- 2010-12-28
- ☆ラジ友文庫☆

「さよなら渓谷」吉田修一(2008)(新潮文庫)
「桂川渓谷」にほど近い、ある市営団地に住む小さな男の子が殺された。
容疑者はその子の母親・立花里実。
実の母が息子を殺したというこの事件は、マスコミに大きく取り沙汰された。
さらには、その隣家に夫婦で住んでいる尾崎俊介という男と里実が不倫関係にあったという疑いが浮上し、事件は大きく揺れた。
この事件を追う記者の一人・渡辺は、その隣家の男・尾崎俊介が、大学時代、仲間達とともに女の子を集団レイプした過去を持つことを知り、独自に彼とその妻・かなこの調査を行っていた。
しかし、調査が進むにつれて分かってきたのは、その夫婦の間の悲しい絆。
「2人で不幸になると約束した。そう約束したから一緒にいられた。」
レイプ犯の夫とその妻の、意外な関係性とは…
最初の幼児殺害事件は、実はこの話の導入部分。
それをきっかけに渡辺が暴く、隣家の夫婦の関係こそが、この話の要なんです。
憎悪で結ばれている二人、だけどそこからは美しい愛を感じてしまう。
悲しいけれど美しい結末には、涙がこぼれてくるかも。
しんみりしたい冬の夜に、おすすめの一冊です。
「桂川渓谷」にほど近い、ある市営団地に住む小さな男の子が殺された。
容疑者はその子の母親・立花里実。
実の母が息子を殺したというこの事件は、マスコミに大きく取り沙汰された。
さらには、その隣家に夫婦で住んでいる尾崎俊介という男と里実が不倫関係にあったという疑いが浮上し、事件は大きく揺れた。
この事件を追う記者の一人・渡辺は、その隣家の男・尾崎俊介が、大学時代、仲間達とともに女の子を集団レイプした過去を持つことを知り、独自に彼とその妻・かなこの調査を行っていた。
しかし、調査が進むにつれて分かってきたのは、その夫婦の間の悲しい絆。
「2人で不幸になると約束した。そう約束したから一緒にいられた。」
レイプ犯の夫とその妻の、意外な関係性とは…
最初の幼児殺害事件は、実はこの話の導入部分。
それをきっかけに渡辺が暴く、隣家の夫婦の関係こそが、この話の要なんです。
憎悪で結ばれている二人、だけどそこからは美しい愛を感じてしまう。
悲しいけれど美しい結末には、涙がこぼれてくるかも。
しんみりしたい冬の夜に、おすすめの一冊です。