#ハチパレ ▽ Colorful Connect【小説『春期限定いちごタルト事件』】
2018-03-11

色とりどりの情報をお届けする【Colorful Connect】
今夜ご紹介したのは、少し時間ができる春休みにぜひ読んでほしい
豊田オススメの小説『春期限定いちごタルト事件』
京都アニメーションの制作でアニメ化もされていた
あの大人気作「氷菓」の原作者でもある米澤穂信が描く、
とってもライトで読みやすいミステリー作品です
あらすじはこんな感じ…
小鳩君と小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係でもないが、
互いに利益を得る関係にある高校一年生。
きょうも二人は、手に手を取って、清く慎ましい小市民を目指していました。
というのも、彼らは思ったことをなんでもズバズバ言ってしまう
探偵気質の性格により、中学時代に友達がいなくなってしまったんです。
そんな過去から、もうこんなことになるくらいならいっそ!と
逆高校デビューを目論む二人。
しかし、なぜか2人の前には、頻繁に謎が現れてしまう。
名探偵なんかになって、もう嫌われたくないのに、
なぜか謎を解く必要に迫られてしまいます。
果たして彼らは、無事、小市民となることができるのか…?
大体、探偵ものといえば「犯人はあなたです!!」というような、
現場を踏み荒らす、目立ちたがりやのイメージがあると思うんですが、こちらは真逆
解きたくない…目立ちたくない…
僕はクラスの中で、小市民のポジションでいいんだと思っているのに
我慢できずについつい推理をしてしまう、という珍しいタイプのミステリーです
あらすじにもありますが、珍しいタイプの名探偵が誕生する理由は
彼らの消し去りたい過去にあります。
新生活を控え、次の新しい場所ではこんな自分になりたい!
そうイメージしている方もいるのではないでしょうか?
そんなあなたにとって、この小鳩君と小佐内さんは、心の拠り所になると思いますよ
またこの作品はあくまで「ミステリー」ということで
ちゃんと謎解きがあるんですが、
良い意味で、描かれている世界が狭いので、起こる謎もとっても些細なんです
例えば、ミルクココアをいれたはずなのに、ミルクを温めるはずの雪平鍋がない、
でも鍋を洗ったならシンクが濡れているはずなのに乾いている、なぜ!?
というような、小さいですが、いざ考えてみると、なんで?と
思う謎が散りばめられています
狭い世界だからこそのリアリティがあり、
しかし、その小さな謎にそんなトリックがあったの!?というファンタジックさもある、
次の謎解きが楽しみで、どんどん読めちゃいます!
そして気になっている方も多いと思うのがタイトルの「いちごタルト事件」
この作品ではスイーツも謎と同じくらい大切なアイテムとなっています。
どう絡んでくるのか、いちごタルト事件とはなんなのかはここでは内緒で
お腹をすかせて、楽しみに読んでほしいと思います!
タイトルの甘さ、内容のほろ苦さ、決して胃もたれしない、
いいおやつとなると思いますよ!
是非ティータイムのおともに読んでみてくださいね
ご紹介した、米澤穂信の小説
『春期限定いちごタルト事件』は、現在発売中です。
春に続き、夏期・秋期もシリーズとして発売されているので
ぜひチェックしてください!
来週も、アナタの毎日に、新しい彩りを!【Colorful Connect】お楽しみに