「ソロモンの犬」道尾秀介（2007）（文藝春秋）

同じ大学の仲良し４人組、気の弱い秋内・秋内の親友でイケメンの京也・京也の彼女ひろ子・秋内が片思いしている智佳は、教わっている助教授の息子・陽介君がトラックにはねられる瞬間を偶然目撃した。
陽介君の飼い犬が突然道路に向かって走り出し、それに引きずられるように道路に出た陽介君を、トラックがはねたのだ。
犬は無事だったが、陽介君は亡くなってしまった。

一見事故に見えるその光景、しかし秋内には気になることが一つあった。
なぜ、突然あの犬は道路に走り出したのだろうか。
犬が走り出したのが、偶然ではなかったら？仕組まれたものだったら？
そしてもし、僕ら４人組の中に犯人がいるとしたら…
疑念がぬぐえない秋内は、大学の生物学の助教授・間宮先生に相談を持ちかけた。
頭は抜群に切れるが、かなりの変人の間宮先生の力をかりて徐々に真相に近づく秋内。
しかし解き明かされたのは、とても悲しい真実だった…

どんでん返しの連続！所々に伏線が張り巡らされています。
最後に２転３転する驚愕の真相には、思わず「やられた〜」と漏らしてしまうかも。
ちょっと間の抜けた変人・間宮先生のキャラは最高です！！
悲しい結末なんですが、読後感になぜかさわやかさが残るのは、間宮先生と秋内の間の抜けたやりとりの賜物です！