「神様のカルテ」夏川草介（2009）（小学館）

栗原一止は、信州の小さな病院で働く内科医。
妻のハルを愛し、夏目漱石を敬愛する風変わりな医者だった。
彼の働く地域病院では、慢性的な人手不足のために三日三晩寝れないことも日常茶飯事。しかも自分の専門でない患者を診療するのも普通のこと。
そんな病院で、患者と真摯に向き合う真面目な彼のもとに、
ある日、大学病院の医局から熱心な誘いがかかる。
医局に行けば先端医療も研究できるし、休みも増えて愛するハルとの時間も増える。
悩む一止に、大学病院で受け入れ拒否された末期癌の患者・安曇さんから思いがけない贈り物が…。

ほっこり心が温まり、ほろりと涙がこぼれてくる作品です。
真面目で頑固だけど心の優しい一止と、かわいい妻のハル、そして数々の風変わりなキャラクターたちのやりとりがクスッと笑いを誘います