#ハチパレ ▽ Colorful Connect【小説『つくもがみ貸します』】
2018-05-27

色とりどりの情報をお届けする【Colorful Connect】
今夜ご紹介するのは、畠中恵の小説『つくもがみ貸します』
7月からTVアニメ化も決定していて、
番組にも登場してくれた、声優の小松未可子さんも出演しますよ〜
簡単なあらすじはこちら
時は江戸時代。ありとあらゆる品を、お客に貸し出すお店
「出雲屋」を営んでいる姉と弟、お紅と清次。
実はこの出雲屋、他のお店のものと、取り扱う道具たちが、一味も二味も違います。
ここの道具たちは、作られてから百年以上が過ぎ、
魂を宿した「つくもがみ」という、一種の妖のようなものになってしまっているんです。
お客の元に貸し出されては、色々な話を聞いて来て、
噂話を繰り広げる「つくもがみ」たち。
今日もまた貸し出された先で、何やら騒動を拾ってきたらしい。
人が良く、情け深いお紅と清次は、面倒くさがりながらも、
「つくもがみ」たちの力を借りながら、
江戸で起こる大小さまざまな騒動を解決していくのですが…。
というお話です!
この『つくもがみ貸します』は短編集となっていて、1編ごとに語り手が変わり
1つの事件が解決されて終わるようになっているのですが、
実は少しずつ繋がっていて、全体でも1つの話になっています
なので、時間がないときは短編、しっかり読めるときは全体を通して…と、
自分のタイミングに合わせて楽しむことができましたよ〜!
作品に出てくる「出雲屋」は、現代で言うところのレンタルショップ!
この時代から、そんな商売があったというのがまず面白いんですが、
そこに揃えられている商品はなんと「つくもがみ」!
そのつくもがみたちが、意思をもち、喋り、
悪いものには自分の体を使って攻撃する…。
特殊すぎる設定に、初めはどんな状況かなかなか想像できなかったですし、
何より物が喋るって、普通ならちょっと怖いと思うんですが、
読んでいるうちに、不思議と愛着まで湧いてくるんですよね
というのも、このつくもがみたちの会話って、
私たちが普段している会話と大差ないんです。
出雲屋を営む清次は、やれ優しすぎて商売が下手だの、
斜め前の店では最近嫁入りの話が出たそうだの、
新しく開く店には幽霊が出るなど、
なんともない世間話を店先でしているんです。
その姿が可愛く思えてきて、自分の周りで、
つくもがみになっているものはあるかなと、つい探してしまいましたね
そんなつくもがみたちの世間話と、
出雲屋に物を借りにきたお客さんの悩みが
一致した時に騒動が起こるんですが、
姉弟とつくもがみの関係もまた一癖あって、
つくもがみたちは、決して人とは会話をしない、
という独自のルールを持っているんです
なので、姉弟たちはなんとか機嫌をとりながら、
つくもがみたちが噂話を始めるまで待つしかなく、
それも断片的なものばかりなので、
それぞれの噂をつなげて騒動解決に導く、という、
読んでる側にも謎解きになっている部分があり、
その抑揚が読んでいて非常に楽しかったですよ〜
気軽に楽しく読める作品となっているので、
通勤・通学のおともに、ぜひ読んでみてください!
ご紹介した小説『つくもがみ貸します』は、角川文庫から発売中。
アニメは、7月からNHKで放送スタートします!
合わせてチェックしてみてください〜!
来週も、アナタの毎日に、新しい彩りを!
【Colorful Connect】お楽しみに〜