら、あ〜、うんうん、あ〜うんって言ってどっか行っちゃって、怒ってるのかなって思ったら、5分くらいいなくなって。そうしたら缶コーヒー2本買って来て、1本俺に『ほい』って渡されて、それで終わりなの。いろんなやり方がある訳じゃん。その先輩はツナギが返って来た翌日には気づいて『おい武士ちょっと来い』ってヤキを入れる事も出来る訳。お前人から借りたものを大事にするんだぞって痛い目して教えてくれるパターンもあるけど、それよりも俺はメチャクチャ反省したの。俺もまだマネできないんだよ『俺ですよね』って言ったあの時の“うん”を3回いったんだけど、缶コーヒーを買いにいった、あれはまだマネ出来ないすごいかっこいい先輩。じゃあロードレースで思いつく曲。
Riding High(汚れた英雄)/ Rosemary Butler(細美)

いや!曲変えよう!!サーキットの映画でパッと浮かぶのは1つしか無かったんだけど、その主題歌を歌っていたRosemary Butlerの他の曲にしよう幻魔大戦っていうアニメ映画があって、それの主題歌が俺ものすごく好きでアナログで子供の頃買って、大好きで聴いてたんだけど。作曲がキース・エマーソン。シンセサイザー奏者の草分け的存在で。こないだHIATUSの作曲でプリプロ入ったんだけど、年末に新曲披露したいねって。その時にこの曲をメンバーに聴いてもらって。キース・エマーソンって曲の中で移調をすごくするのよ。めちゃくちゃ移調するのにメロディーが綺麗に。昨今のアニメソングってすごく移調するじゃん?ああいう移調したなって感じじゃなくて、すごくうまいこと移調するの。で、俺が伊澤一葉にお願いしたのが、こういう進行をつくってくれって。俺絶対つくれないから。でも1回やってみたいの。あっちこっちにルートキーが飛ぶんだけど、メロディーが一本綺麗に歌いきるみたいな曲を
いつかつくってみたくて。次のHIATUSでは必ずチャレンジしてみたい部分ですね。
光の天使(CHILDREN OF THE LIGHT)/ Rosemary Butler(細美)

●今まで見た中で神懸かっていたライブ(内澤)
内澤崇仁)海外のアーティストで大きいところとかを回っている人って、全世界同じセットリストで時間もぴったり決まっていて、最低限のクオリティー担保しているライブっていうのは、観ていて本当に素晴らしいなと思うんですけど、神懸かっていないというか、それはもう当たり前としてプロとしてやっていて、それに感動するというのはあるんですが。ちょっと前に羊毛とおはなの追悼ライブをされた時に伺ったのですが、もう女性のおはなさんは亡くなられているのですが関わりのあったアーティストが出演したり、一緒になって音楽を演奏しているステージを観ていて、音楽って亡くなった後も演奏されて人に感動をあたえられるんだっていうのを知って、自分も涙が出てきたというか、神懸かっていたというか、すごくに心に来たライブでした。
ただいま、おかえり/羊毛とおはな(内澤)

細美武士)レコーディングしててさ、マイクの前に立ってレコーダーが回って、さあ歌を入れようと思った時、時空を超えるじゃない、今歌った歌が。物理的な距離もあと時間的制約も飛び越える訳じゃん。もしかしたら50年後、100年後、今、このラジオを収録するのに関わってる人たちは全員もうこの世にいない時でももしかしたら聴いてもらえる訳じゃん、俺たちのレコードとかね。だからそういう風に、もう俺がいない時代・世界、俺がいけない世界の誰かが聴くんだなっていつも歌を歌う時に思うんだよ。誰がこの歌を聴いてくれるんだろうって思いながら歌うんだよね。無いその感覚?
内澤崇仁)僕は、100年後とか考えて歌った事は無かったですね。
細美武士)だから、今この世にいないあなたへ、みたいな感覚にちょっとなる。
内澤崇仁)ずっと残ってもいいものにしようとは思っています。
細美武士)俺たちがつくってるものって再生ボタンがついてるものじゃん、それが凄く好き。
そのまま置いておけない。再生ボタンを押すと、その作品を収録した時のその時間が再生される訳じゃない。それが素晴らしいなと思うんだよね。例えば、悪い意味ではなく、初音ミクのようなボカロとかって再生ボタン押さないでもプログラミングで走らせられるじゃん。それの良し悪しじゃなくて、単純に俺たちは時間が有限で限られていて、1年後に同じ声は出ないし、昨日録った歌と今日録った歌って絶対変わっちゃうじゃない。その儚さを持っているという意味では、ちょっとボカロに対して『いいだろうお前達』って思うの。俺たちは有限なんだぜっていう感覚があります。
内澤崇仁)生だから、儚さ故の美しさってありますよね。
細美武士)デジタルで音楽を残す、元々アナログだったじゃん。山崎洋一郎が上手い事言ったなと思ったのがCDになった時、僕はすごい嬉しかったって何で?って聴いたらアナログを何千枚も買ってきたレコードオタクな訳じゃない。だけどいつもレコードを買ってきて再生する1回目の音が1番良いっていう現実が嫌だったんだって。かける度に針で削られていくから、音が悪くなっていく、悲しくてしょうがなかったって。だからそういう意味ではデジタルで音楽を録ることになった。もちろん完全にイコールじゃないんだけど
デジタル0と1に変換されてしまってはいるんだけど変わらず再生ボタンを押す度に聴けるっていうのは素晴らしい事だなって思うね。
内澤崇仁)“再”び“生”きる、ですもんね。
細美武士)英語だとPLAYだけどね(笑)

●これぞ名盤!今でも自分のバイブル(細美)
細美武士)このテーマって結構さ、過去からも紹介していて、だいたい WeezerのBLUEとか、Third Eye Blindの1stとか、björkだったりとかになるから そことはちょっと違うけど、自分の中ですごく大事な曲。 マグノリアって映画があって、 診断を受けた訳じゃないけど凄く陰鬱としていた時、 何かとにかく答えを見つけないと自分が壊れてしまうような、 拠り所になるような物事の捉え方、何処かに無いものかってもがき苦しんでた時に マグノリアを見て、本当に人生を救われちゃったの。 だから1本の映画とか1曲とかで人の人生がガラッと変わったり救われたりするのは 自分が体験を持って知ってて。 このマグノリアが俺にとってそういう映画だって言って人にすすめたところで 半分くらいの人は、え!?どうしてこの映画でって思うような映画なのよ エンディングもすっとんきょうだしさ。 でも俺なりの解釈をした時、ようやく目の前の雲が晴れた瞬間があって。 そのマグノリアって映画は全編、Aimee Mannの曲で彩られているのね。 on airするWise Upがメインテーマで、 人が生きていく中でどうしても訪れる悲しい事や、 あとは人間だから、まっすぐ生きれなくて欲望に負けたりとか 隠してしまいたい過去、消し去ってしまいたい過去みたいなものに縛られまくっている訳なんだけど、 それに対して大丈夫だよ、頑張って、みたいな方向でそんな簡単に人は乗り越えられないじゃない。“it’s not going to stop(これは終わらないのよ、あなたが賢くなるまでは)” そこまでだったら書けるんだけど、一番最後に“あなたが賢くなるまで終わらないのよ、だからもう諦めなさい”って言うの。
内澤崇仁)諦めなさいって言うんですか、なにか許される感じがしますね。
細美武士)もう俺にとってはハンマーで横から大振りで殴られたみたいな。“so give up(だからもうもう諦めなさい。 あなたには無理よ。真っすぐ生きることなんて。)“みたいな事を言われないと人は立ち上がれないから。 素晴らしい歌詞だなと
Wise Up /Aimee Mann(細美)

●美味しいお酒バンドマンの打ち上げってどんなの?(内澤)
内澤崇仁)思い出深いのは、橋本塁さんの写真展の時に細美さんがもう酔っぱらっていて。 そのイベントで細美さんがシークレットライブをやるって時に 細美さんが結構お酒を飲まれていまして、 シークレットライブが終わった後に『おいandrop!お前らもなんか出来るだろ!』って 引きずり出されてアコースティックライブをやったのが人生初めてのアコースティックライブだったんですよね。 そこからOUTERMINDとか誘って頂いて、正式に人前でアコースティックライブが出来るようになったんですけど。 それがある意味、僕にとっての美味しいお酒の席だったというか、 ありがたいお酒の席でした。 その時、細美さんが弾いてた曲をon airします。
細美武士)じゃあ次も誘うね。
内澤崇仁)よろしくお願いします!
Silver Birch/The HIATUS(内澤)

on air楽曲

テーマコンプレックス
バラとワイン/RED WARRIORS
 
Roots/androp
 
Riding High(汚れた英雄)/ Rosemary Butler
 
光の天使(CHILDREN OF THE LIGHT)/ Rosemary Butler
 
ただいま、おかえり/羊毛とおはな
 
Wise Up /Aimee Mann
 
Silver Birch/The HIATUS
 

5 week talking

5 week talking

細美武士)最初の収録の時、内澤が20代の時の自分はクソだったと言ってからさ。今日最終週は、クソエピソードを絡めて紹介してくれる?
内澤崇仁)そんなに話せないですよ(笑)

●死ぬまでにしてみたいこと。音楽以外で(内澤)
細美武士)20代の頃はどんなことを感じていた?
内澤崇仁)20代の頃は、音楽をやりたかったんですけど、バイトで時間が埋まってしまってて 音楽が出来ないけどバイトしないと生活が出来ないっていう負の連鎖というか。俺、音楽やりに東京出てきてるのに…クソ!みたいな感じになりつつも朝までゲームやっちゃう、みたいな。戦国無双とか終わりの無い、パラメーターいくらでものばせる終わりの無いものをやって、朝、飯でも買いに行くかって家を出たら、通勤の人と逆行してコンビニに行くっていう状況がより自分をだめにさせるんだけど、このあとバイトだしなってみたいな感じでやってて。
細美武士)この話、聴いてくれている子達の中のめっちゃみんな共感呼ぶと思う。みんなそんな時代あるじゃん。もちろん俺もあったし。こんな事やってる場合じゃないんだよな。燃えきれないというかストイックになりきれない自分が。特に20代は絶対そうだと思う。もちろん俺も未だにあるよ。俺も作詞しなきゃって思うのに、テトリスのスーパープレイとかを延々12時間ぐらい見ちゃう。この人のプレイ見たら作詞しよう、この人のプレイ見たら作詞しようって逃避なんだよね。で、朝10時とかまで見ちゃって。血圧上がちゃって、ちょっと心臓バクバクしてるなって、ようやく作詞に取りかかる。たぶんみんなそうなんだよ。すごい仕事が出来るように傍から見えてる人でも、そういう瞬間って絶対あって。あの人めっちゃストイックで自分に規律があるなっていう人でも、絶対怠ける瞬間があってさ。そこを間違えないでほしいの。またサボっちゃったって、だから自分はダメ人間なんだじゃなくて、サボるのは誰でも絶対どこかでやるし、どこかで手を抜きたくなっちゃたり今日はもうダメだ寝ようって日があったりする。それを受け入れるところから実は物事は始まって行くっていうか。
内澤崇仁)その思考が20代にあったらもうちょっとまともだったかもしれません。追いつめて追いつめて、本当にどす黒くなってただけでしたからね。死ぬまでにしてみたい事。その時からずっと、音楽以外といいつつも名曲はつくりたいって思ってました。僕が名曲だと思っているのはWeezerのこの曲で、救われたというか、自分のマインドを掻き立たせられた曲。いわゆる名曲っていう部類じゃなく、自分の中でミュージシャンとしての名曲というか色々と掻き立たせられる、最後のリフレインが重なって爆発するところが感動して、こんな音楽表現があるんだって思ったのが
Only in Dreams/Weezer(内澤)

●好きなミュージックビデオ(細美)
内澤崇仁)HIATUSもMONOEYESもELLEGARDENもMUSIC VIDEOかっこいいですよね。
細美武士)こだわりはあるよ。俺、MTV世代だから。いわゆるMUSIC VIDEO黎明期にMTV見てて、当時のMTVはただMUSIC VIDEOが延々と流れるんだよ。それを見てるのが凄い好きで。だからMUSIC VIDEOに対するこだわりって強いのよね。その中でも大好きなものがあります。Belinda CarlisleのI Get Weakっていう曲は俺が中学か高1なんだけど、大人の女性の魅力にメロメロですよ、少年は。ただ、MUSIC VIDEOの中って不思議な世界が構築できるじゃない。短いし、現実離れしていてもいいし、この曲も変と言えば変なのよ。3分4分しかないのに、その中に何を盛り込むのかどういう世界観をつくるかでそれによって曲がすごく立体的になるじゃん。100人聴いたら100通りの取り方があるからこそ歌詞は素晴らしいんだけど、もうちょっと俺が言いたかったのはこうだぜってのを伝える手助けもビデオって出来るからMTV世代としてはいいなって思うの。だからこだわりとしては、訳の分からないストーリーカットが入るのは嫌なのよ。邦楽のMVにありがちだけど、ドラマで恋愛みたいなのが挟まって途中で演奏シーンが出てきたりするのは俺はいいかな作らなくてって思います。
I Get Weak/ Belinda Carlislen(細美)

●好きな歌詞・影響を受けた歌詞(内澤)
内澤崇仁)僕、BEN FOLDS FIVEが好きで。BEN FOLDSがソロになって、1作目は全部自分でやって、鍵盤もドラムもベースもやったやつがあって、それの中にあるStill Fighting Itが好きで。 たぶんまだ小さい息子に対して歌っているはずなんですけど、将来の息子に対しても気持ちが入って歌っていたり、あと“We Are Still Fighting It(俺たちはまだ戦い続けている)”って歌えているのがかっこいいなと思えて好きなんですよね。
Still Fighting It/Ben Folds(内澤)
細美武士)俺、この曲ですごい好きなのが“It’s hurts to grow up(成長するのは誰にだって辛い)”。綺麗事の歌詞っていっぱいあるじゃん。世界は希望に溢れていて大人になるのは楽しい事じゃなくて、大人になる事は誰にだって苦痛っていうこうバシッと書いちゃうところが好きだな。
内澤崇仁)英語がいかんせんわからないので細美さんみたいにすっと入って来る感覚で音楽聴いてみたいですね。
細美武士)柏倉隆史(The HIATUS,toe)がよく言うんだけど、toeってインストの曲多いのは、あれは何でかっていうと 英語をわからないのに洋楽聴くのがストレスみたいで、だからインスト聴く方が聴きやすいんだってだから彼の腹の据わり方すごいって思うよね。でも英語だからある程度はさ、わかるじゃない、これが0だったら。例えば俺この間ネパール行ったとき、向こうのアーティストのレコード買って来たけど まったくわからない。一言もわからない。
内澤崇仁)それでもやっぱり伝わるものが?
細美武士)やっぱり英語の方がグッと来る。メロディーからは想像付かない言葉があったりするじゃない。そういうのありますね。

●男と女が愛する時♡これはやられたラブソング(細美)
内澤崇仁)ラブソングって聴くんですか?
細美武士)ラブソングでチャートの上を目指そうみたいなクソラブソングは大嫌いなんだけど、本当に愛があって書かれた曲はラブソングだろうがなんだろうが大好き。 結構好きな曲があって。
Save The Last Dance For Me/ The Drifters(細美)
これ、歌詞を見なくても歌えるくらい好きな曲で。パートナーとダンスホールに出かけて、一夜を楽しく過ごしてお酒を飲んでるんだけど、『その間、誰と踊って来てもかまわないよ。ただ帰る時は必ず僕と一緒に帰ってね。だから最後のダンスだけはちゃんと僕と踊ってよ』って、この大人な恋愛の感じ。実際、向こうのボールルームとかではダンスの相手って色々代わったり、パートナーといても『いいですか?』って他の男性が入ってきてかなり近くで踊ったりするシーンって映画であったりするじゃない。 日本じゃ無いけど。 それでね、他の男性に満面の笑顔向けてあげてもいいけど、心だけは渡さないでねって。 大人だね〜。 これとEric ClaptonのWonderful Tonight。これとWonderful Tonightに途中で変えてみよう!
Wonderful Tonight/ Eric Clapton(細美)
細美武士)これ、俺よく弾き語りで歌うんだけど、これは名曲中の名曲。恋人同士の話なんだけど。出かける時に彼女が聴いてくるの。髪を櫛でときながら『私大丈夫、見た目きれい?』って。一番は『大丈夫だよ素晴らしいよ』って言って出かけるの。で、2番でパーティーに行くのさ。彼女の手を引いて歩くと、この美しい女性をみんなが振り返って見ている。彼女がまた聞くの『Do You Feel Alnight(大丈夫?)』『もちろんだよ、今夜は最高だ』で、3番でお家に着くんだ。そして電気を消す時に、そこまで彼女が『私の見た目大丈夫?今、気分大丈夫?』って聞いていたけど、最後、自分から言う訳さ『君は今日も最高だった』って言って電気を消す。俺、言ってて泣けてきたもんな。泣いちゃうの、本当に。またね、この曲の素晴らしいところは 物語のように聴こえるんだけど、これ全部一人称で歌詞が書かれているの。もしかしたらこの主人公の空想かもしれない書き方をされてる訳よ。『だから、僕はそう言った。』とか、過去形ではなく。“彼女が僕にこう聴く。『私見た目大丈夫?』 そして僕は彼女にこう言う。『君は素晴らしいよ。』“って、“言う”なんだよね、“言った”じゃないんだよね。それがねぇ…さすが! 本当に泣いちゃう。俺、弾き語りしてるとき、泣いちゃう。

細美武士)最後はテーマに関係なく話そうか。5週おもしろかった〜。すごい良い企画だったな。
内澤崇仁)ありがたい話がたくさん聴けて、僕本当に勉強になりました。
細美武士)あったかな?こんなに世代が離れた年下のアーティストと。こんなに話す機会ってそんなにないじゃん。打ち上げとかではあるけど。
内澤崇仁)シラフで5時間ってないですよね。
細美武士)もう同じクラスか部活の先輩後輩でない限りないよね。で、やっぱり話して思うのは、俺たち昭和世代ってついつい最近の若い者はみたいな事はって言うやつが同じ世代にいるけど、話してみればさ、みんな芯があって、変わり者で、すごくユニークで。大して実はあんまり変わりないような気がするんだよね。
内澤崇仁)僕も、世代は違えど細美さんの、音楽に向き合っている姿勢だったり音楽に対する考え方を、すごく先輩みたいな感じで受け継いでいるような気がすると言うか、やっぱり普遍的な部分なんだろうなって思いますね。細美さんがやっていることとか、影響受けるし憧れるし。やっぱり『先輩ありがとうございます。』みたいな5回の対談でした。
細美武士)そう思ってくれて嬉しくて。中々そう言ってくれる人もいないんだが。でもたぶん俺も、この人かっこいいて思ってきた人たちって何か戦ってくれている…。戦わなくなるのはすごい楽じゃん。みんなの言う事の真ん中をとってやっていくことはきっと出来るんだけど、多少あっちに嫌われたり、こっちに角が立ったりしながらでも、これを守らなければいけないって直感的に思って大事にしている人達を見ているとすごくしびれるし、それに折れずに負けずに戦って来た人を見てきたから、戦えるんだって事も知っているし。それってミュージシャンがやらないと誰も出来ない。じゃあファンの子たち、フェスに来る子たちが俺たちの遊び場をもっと守りたいと思ってもフェスの主催者と直接話せたりする訳じゃないじゃない。レコード会社にとってもバンドが『いやいやそういうものばっかり出してるからこうなっちゃったんじゃないの。』とか、昔はよく聴いたのよ『良い音楽が売れる訳じゃないんだよ。』ってそういうことを口にするあなたはレコード会社を今すぐ辞めろって思うし、言って来たのね。そういう風にミュージシャンは、いろんな大事な事を戦ってあげないと。レコードを聴いてくれている人とかフェスに来てくれる人とか(の為に)。俺たちは例えばさ、ロッキンジャパンだったら山崎洋一郎とぶつかってケンカが出来る訳じゃん。渋谷さんとも話せる訳じゃん。それは本当に意外とミュージシャンしか出来ない事だから。多数、100の中の90を取って10を捨てるっていうのが企業として正しかったり数字の上では一番近道に見えるかもしれいけど、ミュージシャンが本当にやらなければいけないことは100の90を取るために10は関係ないでしょうって捨てようとしてる人たちに、『どいてろ!この10人は俺たちが守る』ってやるのが、わりと、ミュージシャン…ロックバンドは特に、それがロックバンドの出来る事なんじゃないかな。数字で測れないところ、むしろ数字で言ったら逆になっちゃう部分をそれでもいいだろって別にって言って押し通すっていうのがやんなきゃいけない事で。この対談の中で、やっぱり下の世代の連中も同じ事考えてるんじゃんって、俺は嬉しかったです。

内澤崇仁)こちらこそ、学ぶ事たくさんあるし、自分の刺激になったし、もっともっと出来る事たくさんあるんだっていうのを知れました。
細美武士)じゃあ最後その戦っている…
内澤崇仁)ちょっと待ってください。細美さんが戦うって言うと1曲しか出て来ない。ロッキーのテーマになっちゃう。
細美武士)そんな事ないよ。逆にそういう風に戦わずに、誰かのために自分が嫌われてもいいって立ち上がらなかったミュージシャンなんていなくなるんだよ。俺の経験上。周りと上手くやって、スタッフも大事みたいな顔してるヤツって。俺だってスタッフ大事にしているからさ、俺なりに。あいつらを守ってやれるのはミュージシャンしかいないって、そういう事を俺はいろんなミュージシャンから感じるんだけど…。最後、曲俺選んじゃっていい?鼎(かなえ)の問か霹靂なんだけど、まあ鼎の問にしようかな。東北ライブハウス大作戦、内澤も来てくれたじゃん、弾き語りで。それをつくり、全国のパンク、ハードコア…もちろん慣れ合う集団じゃないからまとめ上がってはいないけど、そのパイプを強くして損得抜きで日本を北から南まで走り回る連中の大将、BRAHMANの鼎の問。
鼎の問/BRAHMAN(細美)

細美武士)どこの週だったか忘れたけど、神懸かったライブってあったじゃない。俺は最初の東北ジャムのBRAHMANのライブなんだよね。もう凄かった。TOSHI-LOWってよくファンから現人神(あらひとがみ)って言われたりするけどさ、ライブやってる時、本当にそういう神話の再現を見ているような感じ。どうしてもこの曲を聴くと俺も頭に浮かぶ光景があるんだけど。東日本大震災が起きて最初に物資を持って行った街があるんだけどさ、届けに行く時にさ、お米を提供してくれた人でその街出身だった人がいて
小さな手紙を俺に渡してくれて。『これを誰でもいいから現地の人に渡して下さい』って誰宛かはわからない手紙を貰った事があるのね。それをまだ福島の原発がメルトダウンしてませんって言いながら爆発した直後だったからどこまで入って行っていいかわかんないまま不安で、実際はすごい近くまで行くんだけど。バタバタしてる中で、誰にも手紙を渡せずに帰って来た事があるの。 その時、内ポケットにしまったまま帰って来ちゃった手紙を、宮城の亘理町にボランティアにその後何度か行くんだけど帰りちょっとより道出来るぞって、東北道から常磐道に入ってその街に行った事があるの。で、夜に役所に行ったらさ、たっくさん貼ってる訳。この人と連絡がとれませんって。何か情報を知っている人はこの番号に下さい。みたいなのが掲示板にぶわーって貼ってある中、部屋1個だけ灯りがついていたの。俺、ドロドロの作業着のまま、その窓ガラスをトントンってしたら、当直のおじさんがカラカラって開けて『どうしたんですか?』って。『こういう手紙を預かっているんだけど、渡したいんです。』って言ったら『じゃあわかりました。そういうのを受付ける窓口があるのでそちらに渡しておきます。』って言われて。『いやたぶんそうじゃないと思うんですよ。この手紙はあなたに向けて書かれたものだと思うから、読んで下さい。』って渡して帰って来た事があるのね。初めて行った時、街中灯りが一つもついてなくて、体育館だけ非常電源で避難所はついてて。信号機も消えてる、道ももうガタガタで走れる道も少ない、もちろん歩いている人なんてひとりもいない開いている店が一軒も無い。だったのが、その手紙を渡しに行ったとき、点滅だけど信号がついてて所々だけど電気がついてて、一軒だけレストランがやってて、そのレストランでおじさんがカレーを食べてたの見た時、俺、涙が止まらなくて…よかったって思って。この曲の “参道に影はなく” が、最後だけ “参道に人溢れ”に 変わるんだけど、素晴らしい名曲だと思います。ごめんね、プライベートな思いを語ってしまって。これからも東北ライブハウス大作戦、よろしくお願いします。

on air楽曲

Only in Dreams/Weezer
 
I Get Weak/ Belinda Carlisle
 
Still Fighting It/Ben Folds
 
Wonderful Tonight/ Eric Clapton
 
Save The Last Dance For Me/ The Drifters
 
鼎の問/BRAHMAN
 

音楽家としてもリスペクトしてるし、尊敬するところたくさん、学べるところたくさんあったんですけど今回も。お話を聴いてて、細美さん自身もいろんなところから影響を受けて、受け継いで存在しているんだなって思ったので、僕も細美さんと出会えていろんなことを吸収して、また違う世代に伝えられるようなミュージシャンだったり、人と人でありたいなと本当に思いました。人と人として本当に出会えてよかったし、これからも良いものを受け継ぎたいというか、影響を受けたいというか。なので今回の対談、嬉しかったです。話を聴けるだけでも嬉しかったし、色々と自分の聴きたい事を聴いてばっかりだったので、よかったです今回。ありがとうございました。



俺ばっかりがしゃべり過ぎて申し訳なかったなと思いつつ、やっとこういう風に仲良くなれた若手ミュージシャンが出来たので、ちゃんと人と人として付き合っていきたいと思います。オフレコードで。