- 2011-01-04
- ☆ラジ友文庫☆
「ほかに誰がいる」朝倉かすみ(2006)(幻冬舎文庫)
『あのひとのことを考えると、わたしの呼吸はため息に変わる。
十六歳だった。
あのひとに出会うまで十六年もかかってしまったという気持ちは、後悔に少し似ている。
眠れない夜よりも長いわたしのため息は、いつか、あのひとに届くのだろうか。』
本城えりは、駅のホームで一目惚れをした。
彼女にとって初めての恋。心は「あのひと」でいっぱいになった。
同じ学校、同じ学年の「あのひと」。
名前は、「賀集玲子」。浅黒い肌に長い睫毛の女の子だった。
玲子に少しでも近づきたくて、親友という立場にまでなったえり。
玲子の声が「びろうどのよう」だから、心の中で「びろうど」と呼んだ。
彼女の目をあざむくために、ひとときだけの彼氏を作り、
彼女と同じ空気を吸いたくて、夜中にこっそり彼女の家の前まで自転車を走らせた。
密やかに、彼女を想い続ける日々。
しかし、えりの強すぎる想いは、やがてえり自身を破綻させていった。
病的な想いに支配された彼女は、衝撃的な選択をすることとなる…
ただただ、純真なえりの初恋。
しかし純真すぎるがゆえに暴走していく想い…
その衝撃の展開に、本を置けなくなるかも。
『あのひとのことを考えると、わたしの呼吸はため息に変わる。
十六歳だった。
あのひとに出会うまで十六年もかかってしまったという気持ちは、後悔に少し似ている。
眠れない夜よりも長いわたしのため息は、いつか、あのひとに届くのだろうか。』
本城えりは、駅のホームで一目惚れをした。
彼女にとって初めての恋。心は「あのひと」でいっぱいになった。
同じ学校、同じ学年の「あのひと」。
名前は、「賀集玲子」。浅黒い肌に長い睫毛の女の子だった。
玲子に少しでも近づきたくて、親友という立場にまでなったえり。
玲子の声が「びろうどのよう」だから、心の中で「びろうど」と呼んだ。
彼女の目をあざむくために、ひとときだけの彼氏を作り、
彼女と同じ空気を吸いたくて、夜中にこっそり彼女の家の前まで自転車を走らせた。
密やかに、彼女を想い続ける日々。
しかし、えりの強すぎる想いは、やがてえり自身を破綻させていった。
病的な想いに支配された彼女は、衝撃的な選択をすることとなる…
ただただ、純真なえりの初恋。
しかし純真すぎるがゆえに暴走していく想い…
その衝撃の展開に、本を置けなくなるかも。