LIVE REPORT 2023

[ライブレポート]

5月27日、「FM802 MEET THE WORLD BEAT 2023」が大阪府吹田市にある万博記念公園自然文化園「もみじ川芝生広場」にて開催された。“ラジオで音楽を伝え、ライブでアーティストを伝える”という理念のもと、FM802がゆかりの深いアーティストを招き行うこの野外音楽イベントは、1990年から回数を重ねてきたが、コロナ禍では中止や無観客開催になることも。しかし昨年の有観客開催を経て、ついに今年は声出しOKで実施。転換時にはFM802のDJ陣も参加して約14,000人の来場者を盛り上げ、4年ぶりの熱狂となった全7組のライブを順に紹介する。

ハンブレッダーズ

イベントの幕開けを飾るのは地元・大阪発のバンドが鳴らす「ワールドイズマイン」。鼓動のようなビートと渦巻くギターリフは初っ端からクラップを発生させ、いっきにフェスムードが全開に。さらに「またね」の耳なじみのよさや、“吹田の歌やります!”(ムツムロ)と飛ばす「アイラブユー」の“阪急電車”、“万博公園”といった地元ワードでも観客を引きつけ、続く代表曲「DAY DREAM BEAT」のキャッチーさで完全にロックオン。またMCでムツムロは出身地の吹田市で過ごした学生時代を語るとともに、“いつか吹田の駅メロがハンブレッターズになればいいな”と野望も。そしてそれも実現するかも!?と思わせる今の彼らの勢いを「銀河高速」と「THE SONG」で存分に見せつけ、全7曲を走り切った。ちなみに故郷でのステージにムツムロは“今日は特別な気持ちで来てます”と口にし、“老後に住むのにちょうどいい。検討してみてください”と吹田市を猛プッシュするのも忘れなかった。

yama

ミステリアスな空気をまとい登場すると、心地いい緊張感を伝播させておいてからの躍動する「色彩」で大解放。スモーキーなようで透きとおる唯一無二の歌声は、その名を世に知らしめた曲「春を告げる」でも広がり耳から離れなくなる。そしてアノニマスな存在の気になるMCは、デビュー時から応援を続けるFM802とそのリスナーに向けた丁寧な感謝。誠実な人柄を垣間見せる。そんな人物像は「Oz.」のやさしい歌詞にもにじみ、体を折り曲げて声を絞り出す「ライカ」では曲後にじわじわと拍手が。しかし「くびったけ」ではまた別の一面。伸びやかな歌は人々を明るく華やかに浮上させ、サビでは会場からも歌声が。これに対して“いつかこの曲で一緒に歌えたらいいなと思っていたのでジーンときました”と明かし、締めくくりの新曲「slash」と「ストロボ」へ。重厚なサウンド、感情をむき出しにするボーカル、鋭く強い言葉は会場を圧倒。その姿は観客の記憶にしっかりと刻まれたに違いない。

Da-iCE

花村が喉の不調のため、リハーサルでは“全力の口パクします”という宣言が出されてまずはひと笑い。しかし迎える本番は、大野が2人分!と言わんばかりの熱のこもったアカペラで「CITRUS」から感動的にスタートさせ、オーディエンスからは思わず感嘆の声がもれる。14:00過ぎの日差しに照らされるダンスは熱量をより高くして「DREAMIN' ON」の持つパワーはさらに増大。また「Clap and Clap」へとつなげれば、会場には大きな手拍子が起こり、メンバーの笑い多めの煽りも加わって、ひと足早い夏を満喫するパーティ状態に。もちろんシリアスかつエッジーなパフォーマンスできっちりドキドキさせつつも、「スターマイン」では冒頭の花村のパートでメンバーが次々にフェイントをかけて、ハプニングも今日だけのエンターテインメントに変えてしまうからお見事。しかもラストはロック&ファンクに「Kartell」で攻めのステージを展開し、隠し切れないかっこよさでファンをとりこにしていった。

ビッケブランカ

バンドを引き連れ現れると、「Moon Ride」のご機嫌なモータウンビートでアッパーに会場をリードするが、すぐに「This Kiss」でロマンチックモードにチェンジ。観客は楽しい落差のなか、やわらかなメロディにのせてうちわを振り“ビッケワールド”を堪能する。そして“こういう所でやるのがたのしい歌です”とキラキラのピアノを奏で「夏の夢」でさらにポップ&スイートにすると、次は“持ちうるものすべてをぶつけにいくんで”と新曲「革命」へ。スケール感あるイントロからロック色を濃くし、エネルギッシュかつ、ひとクセを残して彼らしく繰り広げたら、その流れで「Ca Va?」。とくれば、本人も大観衆も弾まないわけがなく、あのファルセットとサビが脳内を駆け巡り、気分上々なところに「ウララ」を投下してハッピーに総仕上げ。再びたくさんのうちわが左右に行き来して一体感も十分となった。そのたっぷり長い間奏で見せた指を差し手を振る大スター的な姿は、しばらくの間、思い出して楽しめそうだ。

ナオト・インティライミ

やる気満々のパントマイムチックな動きと、“4年ぶりの声出しOK、Yeah!”のシャウトで始まったのは、なんと今日の出演者の名曲の弾き語りメドレーで、彼のノリツッコミ付き。さらにおもしろトークを添える本人の曲バージョンも。「恋する季節」などのおいしいところをギュッとした、ナオトいわく“小粒ちゃんメドレー”は、笑いもあって小粒とは思えぬ満足感だ。そしてクラップを起こし、せつない旋律で胸を熱くさせたあとは、滑らかなおしゃべりで海外での活動報告や太陽の塔のマネも。だが、本領発揮のサンバ「The World is ours!」となれば、地元の学生ダンサーも招いていっきにヒートアップ。コール&レスポンスを繰り出して4年分を取り戻すかのようなお祭りの様相に。無論これで攻撃を緩めるはずもなく「カーニバる?」でラッシュへ。ジャンプさせタオルを回させ、FM802のDJを舞台に引っ張り出し、ボールを客席へキック。百戦錬磨の彼だからできるあの手この手の大団円で大会場をぶち上げた。

SHISHAMO

涼しい風が吹き始めた17:00過ぎ、6年ぶりの「FM802 MEET THE WORLD BEAT」出演となる彼女たちは、まず「恋する」と「君の目も鼻も口も顎も眉も寝ても覚めても超素敵!!!」で、会場を甘酸っぱさで満たす。疾走感ある直球ロックにガーリーなボーカルをのせ、時にラップで攻め立てれば、観客のうちわは頭上でアップ&ダウン。と、ここで2015年の初出演時の思い出話でいったんクールダウンすると、今度は「君の大事にしてるもの」と「夏の恋人」の変化球。少し気だるい曲の雰囲気は夕焼けが近づく風景とマッチし、モニターに映し出される宮崎のバックショットが目に、その艶ある声が耳に焼きつく。そしてゴールに向けて響かせるのは「君と夏フェス」と「明日も」という人気ナンバー。さわやかでキャッチーなメロディとバンドサウンドに、だれもが手拍子しながら体を揺らし、もれなく楽しい!の表情。これぞフェスといったラストシーンを生み出し余熱を残して3人は舞台をあとにした。

スキマスイッチ

今年のトリを務めるのは、ホーンも含むバンドと一緒に大所帯で現れた今夏でデビュー20周年を迎えるスキマスイッチ。ダイナミックにプレイする「LINE」で瞬く間に聴く者の心をつかむと、2人とFM802の歴史を感じるエピソードをはさみ、懐かしいデビュー曲「view」でダンサブルに。照明もきらめいて夜の気配を呼び寄せたなら、そこから心にぐんと染み込ませるかのごとく「ボクノート」と「奏(かなで)」という涙腺崩壊の時間。群を抜いて美しくエモーショナルなメロディ、静かにそして確かに熱を帯びる声とピアノ、豪華バンドの厚みも華もあるサウンドetc.。なかには動きを止めて聴き入る人も。曲後だけでなくイントロや間奏にも拍手がわく名曲の威力は絶大だ。しかし2人はMCも極上で「FM802 MEET THE WORLD BEAT」の思い出も笑い込みで話してくれるうえ、続くのは「ガラナ」からの「Ah Yeah!!」というアップテンポの上昇系。大橋のスキャットも絶好調で、全員が痛快な彼らの音楽を謳歌し、最後はスマイルだらけになって会場は幸せ色に彩られた。 だが、お楽しみはまだまだ続行し、「FM802 MEET THE WORLD BEAT」の名物・ラストセッション! 出演者たちが舞台に続々とカムバックし、FM802DJ陣もずらりと並んで、大橋の“あれしかないでしょ? ぶっ壊すかー!”から「全力少年」へ。大クラップとコール&レスポンスで心を一つにしたら、誰もが知るスーパーキラーチューンを夢のようなマイクリレーでつなぎ、久々の大合唱。苦しかった時期を越えて轟くリスナーの声は感動もひとしお。多幸感を超え、うれし涙も誘うほどの熱い思いにあふれて「FM802 MEET THE WORLD BEAT 2023」は大盛況のうちに幕を下ろした。 なお、上記イベントの模様は6月25日(日)にFM802の特別番組「FM802 MEET THE WORLD BEAT 2023 SPECIAL」にてオンエア。ライブ音源のほか、出演者のインタビューやコメントも聞くことができる。

【イベント概要】
■FM802 MEET THE WORLD BEAT 2023
●日時=2023年5月27日(土)
●会場=万博記念公園自然文化園「もみじ川芝生広場」
●料金=全自由 3,300円(税込)
●出演=SHISHAMO/スキマスイッチ/Da-iCE/ナオト・インティライミ/ハンブレッダーズ/ビッケブランカ/yama
●主催=FM802
●特別協賛=JIM BEAM/HORIBA
●協賛=日本旅行/マクセル
●協力=公益財団法人 エイズ予防財団/アコム/ぴあ/スペースシャワーTV/DUKE
●運営=GREENS

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撮影:田浦ボン・渡邉一生・キシノユイ・ヨシモリユウナ
テキスト:服田昌子
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