LIVE REPORT



6月6日、大阪・大阪城ホールにて「OSAKA MUSIC LOVER-LIVE TO THE WORLD- supported by アサヒスーパードライ WITH MASSIVE BEATS OSAKA」が開催された。

本イベントは「大阪国際文化芸術プロジェクト OSAKA MUSIC EXPO 2025」という、2025年大阪・関西万博を契機に、大阪を訪れる国内外の人々とともに大阪の文化芸術の魅力を体感するために開催されたイベントのひとつ。 イベントは6月4日から8日まで、大阪城ホールを舞台に様々な音楽イベントを開催。
さらに6日からは、大阪城公園内にある「JO-TERRACE」でFM802のDJ陣によりDJショーも開催。各日ごとに多彩で魅力あふれる音楽が楽しめる特別感満載のエンタメスペシャルウィークとなっている。

この日開催された「OSAKA MUSIC LOVER-LIVE TO THE WORLD- supported by アサヒスーパードライ WITH MASSIVE BEATS OSAKA」では、 日本が誇るライブアクトを世界に向けて届けたいという思いの下、ASIAN KUNG-FU GENERATION、10-FEET、Perfume、羊文学の4組が出演。 いずれも、アニメの主題歌や強く印象深いライブパフォーマンスをきっかけとして、国内外問わず活躍するアーティストばかりが顔をそろえた。

この日のチケットでは、「日本のお土産付き」チケットも発売。日本ならでは、この日限定のオリジナル日本てぬぐいを手にした観客ら9,000人が、饗宴を大いに楽しんだ。
DJ:大抜 卓人/落合 健太郎/豊田 穂乃花
DJ:大抜 卓人/落合 健太郎

開演前、場内では他国言語でのアナウンスが流れ、さらにFM802のDJ大抜卓人&落合健太郎による最新の洋楽セットを繋いだDJショーが繰り広げられていた。
「ようこそ大阪城ホールへ。『MASSIVE BEATS OSAKA』、一緒に盛り上がっていきませんか!」と、観客のテンションを存分に高めていく。 さらに日本×アニメ×音楽をミックスさせたオープニング映像が流れ、アーティスト紹介の映像もこれまでとひと味違うものとなっていた。


10-FEET
10-FEET
10-FEET

トップバッターに10-FEETの名前がコールされた途端、会場の熱気が一気に高まった。
TAKUMA(Vo/Gt)が「行くぞ!」と声を掛けると、「RIVER」からライブハウスさながらの熱量をぶつけ、10-FEETならではの”ライブパワー”で会場は一気にヒートアップ!
”大阪でひとつになる”と歌詞をアレンジしたり、観客を巻き込んでスマホライトで美しい光のウェイブを作ったりと、初めてのイベントでも”らしさ”溢れるステージを展開していく3人。
10-FEET
10-FEET
10-FEET

「今日はみんなで楽しんで。笑って帰ろうな!」と優しい言葉をかけつつ、「大阪、ブッ飛べ!」と、バンドの知名度を一気に高めたキラーチューン「第ゼロ感」へ。
スリリングなギターサウンド、NAOKI(Ba/Vo)、KOUICHI(Dr/Cho)の隙のない攻めのリズムで観客を圧倒。
「今日の出演者の誰が、ライブアクトが一番良いか。終わってみんとわからんけど、出演者の中でオレらが一番可愛くない!」と冗談を飛ばしつつ、 「でも(ライブは)びっくりするくらいすごい頑張る!めっちゃ頑張って『THE FIRST SLAM DUNK』以外の曲もカッコイイやん!って思わせたい」と、 ライブに懸ける思いを語ると「関西の勢い、見せたれ!!」とステージ後半は「その向こうへ」「蜃気楼」など、ライブバンドとしての確固たる存在を誇示するようなステージを展開。

最終曲を前に、ライブは一期一会、唯一無二のものだと語り、「楽しんで帰って。幸せになれよ! 必ずしも明日があるとは限らへん、そういう歌を」と「ヒトリセカイ」へ。
心震わす切なくも優しい楽曲、観客は手を高く掲げ、最後の瞬間まで想いを受け止めていた。


羊文学
羊文学
羊文学

羊文学は「mother」から塩塚モエカ(Vo/Gt)の凛とした歌声、河西ゆりか(Ba)のグルーヴィなベースラインで会場の熱をじっくりと高めていく。 清廉とした独自の世界観があっという間に観客を引き込んでしまい、続く「永遠のブルー」でも、塩塚が紡ぐ心地よいギターサウンドがすっと体に浸透していくのがよく分かる。
緻密に作り込まれたバンドサウンドは美しく繊細で、観客はじっと前を見据えて真剣な眼差しでステージに見入っている。

「今日は来てくれてありがとう。新曲やります」と披露したのは、今年5月に配信リリースした、TVアニメのエンディング主題歌にも選ばれた「mild days」。 新曲といえど、TVアニメのエンディング主題歌に選ばれた楽曲ということもあって、すでに幾度となく耳にした人が多いのだろう。 リラクシンな雰囲気のなかにも強い芯を感じる楽曲に、誰もが気持ちよさそうに体をゆらしている。
羊文学
羊文学
羊文学

その後も「Burning」や「OOPARTS」など、TVアニメやテレビドラマなどの主題歌にもなった楽曲を次々と紡いでいく2人。
なかでも「more than words」ではリフを奏でただけで大きな歓声が沸き起こる。 ダンサブルなサウンドのなか、塩塚のハイトーンボイスが楽曲の世界観をより一層深めていく。
「最後の1曲、ブチかまします!」と、ラストは「Addiction」。河西は激しくベースを打ち付け、塩塚ががむしゃらにギターをかき鳴らし、ぐっと高めた熱を放出させ、全7曲を駆け抜けた。


perfume
perfume
perfume

ライブ開始前から熱い声援が飛び交っていたのがPerfumeだ。今年で結成25年目、メジャーデビュー20周年を迎えた彼女たち。
世界最大級の音楽フェスにも出演していることもあり、会場内には海外からのファンの姿も。「The Light」から始まったステージでは、この日もシンクロ率の高いダンスパフォーマンスで観客の視線を総ざらいしていく。

いつもの決まり文句で自己紹介をする3人。この日のイベントについて「(出演者の)個性が豊かすぎ。10-FEETの兄ちゃんから、羊文学も観れて。最後は伝説のアジカン兄さん。こんなことある?」と興奮しきり。
さらに「大阪・関西万博もあるし、海外の人がたくさん遊びに来てて。大阪がブチ盛り上がってる!心も体も、今日は熱い一日にしたい」とイベントに懸ける思いを語ると、次曲は「ネビュラロマンス」へ。 大阪・関西万博のNTTパビリオンで、次世代情報通信基盤「IOWN」を活用し、最新技術を駆使した世界初のライブパフォーマンスで披露されたことで注目を集めた楽曲だ。
近未来感がありつつもどこかロマンチックなサウンドに合わせ、しなやかに踊る彼女たちの姿から目が離せない。
perfume
perfume
perfume

ライブでおなじみの「P.T.A.」のコーナーでは、タコヤキに通天閣、ミャクミャクと、大阪ならではのポーズで大盛り上がり。
ステージ後半は「残り2曲、魂ぶっこみます!」と、エッジを効かせたビートが鳴り響くなか、観客と一緒にジャンプにダンスにと大忙し。 激しく緩急をつけたダンスパフォーマンスもさらりとこなすと、ラストは名曲「チョコレイト·ディスコ」。コール&レスポンスもばっちりな観客を前に、嬉しそうな笑顔を見せる3人。
とっておきの甘いナンバーに拍手喝采が沸き起こるなか、「みんな、音楽が好きなんですね!NO BORDERって感じでめっちゃ感激しました!」とステージを後にした。


ASIAN KUNG-FU GENERATION
ASIAN KUNG-FU GENERATION
ASIAN KUNG-FU GENERATION
ASIAN KUNG-FU GENERATION

イベントのトリを務めるのは、日本はもちろんのこと、海外のアーティストからの支持も熱いASIAN KUNG-FU GENERATIONだ。
1曲目「Re:Re:」のイントロが鳴り響いた途端、割れんばかりの完成が響き渡る。 喜多建介(G/Vo)が爪弾く緻密に作り込まれたメロディ、山田貴洋(Ba/Vo)のご機嫌なベースラインに魅せられ、観客の誰もが破顔の表情を見せながら拳を高く突き上げている。
さらに続く「リライト」でもギターリフがかすかに鳴り響いた瞬間、盛大な手拍子が。後藤正文(Vo/Gt)が声高らかに歌い叫ぶと、観客も嬉しそうに大きな声で共に歌う。 曲中には「自由に楽しんで。誰のマネもしなくていい。『リライト』しか知らなくてもいい。とにかく自分の心と身体に任せて。精一杯演奏するから、(心の)どこかで引っかかってくれたら嬉しい。最後まで楽しんで」とイベントへ、ライブへの想いを語る後藤。
「みんなの週末の始まりが豊かになるように演奏できたらいい。ここに集まったみなさんのそれぞれの人生の幸福を願って…」と「ライフ イズ ビューティフル」へ。
伊地知潔(Dr)の体も心も跳ねるようなビートは多幸感に満ちていて、自然と口角が上がってしまうし、「ソラニン」でのサビに向かって階段を駆け上がっていくような爽快感もたまらなく気持ちが良い。
ASIAN KUNG-FU GENERATION
ASIAN KUNG-FU GENERATION
ASIAN KUNG-FU GENERATION

「せっかくフェスで会ってるんだから。触れたり確かめたりしたいなって」と、ゲストに呼び込んだのは羊文学·塩塚モエカだ。
「触れたい 確かめたいfeat.塩塚モエカ」では互いに一歩ずつ歩み寄り、気持ちを高めるようなバンドサウンドにのせ、後藤の真っ直ぐな歌声がいつもより少し甘く感じ、塩塚のアンニュイな歌声ともよく似合う。 コロナ禍に制作したという同曲。「(塩塚とは)いつも会えたりするわけじゃなく、こうやって時々縁が繋がって一緒に音を鳴らせるのはレアなこと。
そういう瞬間に立ち会ってくれる人たちがこんなにもいることはオレたちにとって心強い。触れることはできなくてもみんなの顔を見て確かめることができた」と、集まった観客へ感謝の気持ちを伝える。 そして「今日より明日が良い日になりますように」と「MAKUAKE」へ。

後藤が語った言葉の通り、今日が幸せで、そして明日はもっと幸せになると強く思わせてくれる。終わりではなく、ここからまた素敵な時間が始まっていく予感に満ちた楽曲で本編は終了。



アンコールでは「オレたちを世界に連れて行ってくれた曲を!」と「遥か彼方」を披露。疾走感あるバンドサウンドで最後の瞬間までテンション高く駆け抜け、饗宴の幕が閉じた。

日本が誇るライブアクトを世界に向けて届けたいという思いの下で開催された「MASSIVE BEATS OSAKA」。この日出演した4組はもちろん、魅力溢れる日本のアーティストたちが今後も世界に向けて活躍する姿を楽しみにしたい。
なお、この日のイベントの模様は7月20日(日)20:00~22:00、FM802の特別番組にて放送を予定。貴重なライブ音源などがオンエア予定とのことなので、ぜひともチェックしよう。

【 特番情報 】
2025年7月20日(日)20:00~22:00※生放送
DJ:大抜卓人、落合健太郎


文:黒田奈保子
撮影:渡邉一生、キョートタナカ

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